2022年度予算案の焦点⑨ 軍事費 「敵基地攻撃能力」を推進
政府は、2022年度予算案に5兆3687億円の軍事費を計上しました。憲法違反の。「敵基地攻撃能力」保有につながる兵器の整備や新基地建設を盛り込み、8年連続で過去最大を更新。10年連続で増額しました。
際限がなく膨張
政府は21年度補正予算と22年度当初予算案を「防衛力強化加速パッケージ」と位置付け、総額は6兆1744億円(デジタル庁の一部予算を含む)に達しました。歴代政権が軍事費の目安としてきた「GDP(国内総生産)比1%枠」を突破し、際限なく膨張しています。
敵の射程圏外から攻撃できる「スタンド・オフ・ミサイル」の整備を推進。「12式地対艦誘導弾」について、地上からの発射に加えて艦船や航空機に搭載して発射する「艦発型」「空発型」の開発に新たに着手し、総額393億円を盛り込みました。ステルス戦闘機F35A(8機・768億円)やF35B(4機・510億円)などの新規調達に巨費を投入。「いずも」型護衛艦の改修に61億円を充て、空母化を狙うなど、「敵基地攻撃能力」の既成事実化を積み重ねています。

「いずも」に垂直着陸する米海兵隊のF35B=2021年10月3日、四国沖(防衛省提供)

米軍に奉仕し、国民の声を聞かない岸田政権の本質が表れているのが沖縄の米軍基地問題です。名護市辺野古の米軍新基地の建設費に355億円を計上。21年度補正予算に前倒しで盛り込んだ額と合わせると1158億円に上り、前年度より2・1倍に急増しました。米空母艦載機離着陸訓練(FCLP)移転が狙われている馬毛島(鹿児島県西之表市)での自衛隊基地整備にも549億円を計上。滑走路や駐機場など基地本体工事に初めて予算を充てました。いずれも住民の反対の民意を踏みにじって強行しています。
高額兵器の購入
また、在日米軍駐留費の日本側負担「思いやり予算」は歳出ベースで2056億円と、前年度から39億円増加。提供施設整備費は267億円と大幅に増加し、基地内でミサイルから航空機を防護する掩体(えんたい)や整備用格納庫など戦闘に直結した施設を整備します。
高額兵器の購入などによって将来の財政を圧迫しています。複数年度に分割払いする軍事ローン「後年度負担」の総額は5兆8642億円に膨らみ、22年度予算案の軍事費を上回りました。要因の一つは、米政府から武器を購入する「有償軍事援助(FMS)」の増加です。22年度予算案のFMS調達額は3797億円で、約49%増加。FMSは、米政府が一方的に金額や期限を変更できるため、価格が高騰する傾向があります。
(おわり)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2022年1月29日付掲載
敵の射程圏外から攻撃できる「スタンド・オフ・ミサイル」の整備を推進。「12式地対艦誘導弾」について、地上からの発射に加えて艦船や航空機に搭載して発射する「艦発型」「空発型」の開発に新たに着手し、総額393億円を盛り込み。
まさに、敵をせん滅させる敵基地攻撃能力です。
高額兵器の購入などによって将来の財政を圧迫。複数年度に分割払いする軍事ローン「後年度負担」の総額は5兆8642億円に膨らみ、22年度予算案の軍事費を上回る。
予算を硬直化させる要因の一つに。
政府は、2022年度予算案に5兆3687億円の軍事費を計上しました。憲法違反の。「敵基地攻撃能力」保有につながる兵器の整備や新基地建設を盛り込み、8年連続で過去最大を更新。10年連続で増額しました。
際限がなく膨張
政府は21年度補正予算と22年度当初予算案を「防衛力強化加速パッケージ」と位置付け、総額は6兆1744億円(デジタル庁の一部予算を含む)に達しました。歴代政権が軍事費の目安としてきた「GDP(国内総生産)比1%枠」を突破し、際限なく膨張しています。
敵の射程圏外から攻撃できる「スタンド・オフ・ミサイル」の整備を推進。「12式地対艦誘導弾」について、地上からの発射に加えて艦船や航空機に搭載して発射する「艦発型」「空発型」の開発に新たに着手し、総額393億円を盛り込みました。ステルス戦闘機F35A(8機・768億円)やF35B(4機・510億円)などの新規調達に巨費を投入。「いずも」型護衛艦の改修に61億円を充て、空母化を狙うなど、「敵基地攻撃能力」の既成事実化を積み重ねています。

「いずも」に垂直着陸する米海兵隊のF35B=2021年10月3日、四国沖(防衛省提供)

米軍に奉仕し、国民の声を聞かない岸田政権の本質が表れているのが沖縄の米軍基地問題です。名護市辺野古の米軍新基地の建設費に355億円を計上。21年度補正予算に前倒しで盛り込んだ額と合わせると1158億円に上り、前年度より2・1倍に急増しました。米空母艦載機離着陸訓練(FCLP)移転が狙われている馬毛島(鹿児島県西之表市)での自衛隊基地整備にも549億円を計上。滑走路や駐機場など基地本体工事に初めて予算を充てました。いずれも住民の反対の民意を踏みにじって強行しています。
高額兵器の購入
また、在日米軍駐留費の日本側負担「思いやり予算」は歳出ベースで2056億円と、前年度から39億円増加。提供施設整備費は267億円と大幅に増加し、基地内でミサイルから航空機を防護する掩体(えんたい)や整備用格納庫など戦闘に直結した施設を整備します。
高額兵器の購入などによって将来の財政を圧迫しています。複数年度に分割払いする軍事ローン「後年度負担」の総額は5兆8642億円に膨らみ、22年度予算案の軍事費を上回りました。要因の一つは、米政府から武器を購入する「有償軍事援助(FMS)」の増加です。22年度予算案のFMS調達額は3797億円で、約49%増加。FMSは、米政府が一方的に金額や期限を変更できるため、価格が高騰する傾向があります。
(おわり)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2022年1月29日付掲載
敵の射程圏外から攻撃できる「スタンド・オフ・ミサイル」の整備を推進。「12式地対艦誘導弾」について、地上からの発射に加えて艦船や航空機に搭載して発射する「艦発型」「空発型」の開発に新たに着手し、総額393億円を盛り込み。
まさに、敵をせん滅させる敵基地攻撃能力です。
高額兵器の購入などによって将来の財政を圧迫。複数年度に分割払いする軍事ローン「後年度負担」の総額は5兆8642億円に膨らみ、22年度予算案の軍事費を上回る。
予算を硬直化させる要因の一つに。