きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

メタバース 特徴と課題① 3次元の仮想空間技術

2022-11-21 07:38:50 | 経済・産業・中小企業対策など
メタバース 特徴と課題① 3次元の仮想空間技術
最近、新聞やテレビで、「メタバース」という耳なれない用語をしばしば見かけるようになりました。東京大学が今年8月に「メタバース工学部」を新設したとか、大阪の吉本興業がメタバースで劇場を開始したなどというニュースもありました。メタバースにはさまざまな可能性もありますが、同時に留意すべき多くの問題もはらんでいます。メタバースとは何か、どう見るべきか、その特徴と課題を考えてみましょう。
(経済研究者 友寄英隆)◇

メタバースとは、英語の「Meta(超越)」と「Uni-verse(宇宙)」を組み合わせた造語です。メタバースの特徴は、企業が提供するオンライン上に構築された仮想空間に、利用者がそれぞれの分身(アバター)を参加させて、VR(バーチャルリアリティー=仮想現実)の中で利用者(分身)同士が交流できるというサービスです。



筆者が体験したメタバース会議場

「アリス」を体感
メタバースの前提となるVRとは、そもそも何でしょうか。VRは、あたかも現実であるかのような仮想(バーチャル)の情報世界を人工的につくり出すデジタル技術を意味しています。
私たちは、映画館のスクリーンやテレビの画面で、さまざまな風景や都市や人物の映像を日常的に見ています。こうした映像を見ても、なんの違和感もありませんが、それらの映像は、現実には縦、横、奥行きをもった3次元(3D)の世界を、奥行きのない平面的な2次元の画面に映し出したものです。静止した画面を連続して映写すると、時間的変化も加わった「動画」になりますが、それでも画像そのものは、2次元の世界です。
VRは、こうした従来の映画やテレビの2次元の画像ではなく、より現実世界に近い奥行きのある3次元の世界をデジタル技術を駆使してつくり出した人工的な空間です。
比喩的に言えば、「不思議の国のアリス」という童話があります。アリスという少女がウサギを追って穴に落ち込み、地下の不思議な世界でさまざまな冒険をするというお話です。このアリスが体験する「不思議な国」は空想上のものですが、こうした「不思議な国」のような架空の空間を実際に視覚的、聴覚的に体感できるのがVRと言ってもよいでしょう。
メタバースは、広い意味ではVRの発展した形態ですが、メタバースの基本的な特徴は、仮想現実の情報空間の中に、それを利用する人間の分身(アバターと呼ぶ)を組み入れて、あたかも「不思議の国のアリス」になったかのような状態をつくり出すことです。

外界を遮断して
メタバースでは、ゴーグルやヘッドセットなどの特別な装置が必要です。
ゴーグルとは、オートバイに乗るとき、スキーや登山の際に使用する風防、紫外線よけの大型の眼鏡のことです。メタバースでも、3次元(3D)の仮想空間を体験するためには、3D用ゴーグルを装着する必要があります。
スキーや登山の際のゴーグルは、あくまでも現実の世界を見るための眼鏡ですが、メタバース用のゴーグルは、逆に目の前の外界との関係を遮断して、ゴーグルの内部に送信されたVRの情報を視覚的、聴覚的に体験するという装置です。
メタバースの特徴は、ただ提供される仮想空間の情報(3D世界)を受信するだけでなく、自分の動作などの情報をゴーグルをとおしてアバター(分身)へ送信して、自分があたかも仮想空間に入り込んだかのような状態をつくり出すことです。つまり、メタバースのゴーグルは、情報の受信と送信の両方の機能を持っています。(つづく)
(3回連載です)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2022年11月17日付掲載


メタバースとは、英語の「Meta(超越)」と「Uni-verse(宇宙)」を組み合わせた造語です。メタバースの特徴は、企業が提供するオンライン上に構築された仮想空間に、利用者がそれぞれの分身(アバター)を参加させて、VR(バーチャルリアリティー=仮想現実)の中で利用者(分身)同士が交流できるというサービス。
メタバースの特徴は、ただ提供される仮想空間の情報(3D世界)を受信するだけでなく、自分の動作などの情報をゴーグルをとおしてアバター(分身)へ送信して、自分があたかも仮想空間に入り込んだかのような状態をつくり出すことです。つまり、メタバースのゴーグルは、情報の受信と送信の両方の機能を。
仮想空間を体験するだけでなく、働きかけるのです。


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