自力整体でいきいき歩き: 狛 雅子

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ボーヴォワール 老い   上野千鶴子・著  (100分de名著) 2021/7

2025-02-25 05:51:21 | 生き方

図書館で、介護の行く末とか、老後の生き方等の本が並ぶ棚で発見した本。

著者の上野さんは同い年なので、何かと参考にさせていただいています。

 

はじめにから概要を読み解くと、

p.6 文明社会でありながら、老いた人間を厄介者にして廃物扱いする。

   そのように老人を扱うことが、文明のスキャンダル(=言語道断な事実)

   であると、ボーヴォワールはきっぱりと言っているのです。

   (中略)老いは個人の問題ではなく、社会の問題である、ということです。

 

   この主張は、私の研究者としての出発点である女性学の視点とも響き合います。

   (中略)女の解放に不可欠なのは、女の努力ではなく、社会の変化だ、

   と書いたのです。「同じにならなければ、排除される社会」ではなく、

   「違っていても差別を受けない社会」

 

   80年代にこれを書いたのはかなり早かったでしょう。違っていても差別されない

   社会を考えていく中で、これは女性のみならず、広く社会的弱者」と言われる

   人々に共通する問題だと気づきました。そこから高齢者や介護問題を研究する

   ようになり、現在に至ります。

 

   (中略)老いとは個人が努力で克服するものではなく、

   まさに社会の問題であり、文明の問題なのです。

 

う~~ん・・・・・そうなのかなぁ???

私が知っている、日本の家庭や社会の中で「老人が疎まれ、差別されている」光景は

見て来なかったと思います。2020年代の今は特に、現金と時間を享受しているのは

高齢者ばっかり(?)なんじゃないの?とさえ思ってしまいます。

 

ここでボーボワールやサルトルを語る時に外せない言葉、「実存主義」について

脚注があるので、書き写しておきましょう。

p.51 実存主義とは、人間の実存、つまり現実存在から出発し、それを

   本質存在に先立つものとして捉え、自由の道を発見していこうとする立場。

 

うぅ~ん。何度読んでも不可解な文章です。(私にとっては)

ここで気を取り直して(?)、GoogleAIの説明を読むと、かなりスッキリ!

 

【実存主義の特徴】
  • 過去を後悔せず未来を憂えずに、「今、ここ」での自由な生き方を優先する考え方
     
  • 人生における不条理や無意味さを認めて、その現実と向き合うことの重要性を強調する
     
  • すべての人間に普遍的にあてはまる本質を追究するのではなく、具体的で現実的な 
  •  個々の人間のあり方を見つめる
     
【実存主義の代表的な哲学者】
 
   キルケゴール、ニーチェ、ヤスパース、ハイデッガー、サルトル
 
【実存主義の思想】
  • 実存主義の思想家たちはそれぞれに考え方は違いますが、
  • 真実の自己のあり方・生き方を探究した点が共通しています。
     
  • 実存主義は欧米白人のイメージが強いですが、黒人にも
  • ラルフ・エリソンらの実存主義者がいました。

 

最後にアメリカの女性解放運動家ベティ・フリーダンの記述をメモします。

p.94 アメリカの「ウーマンリブの母」、ベティ・フリーダンが

   「老いの泉」を書こうとした動機は「老年期にさしかかった女性たちに

   関する通説が当てはまらない」「ステレオタイプとは異なる生き生きした

   老年期を過ごしている驚くほど多くの人たち」に出会ったことにあります。

   

p.95 (フリーダンは著書で)高齢者の否定的なイメージを「自分を知り、

   今は自分を一番よくわかっているのだと自覚し、他人が自分のことをどう

   思うか恐れずに、未知の将来へと驚嘆しながら発展していくイメージ」へと

   転換させようとします。そこにはアメリカ人らしい「成長と発展」信仰と

   オプティミズム、従来の老人感への挑戦があります。

 

   サクセスフルエイジング、成功加齢と言う概念があります。

   このアメリカ生まれの概念は、「死の直前まで、壮年期を引き延ばす思想のこと」

   だと、老年学者の秋山裕子は定義しました。もっとベタに翻訳すると

   「老年期を否認する思想」、すなわち、自分が老い衰えることを見たくない、

   聞きたくない、考えたくない思想のことだ、と。

 

私自身にとって、上記は「理想論」です。確かに「死ぬまで雄々しく戦い続ける」のは

素晴らしい人生ですが、精神が乗っかっている「肉体」という乗り物が朽ちていくのは

止めようがありません。このことを受け止めながら、

できるだけその「乗り物」を、長持ちするように「大事に手入れしながら使う」こと。

この方法を色々考え、実践していこうと思っています。


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