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日本共産党兵庫県委員会で働いています。

オランダ 「黄金の馬車」使用停止へ 国王が表明 「植民地時代の過去 共に受け入れる」

2022-01-17 07:28:43 | 国際政治
オランダ 「黄金の馬車」使用停止へ 国王が表明 「植民地時代の過去 共に受け入れる」
オランダのウィレム・アレクサンダー国王は13日、100年以上前から公式行事に使用してきた王室専用の「黄金の馬車」の利用を無期限に停止すると表明しました。馬車には、過去の植民地政策と奴隷制を象徴する装飾を施してあり、多くの市民や団体が10年以上前から使用中止を求めてきました。
問題となっていたのは、馬車の側面にある「植民地からの貢ぎ物」と題する絵です。頭を垂れて、ひざまずいた黒人がオランダを象徴する白人女性にささげものをする様子が描かれています。



黄金の馬車の側面に描かれている絵=2021年8月、アムステルダム(桑野白馬撮影)

馬車は2015年以降、修復作業のため使用されていません。この期間を利用し、王室はアムステルダム博物館と協議を開始。昨年6月から馬車の展示会を開催し、馬車の使用を今後も継続するかどうか、国民の意見を集約してきました。
国王はビデオメッセージで「われわれの歴史には、誇るべき多くのものと同時に、過ちを認め、将来繰り返さないための教材もある。過去を書き換えることはできないが、共に受け入れようと努力することはできる。これは植民地時代の過去にも当てはまる」と強調。
馬車については「オランダの準備が整った時に初めて使用できるが、今はそうではない」と使用中止を表明。「オランダに日々差別の痛みを感じる人々が生きている限り、過去は現代に影を落とし、終わってはいない」と指摘しました。
米国での「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命は大事だ)」運動の高まりを受け、オランダでも植民地や奴隷制に関する議論が活発化しています。昨年7月には、アムステルダムのハルセマ市長が植民地時代の奴隷貿易について、市が積極的に加担したことを、オランダで初めて公式に謝罪しました。
(桑野白馬)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2022年1月15日付掲載


問題となっていたのは、馬車の側面にある「植民地からの貢ぎ物」と題する絵です。頭を垂れて、ひざまずいた黒人がオランダを象徴する白人女性にささげものをする様子が描かれている。
米国での「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命は大事だ)」運動の高まりを受け、オランダでも植民地や奴隷制に関する議論が活発化。
植民地支配を肯定するようなものは公式行事に使用すべきではないと判断。