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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

キーワードで見る資本論⑥ プロメテウスの鎖 「第23章 資本主義的蓄積の一般的法則」

2020-05-13 08:17:07 | 働く権利・賃金・雇用問題について
キーワードで見る資本論⑥ プロメテウスの鎖 「第23章 資本主義的蓄積の一般的法則」

技術革新や生産性の向上は人間社会にとって本来、よいことです。しかし、利潤第一主義の下では、資本の蓄積が進んで資本の規模が大きくなり、生産性の向上や技術革新が進むと、それが労働者にリストラをもたらします。
正規労働者の周りを失業者・半失業者がとりまき、「嫌なら代わりはいくらでもいる」と労働者の待遇を悪化させます。
こうした失業・半失業者を、マルクスは「相対的過剰人口または産業予備軍」と呼びます。現代で典型的なのが派遣・非正規労働者です。
マルクスは、資本主義的生産のもとでは必然的に、常に「過剰な」労働者人口が生み出され、それが「ヘファイストスの楔(くさび)がプロメテウスを岩に縛りつけたよりもいっそう固く、労働者を資本に縛りつける」と指摘。
「資本が蓄積されるのにつれて…労働者の状態は悪化せざるをえない」、「一方における富の蓄積」は同時にその対極における「貧困、労働苦」の蓄積となるとのべます。(新版④1126ページ)




プロメテウスはギリシャ神話の英雄で、天界の火を盗んで人間に与えたために神の怒りをかい、岩山で鎖につながれ、鍛冶の神ヘファイストスが鍛えた楔で岩にくぎ付けにされました。
同時に、マルクスは、人間に火を与えたプロメテウスを人類の解放に尽くした英雄と評価していました。
新版『資本論』では、ここにプロメテウスを登場させたのは、プロメテウスが自らを縛る鎖とたたかったように、労働者階級は搾取の鉄鎖を断つために立ち上がれ、というマルクスの呼びかけが込められていると解説しています。
本章は資本主義下では富と貧困の二極化が起こるのが避けられないことを解明すると同時に、労働者階級が社会変革の闘士となる必然性を明らかにしています。(文)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2020年5月11日付掲載


マルクスは、「相対的過剰人口」が形成され、労働者の生活実態を、必要な栄養の摂取もできない、一部屋に何人もの居住などの劣悪な環境を告発しています。
しかし、労働者階級は、社会変革の担い手となるのだ。

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