安倍政権 危険な経済政策「アベノリスク」⑤ 「解雇自由」で職場崩壊
アベノミクスの「成長戦略」は「解雇自由」社会の実現を狙います。
「うちの会社が、いち早くアベノミクスを経験しているのかもしれません」。日本IBMでソフトウエアエンジニアとして働く近藤雄司さん(47)=仮名=は職場の状況を吐露します。
日本IBMは昨年、従業員に対し突然解雇通告し、その日のうちに職場から追放する「ロックアウト解雇」を強行。多くの労働者が解雇されました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7c/40/784baa579b5a08599a45f0fd2f863d23.jpg)
日本IBM本社=東京都中央区
退職を促す
近藤さんは「ロックアウト解雇の怖さは、より迅速に確実に退職に追い込まれるところ」といいます。「ロックアウト解雇」は会社がいったん、解雇通告を出し、その後、割増金を支払うという形で自主退職を促すやり方です。応じなければ普通解雇となります。自分で辞めるか、解雇されるか。とにかく「退職」という選択肢しかありません。
「ロックアウト解雇」の恐怖から、従業員は労働条件について何も言えない状態です。文句を言えば即リストラ対象になるからです。
「成長戦略」を策定する産業競争力会議では、大企業経営者が中心となり、より解雇をしやすくするため、解雇規制緩和の議論を行っています。
「雇用維持型の解雇ルールを労働移動型ルールに転換」するとして、経済同友会の長谷川閑史代表幹事が、「解雇自由の原則」を法律に明記することを提案しています。
物言えない
近藤さんは、「今の状態が法的に認められたら恐ろしい。従業員はますます物が言えなくなって、経営者は非常に楽になるでしょうね」と指摘します。
日本IBMは過酷な成果主義と自己責任で、職場崩壊を起こしているといいます。一人一人個別に分断され、人にも仕事を教えないようになり、チームワークもありません。自分がリストラされないように、全員が年中競争に駆り立てられています。過重労働で体を壊す従業員が後を絶ちません。
アベノミクスが狙う「解雇自由」社会はこうした職場崩壊に拍車をかけます。「労働者は使い捨てですよね。解雇自由だから。使い捨て。そんな社会に未来はないですよね」。近藤さんは断言します。(つづく)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2013年4月20日付掲載
アベノミクスの狙う「雇用の流動化」。「「成熟産業」から「成長産業」へ雇用を流動化させる」と言えば、良いように聞こえますが、要するにリストラです。
実際は、正社員から派遣や非正規への置き換えで、労働コストの削減。労働者にとっては、労働条件の悪化と賃金ダウンです。
アベノミクスの「成長戦略」は「解雇自由」社会の実現を狙います。
「うちの会社が、いち早くアベノミクスを経験しているのかもしれません」。日本IBMでソフトウエアエンジニアとして働く近藤雄司さん(47)=仮名=は職場の状況を吐露します。
日本IBMは昨年、従業員に対し突然解雇通告し、その日のうちに職場から追放する「ロックアウト解雇」を強行。多くの労働者が解雇されました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7c/40/784baa579b5a08599a45f0fd2f863d23.jpg)
日本IBM本社=東京都中央区
退職を促す
近藤さんは「ロックアウト解雇の怖さは、より迅速に確実に退職に追い込まれるところ」といいます。「ロックアウト解雇」は会社がいったん、解雇通告を出し、その後、割増金を支払うという形で自主退職を促すやり方です。応じなければ普通解雇となります。自分で辞めるか、解雇されるか。とにかく「退職」という選択肢しかありません。
「ロックアウト解雇」の恐怖から、従業員は労働条件について何も言えない状態です。文句を言えば即リストラ対象になるからです。
「成長戦略」を策定する産業競争力会議では、大企業経営者が中心となり、より解雇をしやすくするため、解雇規制緩和の議論を行っています。
「雇用維持型の解雇ルールを労働移動型ルールに転換」するとして、経済同友会の長谷川閑史代表幹事が、「解雇自由の原則」を法律に明記することを提案しています。
物言えない
近藤さんは、「今の状態が法的に認められたら恐ろしい。従業員はますます物が言えなくなって、経営者は非常に楽になるでしょうね」と指摘します。
日本IBMは過酷な成果主義と自己責任で、職場崩壊を起こしているといいます。一人一人個別に分断され、人にも仕事を教えないようになり、チームワークもありません。自分がリストラされないように、全員が年中競争に駆り立てられています。過重労働で体を壊す従業員が後を絶ちません。
アベノミクスが狙う「解雇自由」社会はこうした職場崩壊に拍車をかけます。「労働者は使い捨てですよね。解雇自由だから。使い捨て。そんな社会に未来はないですよね」。近藤さんは断言します。(つづく)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2013年4月20日付掲載
アベノミクスの狙う「雇用の流動化」。「「成熟産業」から「成長産業」へ雇用を流動化させる」と言えば、良いように聞こえますが、要するにリストラです。
実際は、正社員から派遣や非正規への置き換えで、労働コストの削減。労働者にとっては、労働条件の悪化と賃金ダウンです。