こつなぎの写真ノート

身近な自然の彩りを楽しみながら

赤城山での紅葉(その1)、白樺牧場などにて、2015年10月

2015-10-09 | 赤城山

赤城山では紅葉や黄葉が目立つようになった。ここでは、昨日午後に撮った秋景をアップロードする。

白樺牧場にて。牧場にはレンゲツツジの群生している。

 

雲間からの日差しを浴びる紅葉と黄葉

 

雲間からの日差しで浮かび出る牧場での光景から


 秋の装いを想わせるモデル(?)を入れて

 

白樺牧場付近で南側を眺めると (右奥は荒山である)

 

黒檜山(奥)と駒ヶ岳(手前)の装い

 

黒檜山・山腹のクローズアップ(猫岩付近)

 

小沼にて(南方向)

 

晴れ → 曇 晴れ、そして強い北風。天候の変化はドラスティックであった。

 

東側の岸辺に雲間からの日差しが当たる瞬間を待って(水面への映り込みは期待できなかったが)。

 

昨年にくらべて、ツツジ(ドウダン)、ダケカンバ、そして水面が織りなす彩りは鮮やかである。

 

撮影、10月8日12-16時。


(続)梅雨入り直前での遠望、赤城山にて、2015年6月

2015-06-15 | 赤城山

今月上旬に、関東平野の広さを実感しつつ、東方向には筑波山、南方向には富士山と奥秩父連山、そして西方向に は浅間山、草津白根山、四阿山、八ヶ岳連峰、南アルプス、北アルプスを遠望することができた。前記事に続いて、長七郎山(1579 m)及びそれに至る道で撮った画像をアップロードする(地点 A、B,C)。

 

 

地点A(小沼見晴)にて。

小沼から長七郎山や小地蔵岳に登るところに、小沼見晴と言われるスポットがある。ここからは富士山が見えるとされている。しかし、6月頃に(とくに、日中に)、富士山が見えることは稀である。右下の案内板には、冬での眺めがプリントされている。

 

 地点Aにて。この場所から眺める武尊山には何か風格のようなものがある。なお、五輪尾根にはツツジ(シロヤシオやレンゲツツジ)が多く生えているが、この尾根を歩く人は多くない。

 

地点B(小地蔵岳から長七郎山に至る尾根)にて。

尾根道では東方向の展望に、自ずと視線が向く。このときは、強い北風を飛ばされないようにと、木の枝を掴みながら歩いた。道には崖のそばを通る箇所がある。当然のことながら、そのような場所での展望は素晴らしい。

撮ったとき、日光白根山(2578 m)の山頂は雲で覆われていた。皇海山(2144 m)も百名山の一つに選定されている。深田久弥は庚申山 (日光、足尾)→ 鋸山 → 皇海山のルートを歩いている。

 

 男体山(日光、2486 m)では、袈裟丸山(1979m)に遮られているために、山頂が僅かに見えるに過ぎない。

 

地点Bから山頂(地点C)に至る道にて

東方向に筑波山がはっきりと見えた。なお、宝篋山は展望の山として知られている。そして、大平山(栃木県栃木市)は筑波山や富士山の展望台である。大平山で見る筑波山の形は美しい。余談ながら、大平山からは筑波山の双耳峰に間から朝日が昇る光景が撮れると聞いたことがある。

 

自分が住んでいる場所の近くの山はどれだろうか。山肌の濃淡(斑模様)は針葉樹(杉や檜)と広葉樹が混合していることや強い風によって樹木の葉が揺れていることによる。

 

地点B(長七郎山の山頂)にて、南方向。

 

今更のことながら、この有様によって群馬には畑が多いを実感させられる。

 

地点B(長七郎山の山頂)にて(西方向)。

6月にしては驚くほど、視界が遠方まで広がっていた。荒山や地蔵岳の緑と対比させて青みがかった遠景を眺める。遠近法を感じながらの展望、これが長七郎山に登るときの楽しみである。

 

浅間山から北アルプスまでのクローズアップ。浅間山の山頂部を除いて、どれもが花と展望の山である。ところで、榛名山(榛名山、榛名富士、相馬山)を、立体感を感じながら眺めることも面白い。

 

四阿山から左側(北側)のクローズアップ。これも花と展望の山々をリストアップすることになる。

 

