<新老人の会>会員になると、毎月、小冊子が2冊、郵送されます。
月報と「教育医療」、どちらも読み応えがあるので< お勧め! >です。
5月号に「医療者サイドの葛藤」のことが載っていたので、ご紹介します。
●日本におけるこれまでの延命医療問題
17年前の日本社会では、人口栄養チューブを使わないで自然な看取りを
することは、新聞で社会問題として糾弾されるような社会的風潮のある時代
だったそうです。
実際に紙上で糾弾された医師は、日本老人医学会の会員であり、現場では
「患者さんができるだけ最後まで自分の口から食べることができるように
創意工夫をして、食べてもらっていた。そして、いよいよ自分の口から
食べることができなくなったら、その時は自然な看取りということで、
家族とも合意していた」そうです。
当時の学会員は憤りを覚えて、新聞社に訂正記事の掲載を求めたが、結局
訂正記事が出されなかったので、
「高齢者の終末期の医療とケア」のガイドライン作成や
2012年の「立場表明」に繋がったそうです。
●胃ろう(腹壁を切開し胃内に管を通す術)----家族の後悔
この手術を施した場合の家族の後悔は主に2種類。
①胃ろう造設後、早期になくなった場合、家族は
「痛い思いをさせただけだったのではないか」と思う。
②より多くの場合で、
「胃ろう造設後の生き方が家族として肯定できない」ということ。
胃ろう造設後の生き方は、<無理矢理生かされている>状態。
本人がもし何か言えるとすれば、「これは嫌だ」と言うのではないか。
介護は大変だし、いつ終わるかもわからない。こうなるとわかっていれば
胃ろう造設はしませんでした、という家族が非常に多いそうです。