楽天の“送料無料化” 業者への負担強要は地位の乱用
<span style="color:black;">情報通信技術やデータを活用し、多種多様なサービスの「場」を提供する事業者を「デジタル・プラットフォーマー」と呼び、デジタル経済・技術の発達とともに、米国のGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)をはじめとして急成長し、規模を拡大しています。それに伴って、独占的な市場支配が社会問題になっています。
デジタル・プラットフォーマーは、利用する消費者が増えるほどサービスを提供する事業者が有利になり、それによってますます消費者が増える(市場の両面性)という特徴を持っていることが要因です。(社会問題の全般は3月1日付本欄で述べています)
日本のデジタル・プラットフォーマーである楽天は、消費者と出店事業者をつなぐ「場」である、オンライン通販の楽天市場を運営しています(図)。楽天の「独占的な市場支配」は、出店事業者に対して優位な力関係を利用した送料などの「負担の一方的押しつけ」となって表れています。
2019年8月、楽天は「共通の送料無料ライン」を発表しました。購入金額が3980円以上の場合、送料を一律無料とし、その負担を出店者に一方的に押しつけるというものです。従業員10人以下が約8割を占めるなど多数の中小・小規模事業者に対する、独占禁止法違反(優越的地位の乱用)の疑いが非常に強いもので、多数の出店業者から反対の声が上がりました。
「しんぶん赤旗」の報道を皮切りに雑誌・全国紙が大きく報道し、対する三木谷浩史・楽天社長は「何が何でも一緒に成功させたい。店舗の成長につながれば政府、公取委と対峙(たいじ)しようとも遂行する」と強弁しました。
その後19年11月、日本共産党の岩渕友参院議員の国会質問や、「無料化」に反対する出店業者団体「楽天ユニオン」などの運動と世論により、今年3月18日の制度導入を控えた2月、公正取引委員会は楽天に立ち入り検査、月末には「緊急停止命令」を東京地裁に申し立てました。
これを受けた楽天は3月6日、「(無料化を)選択できるようにする」と発表しました。しかし、賛同しない店舗に対しては煩雑な手続き上の負担を押しつけ、賛同する店舗は優遇するという“分断策”がその内容です。
現在、公取委は審査を継続しています。同18日の参院経済産業委員会で岩渕氏は「巨大企業である楽天が出店者に一方的に不利益や負担を強いるやり方をやめさせるべきだ」と追及しました。
今国会には「特定デジタル・プラットフォームの透明性及び公正性の向上法案」が提出されており、法案では事業者の“自主性まかせ”を強調するなど問題点もあります。国内外の事業者を問わず、強硬姿勢を崩さない楽天など、デジタル・プラットフォーマーの横暴を許さず、国民の立場から真に実効性のあるルールづくりが必要です。
阿部了(あべ・りょう 党国会議員団事務局)
「しんぶん赤旗」日曜版 2020年4月12日付掲載
楽天市場は、アマゾンやヤフーのショッピングなどと合わせて、いまや必要不可欠なネットショッピングになっています。
だからこそ、出店者を選別し、利益を損ねるようなことはしてはいけません。
<span style="color:black;">情報通信技術やデータを活用し、多種多様なサービスの「場」を提供する事業者を「デジタル・プラットフォーマー」と呼び、デジタル経済・技術の発達とともに、米国のGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)をはじめとして急成長し、規模を拡大しています。それに伴って、独占的な市場支配が社会問題になっています。
デジタル・プラットフォーマーは、利用する消費者が増えるほどサービスを提供する事業者が有利になり、それによってますます消費者が増える(市場の両面性)という特徴を持っていることが要因です。(社会問題の全般は3月1日付本欄で述べています)
日本のデジタル・プラットフォーマーである楽天は、消費者と出店事業者をつなぐ「場」である、オンライン通販の楽天市場を運営しています(図)。楽天の「独占的な市場支配」は、出店事業者に対して優位な力関係を利用した送料などの「負担の一方的押しつけ」となって表れています。
2019年8月、楽天は「共通の送料無料ライン」を発表しました。購入金額が3980円以上の場合、送料を一律無料とし、その負担を出店者に一方的に押しつけるというものです。従業員10人以下が約8割を占めるなど多数の中小・小規模事業者に対する、独占禁止法違反(優越的地位の乱用)の疑いが非常に強いもので、多数の出店業者から反対の声が上がりました。
「しんぶん赤旗」の報道を皮切りに雑誌・全国紙が大きく報道し、対する三木谷浩史・楽天社長は「何が何でも一緒に成功させたい。店舗の成長につながれば政府、公取委と対峙(たいじ)しようとも遂行する」と強弁しました。
その後19年11月、日本共産党の岩渕友参院議員の国会質問や、「無料化」に反対する出店業者団体「楽天ユニオン」などの運動と世論により、今年3月18日の制度導入を控えた2月、公正取引委員会は楽天に立ち入り検査、月末には「緊急停止命令」を東京地裁に申し立てました。
これを受けた楽天は3月6日、「(無料化を)選択できるようにする」と発表しました。しかし、賛同しない店舗に対しては煩雑な手続き上の負担を押しつけ、賛同する店舗は優遇するという“分断策”がその内容です。
現在、公取委は審査を継続しています。同18日の参院経済産業委員会で岩渕氏は「巨大企業である楽天が出店者に一方的に不利益や負担を強いるやり方をやめさせるべきだ」と追及しました。
今国会には「特定デジタル・プラットフォームの透明性及び公正性の向上法案」が提出されており、法案では事業者の“自主性まかせ”を強調するなど問題点もあります。国内外の事業者を問わず、強硬姿勢を崩さない楽天など、デジタル・プラットフォーマーの横暴を許さず、国民の立場から真に実効性のあるルールづくりが必要です。
阿部了(あべ・りょう 党国会議員団事務局)
「しんぶん赤旗」日曜版 2020年4月12日付掲載
楽天市場は、アマゾンやヤフーのショッピングなどと合わせて、いまや必要不可欠なネットショッピングになっています。
だからこそ、出店者を選別し、利益を損ねるようなことはしてはいけません。
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