 浅間山から四阿山まで。北アルプスがこれらの山々の間に見える。

 

北アルプスをクローズアップすると。

 
カシミール3Dによる山座同定

 

以上は荒山の右(北)方向の展望である。

ところで、この日は荒山の左(南)方向の視界も良好であった。

 

八ヶ岳連峰に加えて、南アルプス(甲斐駒ヶ岳)などを視認することができた。しかし、私は大きなミスをした。 南アルプスを望遠で撮ることを忘れてしまった。ここでの画像は焦点距離30 mmで撮ったものをトリミングしたものである。


カシミールによる山座同定

 

長七郎山の山頂では、強い北風で火山性の土がかなり舞い上がっていた。しかし、半径150 km程度までに広がった展望をたっぷりと楽しむ(?)ことはできた。それにしても、山頂において容赦なく吹きつけてくる細かな粒状の土には閉口した。


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 6月4日 12-14時、長七郎山の尾根と山頂にて。

 


梅雨入り直前での遠望、赤城山にて、2015年6月

2015-06-12 | 赤城山

赤城山は関東平野とその周辺の山々の展望台である。今月上旬に、関東平野の広さを実感しつつ、東方向には筑波山、南方向には富士山と奥秩父連山、そして西方向には浅間山、草津白根山、四阿山、八ヶ岳連峰、南アルプス、北アルプスを遠望する機会があった。ここでの画像は長七郎山(1579 m)で撮ったものである。

長七郎山、赤城山内での位置(カシミール3Dによる鳥瞰図)

 


最奥の双耳峰が筑波山である。赤城山と筑波山は約100 km離れている。この季節、筑波山がはっきりと見えることは多くない。

 

カシミール3Dによる展望図

 

広角で撮った展望から

 

この日は乾燥した北風が強く吹いていたので、畑が多い区域では土埃が舞い上がっていた。

 

この山が見えると、何となくうれしくなる。手前の稜線は奥秩父連山である。

 

 

どの山頂に登っても、広大な展望に出会ったであろう。荒山(1571 m)を入れての展望。荒山は展望と花の山である。

 

 

荒山の右方向の展望は次回に。

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 6月4日 12-14時、長七郎山の尾根と山頂にて。


赤城山散策、おとぎの森(オトギの森)、2015年6月

2015-06-10 | 赤城山

赤城山の南面に、おとぎの森(オトギの森)と呼ばれるとスポットがある。先週土曜日、私達は小沼からオトギの森まで周回してみた。道は小沼の水門(南側)先でで沢沿いコースと山中コースに分岐している。沢は、小沼を水源とする流れ(粕川)が火山性堆積層を浸食して生じた深い谷になっている。

 


木漏れ日の光景を眺めながら、私達は沢沿いの笹が多い道を歩いた。



森に近づくにつれて滝の音が響いてきた。沢の流れが別の崩壊地に落下する地点に、小滝と呼ばれる滝がある。前夜の降雨で、落下する水量はかなり多くなっていた。余談ながら、これほどまでに水量が多い小滝の画像を、私はインターネットでヒットしたことがない。

 

森の名は、木々の枝振りがお伽の風景を思わせるかのように変化していることに由来するらしい。確かに、森にはミズナラの大木が多く、それらの樹形は多様で面白い。

 

 

森とその周辺にはツツジが多い。しかし、森の中ではヤマツツジの花が少しばかり咲いているに過ぎなかった。今年はシロヤシオの花付きが良くない。

 

森の端は急な斜面になっている。銚子の伽藍があるからだ。伽藍は沢の流れが岩を浸食してできた地形である。今は緑の季節、森から見ようとしても、険しい岩壁の大部分は木々の葉で隠されている。

 

しかし、伽藍の先には関東平野とその奥の秩父山地の展望が広がる。緑に覆われた伽藍と青みを帯びた遠景との対比によって、あたかも出口の扉が開かれたときのような開放感を、私達は味わった。


奥秩父連山は雲で覆われていたが、武甲山(秩父市、石灰岩採掘地)を確認することはできた。 ちなみに、森と武甲山は約80 kmほど離れている。

 

森の中での案内板や説明板

 

 
なぜ、この説明板が立てられているのであろうか。

 

帰路(森から小沼)では山中コースを辿った。

 

