きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

円安時代④ 所得低下し将来不安

2022-11-02 07:11:06 | 経済・産業・中小企業対策など
円安時代④ 所得低下し将来不安
大企業と富裕層を優遇してきた自民・公明政権の税・財政政策が製造業の空洞化を促進し、自国窮乏化をさらにひどくしています。

大企業の税逃れ
その一つは麻生太郎政権が2009年度「税制改正」で導入した海外子会社配当益金不算入という制度です。これは日本の企業が海外にもつ子会社から受け取る配当金のうち95%相当額を非課税とするもの。子会社のある国と日本での「二重課税」を防ぎ、海外でのもうけを日本に還流させるとの触れ込みでした。
しかし、外資を呼び込んで経済を成長させようとする国の多くが低税率の特区などを設定しています。それらを利用すれば子会社のある国でも日本でもほとんど課税されない「二重非課税」を実現できるため、同制度は大企業の海外展開と税逃れを促進する役割を果たしてきました。
TPP(環太平洋連携協定)やEPA(経済連携協定)などの「自由貿易投資協定」も製造業の空洞化を推し進めました。これらの協定は、関税を引き下げて外国製商品を日本に輸入しやすくさせるとともに、多国籍企業にとって好都合な投資ルールを確立して海外展開を容易にするものでした。電機産業などの海外移転が進んで国内製造業は弱体化し、家電製品などの輸入依存度が高まっています。(表)


輸入依存度(%)
パソコン63.4
携帯電話94.1
半導体素子33.1
集積回路35.9
医薬品28.9
経済産業省「通商白書2022」から作成。
輸入依存度=輸入額÷(国内生産額+輸入額)


再分配機能破壊
さらに、国内で大企業のコストを削減するために国民の負担を増やし、税と社会保障による所得再分配機能を壊したのがアベノミクスでした。
とりわけ、14年4月と19年10月に安倍晋三政権が強行した消費税増税は低所得者ほど重い負担を課すものでした。一方で大企業には法人税減税をばらまきました。所得税でも、富裕層に有利な不労所得(利子・配当・株式譲渡所得など)の分離・優遇課税を温存しました。その結果、消費税は法人税や所得税を抜いて最大の税収源となっています。
(図1)




社会保険料負担も増加させ、国民の可処分所得を減らしました。直接税(所得税や住民税)と社会保険料を合わせた「非消費支出」が勤労世帯の実収入に占める割合は、2000年代まで15%程度だったのに、12年以降、18%を超えて推移しています。(図2)



社会保障分野では、年金支給額の削減、医療・介護の自己負担増、生活保護費の引き下げなどの負担増・給付減を繰り返しました。大企業の税・社会保険料負担を抑制するねらいです。社会保障改悪は国民の実質可処分所得を低下させるだけでなく、将来不安を増幅し、内需をいっそう冷え込ませています。
SBI生命保険が20~60代を対象に行った2019年のアンケート調査では、将来不安の1位は「病気」、5位は「年金」、6位は「介護」でした。(図3)




将来不安解消のためにとりたい手段のトップは「貯金」でした。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2022年11月1日付掲載


とりわけ、14年4月と19年10月に安倍晋三政権が強行した消費税増税は低所得者ほど重い負担を課すもの。一方で大企業には法人税減税をばらまき。所得税でも、富裕層に有利な不労所得(利子・配当・株式譲渡所得など)の分離・優遇課税を温存。その結果、消費税は法人税や所得税を抜いて最大の税収源。
社会保険料負担も増加させ、国民の可処分所得を減らしました。
SBI生命保険が20~60代を対象に行った2019年のアンケート調査では、将来不安の1位は「病気」、5位は「年金」、6位は「介護」。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする