使えたアウトサイドの攻撃力(12/14日本対香港)

今日の東アジアカップの日本対香港、5-0と日本の圧勝に終わりました。香港代表は帰化選手を二人スタメンに入れており、1トップのサンドロにはスピードもありそうでしたが、香港が攻める場面はほとんどない試合になりました。予想通り、日本はボールを支配し、初先発で意気込むシャドーの仲川輝人を軸に攻撃を組み立てました。

その折り返しから、左アウトサイドの菅が目の覚めるような強烈なミドルシュートを突き刺し、日本は開始4分で早くもリードを奪います。香港は4-3-2-1気味に中盤の守備を厚くしようとしてきましたが、日本の3-6-1では特に使える、右アウトサイドの相馬と左アウトサイドの菅のところで相手を崩せました。

また、香港のように、瞬間的な動きは今一つという相手にはセットプレーの力技も効きます。左CKを大島が蹴ると、田川が後頭部に当てて後ろにすらすという、難易度の高いヘディングシュートを決めて、2-0とした時点で勝負はほぼ決まりでした。この日の日本は、五輪代表の強化につなげようと、U-22代表資格のある選手を多く並べ、経験があるのは仲川と大島くらいという若いチームでした。

この試合がA代表デビューになる選手の多い、若い代表選手たちは、この機会をうまく利用して組織を作っていました。大島はボランチの位置でボールが収まり、菅や相馬の足元にも正確にロングボールが渡りました。相手のカウンターにも、まず一人が帰陣して遅らせて、すぐに戻るか、無理そうならタッチラインに蹴り出す柔軟性も見せていました。

小川航基のハットトリックも見事でした。彼はJ2の水戸に所属する選手ですが、U-22代表ではエースの座を上田と争います。彼の場合、フリーになるセンスの良さが武器で、3点ともうまく香港のDFを出し抜いたものでした。もちろん、シュートの技術も良く、確実に枠内に飛ばすことができていました。今回の大会が「小川の大会」と呼ばれるほど活躍したいと野望を語っていましたが、次の韓国戦次第で実現の可能性もあります。

もっとも、香港のような相手は勝って当然とも言えます。そういう試合が難しいとはよく言われますが、きっちり得失点差を5点も稼げたことで、最終戦の韓国戦に有利な状態で対戦できます。この試合に関しては、100点の結果を出せたのではと思います。