このコースでは、随所でヤマツツジの花が木漏れ日を受けていた。

 

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6月6日午後12-15時。小沼  → 小滝 → おとぎの森(下る)。おとぎの森 →(作業道跡)→ 小沼(登る)。

 


昨日の赤城山から、2015年6月

2015-06-07 | 赤城山

低い山では山肌が新緑から深緑に変化したが、赤城山では新緑が依然として美しい。昨日(6日、土曜)、私達はツツジが咲いている新緑の山内を散策した。

鳥居峠にて利平茶屋(谷間)方向を望む(11時半頃)

 

鳥居峠にて、覚満淵(湿原)、大沼(おの、おおぬま、カルデラ湖)、五輪尾根を望む(11時半頃)

覚満淵は渇水状態になっている。前夜の降雨も水不足の解消までには至らなかったようである。レンゲツツジの蕾が開き始めている。ところで、レンゲツツジは湿地を好む。レンゲツツジが増えることは湿原の灌木化が進むことでもある。

 

小沼(この、こぬま、火口湖)の湖畔にて南方向を望む(12時頃)

湖畔では、レンゲツツジ、ヤマツツジ、ドウダンツツジの花が開いていた。しかし、シロヤシオでは、昨年と同様にほとんど花が開いていない。一作年は花付きがよかったが。

 

小沼の湖畔にて南方向を望む(16時頃)

私達がオトギノ森方向から戻ってきたとき、この方向の展望は開けていたが、富士山は見えなかった。

 

白樺牧場にて(帰路、17時頃)

 往路(午前中)は数人の駐車場の案内係がいるほど混雑していたので、私達はこの場をパスした。

 

 
山陰に入っている部分があるが、逆光条件でのレンゲツツジの花の彩りはそれなりに濃い。

 

 


赤城山のレンゲツツジの花が美しい時季、2015年6月

2015-06-05 | 赤城山

赤城山ではレンゲツツジの花が美しい時季となった。昨日は北風が強く吹いたが、それを物ともせずかのように、見晴山や白樺牧場を訪れた人々は華麗なレンゲツツジの花を楽しんでいた。


「見晴山にて(県道4号前橋赤城線沿い)(午前10-11時頃)」

道標の奥に写っている山頂は黒檜山(最高峰、1828 m)である。

 

荒山方向(見晴山の展望台付近にて)。余談ながら、荒山や鍋割山の登山口の一つである姫百合駐車場(県道4号前橋赤城山線沿い)は満車状態であった。レンゲツツジ、ヤマツツジに加えてアズマシャクナゲが荒山などで咲いているからであろう。荒山の右裾奥に写っている山は奥秩父(埼玉県)の山である。

 

 鈴ヶ岳方向にて

 

ツツジの花の帯。ここではヤマツツジも見頃となっていた。帯はレンゲツツジとヤマツツジとの混成(ハブリッド)であろうか。

 

陽光を浴びる花々

 

ダケカンバやシラカンバを背景として

 

「隣接している白樺牧場にて」

往路では駐車場が混んでいたので、この画像は午後3時頃に撮ったものである。緑の生地に紅の模様はこの時季限定版である。

 

白樺牧場で眺めた地蔵岳。強い風で樹木の葉が裏返しなっている。青空は梅雨入り直前となっていることをを全く感じさせないものであった。

 

「小沼周辺にて」

レンゲツツジやヤマツツジの花が美しかった(午後12時頃)。




 

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 この日は、強い北風と乾燥を反映して、赤城山がはっきりと見えた。画像は往路で撮った赤城山である。深田久弥はその著書で「暖かく我々を包容してくれる山のよい代表である。」との(ような)表現を赤城山に与えている(日本百名山、新潮社、1991年)。山内での山頂は、右から黒檜山、駒ヶ岳、鳥居峠、小地蔵岳、長七郎山、地蔵岳(旧中央火口丘)、荒山(非対称形の鋭峰)、そして鍋割山である。

 

当然のことながら、それぞれの山頂(私の場合は長七郎山)では、富士山、筑波山、浅間山、北アルプスなどを含めて広大な展望が登山者を待っていた。

 

撮影: 6月4日午前および午後。

 


残雪の山々を眺める、地蔵岳(赤城山)にて、2015年5月上旬

2015-05-08 | 赤城山

絶景とも言えるような景色やそこでしか咲かない花に出会いたい。ごく当たり前の動機で、私達は近場の山道を歩いている。この日、私達は赤城山の地蔵岳で午後のひとときを過ごした。赤城山を選んだのは、携帯電話の通話範囲に留まり、ある知らせを受けることを期待していたからである。5月5日12時半ー15時半頃、快晴。


東方向での青空と雲。赤城山は雲の名所である。昨年は、このスポットで雲海を眺めた。

地蔵岳では春の訪れが遅い。草木の芽吹きが始まったばかりである。


絶景「紺碧の空のもとでの残雪の山々」を求めて、私達は山頂に向かった。


ところで、地蔵岳(1674 m)には、電波中継アンテナやレーダー雨量観測計などが設置されている。



黒檜山(1828 m、赤城山最高峰)によって日光白根山や皇海山の眺めは遮られるが、山頂からの展望は広大である。


山頂での展望は、私達の期待を超えるものであった(広角)。

雲一つない青空のもとで、会津駒ヶ岳(福島県)、燧ヶ岳(福島県)、至仏山(群馬・福島県)、武尊山(群馬県)、巻機山(新潟県)、谷川岳連峰(群馬・新潟県)、苗場山(新潟県)が、私達の視界に入ってきた。


左から、燧ヶ岳(双耳峰)、会津駒ヶ岳(冠雪)、そして四郎岳である。


燧ヶ岳と至仏山。至仏山は左側の雪山である。

カシミール3Dによる山座同定

 

ここでは、武尊山をシテ、至仏山と笠ヶ岳をワキとワキヅレにする。


上越国境付近の山々では、雪が融け始めると、それぞれの山容がはっきりとする。

上越国境とは、上野国(群馬県)と越後国(新潟県)との国境(県境)である。


武能岳、谷川岳山頂から仙ノ倉山、平標山まで。


苗場山(山頂が平坦に見える形の山)などを眺めながらのランチタイムは、私達にとってささやかな贅沢の時であった。

手前の枯木色を帯びた山は鈴ヶ岳(赤城山)である。


中央に苗場山、右に大源太山、平標山、仙ノ倉山を眺める。


地蔵岳は赤城山内の荒山(北側山腹)の展望台でもある。しかし、午後は逆光条件になるので、北側斜面の様子が判然としなくなる。画像処理によって、この山では山頂付近のみならず厳しい岩場でもアカヤシオの花が咲いていることがわかった。

 


春の訪れを示す花から、地蔵岳付近にて。

逆光で見るスミレ(ミヤマスミレ)の群れは美しい。


 

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この日、山頂には多様な人々が登ってきた。かつては、アンテナの山と敬遠されたこともあったようであるが、地蔵岳とその周辺は展望と花の山としての評価が高くなっているのかもしれない。

 


雲海とアカヤシオ、赤城山鳥居峠にて、2014年5月

2015-01-07 | 赤城山

赤城山で、アカヤシオの花が目立ち始めた。 鳥居峠で東側(利平茶屋方面)を眺めると、眼下の尾根を彩る淡紅色の群れが視界に入ってくる。

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自分達の街で望む赤城山(一部)。画像には入れていないが、左側に荒山と鍋割山がある。鳥居峠には、かつて地上ケーブルカー駅があった。この峠は車でもアクセスできる展望台だ。

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一作日(6日)、赤城山の東・西・南方向は雲海で覆われた。斜めからの陽光を浴びる雲海、山影、青空、そして山肌のコントラストが、私達には印象的であった。

鳥居峠にて、東方向、16時40分頃


右奥のクローズアップ、16時40分頃

 

長七郎山や小地蔵岳による影はたびたび変化した。山影が薄くなると、アカヤシオの彩りが浮かび出る。また、陽射しを浴びているダケカンバの赤味を帯びた新芽も目立つ。たらればの思いは、この木のそばにアカヤシオである(16時45分頃)。

アカヤシオが群生している尾根のクローズアップ(16時45分頃)


アカヤシオの城に雲海の波(霧)が押し寄せてきた。尾根の背後では、長七郎山の影が霧のスクリーンに投影され始めた(16時50分頃)。


自分がいつかは撮ってみたいと思っていたシーンから(16時50分頃)

