ジェンダー平等へ向かう世界 中国のLGBTQ運動 平等・尊厳求めて② 「周囲少しずつ変えたい」
中国のLGBTQ(性的少数者)団体「出色伙伴・北京」で、中心となって活動している尤伊(ゆう・い)さん(31)。常に活動を裏から支え、仲間から厚い信頼を受けています。
興味を持ち
尤さんは2015年から出色伙伴の活動に参加しています。尤さんが自分を同性愛者だと認識したのは10年。当時、女性と交際しましたが、手をつないだりしても何も感じず、1週間で別れました。
5年間1人で悩んだ夫、15年に両親にカミングアウトします。父親は少しずつ尤さんが参加しているLGBTQの活動に興味を持ち、自分が受け入れた経験を活動の場で語るようになりました。
17年に尤さんはインターネット映像メディアから取材の要請を受けました。両親以外にはカミングアウトしていなかったため、それまでは取材を断ってきましたが、そのとき「同性愛は間違ったことではない」と思い、取材を受けました。その夜、尤さんは中国の通信アプリ「微信」に自分が同性愛者だと投稿しました。
翌朝6時半くらいから友人が次々と尤さんにメッセージを寄せます。「考えすぎないで」「今は21世紀だ。何でもないことだ」などすべてが尤さんを励まし、支持する内容でした。尤さんは涙を流しました。
尤さんは10年から国有企業で働いています。尤さんのカミングアウトは社内にも知られましたが、尤さんへの待遇は何も変わらず、いまも仕事を続けています。尤さんは「カミングアウトしたことで差別を受けたことも、不利な待遇を受けたこともない」と語ります。

尤伊さん

路瑞海さん
存在知って
中国で、家族にカミングアウトしている当事者は3~5%だとされています。尤さんは「中国では年配の世代には保守的概念が残っている。ただ、改革開放で社会は変化し、1980年代生まれはLGBTQを受け入れているし、90年代生まれはもはや何も気にしない」と指摘。「自分の努力で周りの環境や雰囲気を少しずつ変えていきたい。多くの人がカミングアウトすることで、LGBTQの存在を知ってもらいたい」と強調します。
出色伙伴・北京の代表を務める路瑞海さん(43)は同性愛者を自覚していたものの、親に促され、12年に女性と結婚しました。しかし、3年後に両親と妻にカミングアウトし、離婚。16年から北京でLGBTQの活動をしています。
中国では、1600万~2000万人の同性愛者が異性との結婚を余儀なくされ、とくに農村部に多いといいます。
路さんは「活動をもっと広げて、私のような悲劇をなくしていきたい」と語ります。
(北京=小林拓也 写真も)(つづく)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2022年1月13日付掲載
女性が女性にひきあう。男性が男性にひきあう。
それは、男女間の性的関係とは違った感覚でしょうね。
でも、お互いそれで愛を感じ合うのですから、それを認め合い、同性婚ができるように法整備を進めるべきです。
改革開放で社会は変化し、1980年代生まれはLGBTQを受け入れているし、90年代生まれはもはや何も気にしない。中国社会も変化しています。
中国のLGBTQ(性的少数者)団体「出色伙伴・北京」で、中心となって活動している尤伊(ゆう・い)さん(31)。常に活動を裏から支え、仲間から厚い信頼を受けています。
興味を持ち
尤さんは2015年から出色伙伴の活動に参加しています。尤さんが自分を同性愛者だと認識したのは10年。当時、女性と交際しましたが、手をつないだりしても何も感じず、1週間で別れました。
5年間1人で悩んだ夫、15年に両親にカミングアウトします。父親は少しずつ尤さんが参加しているLGBTQの活動に興味を持ち、自分が受け入れた経験を活動の場で語るようになりました。
17年に尤さんはインターネット映像メディアから取材の要請を受けました。両親以外にはカミングアウトしていなかったため、それまでは取材を断ってきましたが、そのとき「同性愛は間違ったことではない」と思い、取材を受けました。その夜、尤さんは中国の通信アプリ「微信」に自分が同性愛者だと投稿しました。
翌朝6時半くらいから友人が次々と尤さんにメッセージを寄せます。「考えすぎないで」「今は21世紀だ。何でもないことだ」などすべてが尤さんを励まし、支持する内容でした。尤さんは涙を流しました。
尤さんは10年から国有企業で働いています。尤さんのカミングアウトは社内にも知られましたが、尤さんへの待遇は何も変わらず、いまも仕事を続けています。尤さんは「カミングアウトしたことで差別を受けたことも、不利な待遇を受けたこともない」と語ります。

尤伊さん

路瑞海さん
存在知って
中国で、家族にカミングアウトしている当事者は3~5%だとされています。尤さんは「中国では年配の世代には保守的概念が残っている。ただ、改革開放で社会は変化し、1980年代生まれはLGBTQを受け入れているし、90年代生まれはもはや何も気にしない」と指摘。「自分の努力で周りの環境や雰囲気を少しずつ変えていきたい。多くの人がカミングアウトすることで、LGBTQの存在を知ってもらいたい」と強調します。
出色伙伴・北京の代表を務める路瑞海さん(43)は同性愛者を自覚していたものの、親に促され、12年に女性と結婚しました。しかし、3年後に両親と妻にカミングアウトし、離婚。16年から北京でLGBTQの活動をしています。
中国では、1600万~2000万人の同性愛者が異性との結婚を余儀なくされ、とくに農村部に多いといいます。
路さんは「活動をもっと広げて、私のような悲劇をなくしていきたい」と語ります。
(北京=小林拓也 写真も)(つづく)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2022年1月13日付掲載
女性が女性にひきあう。男性が男性にひきあう。
それは、男女間の性的関係とは違った感覚でしょうね。
でも、お互いそれで愛を感じ合うのですから、それを認め合い、同性婚ができるように法整備を進めるべきです。
改革開放で社会は変化し、1980年代生まれはLGBTQを受け入れているし、90年代生まれはもはや何も気にしない。中国社会も変化しています。