 


ところで、雲海がまだはっきりとしていないときの光景。このときは、数人のカメラマンが撮影していた。鳥居峠にて、13時頃。




13時半から16時頃まで、私達は地蔵岳の山頂で雲海などの眺めをエンジョイし、アカヤシオの尾根が日陰に入る時を待った。画像において、(右から)長七郎山、小沼、小地蔵岳、鳥居峠(小地蔵岳の向こう側)、篭山、覚満淵(湿原)、駒ヶ岳山麓。最奥の山陵は袈裟丸山だ。なお、篭山にはアカヤシオが群生している。

 

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EOS 6D、EF 17-40 mm f4L、EF 70-200 mm f4L、DPP + Aperture 3.5。

こつなぎの写真ノートから転載。




雲海と展望、赤城山地蔵岳にて、2014年5月

2015-01-07 | 赤城山

地蔵岳(1673 m)は、旧中央火口丘として展望の頂きである。気象条件が整うと、山頂での褒美は広大な展望となる。また、山頂は赤城山内の峰や湖を一望する上でも格好の位置にある。この記事での画像は、5月6日に撮った。


青空、巻雲、そしてアンテナ群(山頂にて、15時30分頃)

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巻雲は、寒気と暖気が上空でぶつかりあっていることを暗示する。


この日(6日)、赤城山の東、南、西方向は雲海で囲まれていた。しかし、北方向の展望は、トップクラスにランクしたくなるほど、クリアーであった。このような景色が待っているからこそ、登ったときの高揚感は強くなる(撮影、15時頃)。

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山内では、左から黒檜山(最高峰、1828 m)、小黒檜山、五輪尾根、大沼。最奥の稜線では(左から)武尊山、笠ヶ岳、至仏山、燧ヶ岳、会津駒ヶ岳、四郎岳など。


カシミール3Dによる山座同定図

A

 

武尊山(左)から燧ヶ岳(右)までのクローズアップ

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上越国境方面のクローズアップ

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カシミールによる山座同定。

Photo

 

黒檜山の右奥(駒ヶ岳の上奥)は、袈裟丸山、男体山(日光)など

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地蔵岳信仰の面影(16時頃)

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山頂からは、赤城山の三方向が雲海で囲まれていることが一目瞭然となる。東方向。(左から)駒ヶ岳、篭山、鳥居峠、小地蔵岳、長七郎山、そして小沼。小沼の色は見る角度、天候、季節に応じて変わる。


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左端の頂は駒ヶ岳、奥の稜線は袈裟丸山だ。中央の窪地(水面)は覚満淵、右端は小地蔵岳である。かつて、覚満淵は豊かな植生の湿原であった。

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東南方向では、気温の逆転相と雲海の眺めがはっきりとしていた。逆転相の上に富士山が見えると、絵葉書の構図ができあがるだろう。この日、構図は未完成であった。


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南西方向では、荒山(1571 m)と鍋割山(1332 m)が雲海の岸辺の如くに見えた(15時50分頃)。南側(左)と北側(右)での差は、赤城山で雲海ができる気象条件を探る上で興味深いかもしれない。これらの山と地蔵岳の標高差は、それぞれ100 mと350 mである。画像において、左の切れ目は銚子の伽藍である。


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銚子の伽藍のクローズアップ。伽藍は小沼を源とする川が流れ落ちる峡谷だ。痩せ尾根の先端の展望台からの眺めには迫力がある。しかし、伽藍では転落死事故が過去に起きている。


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時刻は16時。山頂には私達だけとなってしまった。アカヤシオの尾根が日陰に入る時間帯を逃したくない。急いで鳥居峠に戻った。山頂と八丁峠登山口との標高差は約200 mである。私達のようなスロー派でも、30分程度で山頂に着く(ただし、花の季節では1時間)。


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こつなぎの写真ノートから転載。

 

 


秋の彩り、赤城山にて(続)、2014年10月上旬

2014-10-09 | 赤城山

今頃になると、なぜかこの和歌を思い出す。「秋来ぬと目にはさやかに見えねども、風の音にぞおどろかぬる(藤原敏行、古今和歌集)」。ところで、赤城山(あかぎやま)でも、秋の彩りが山肌を覆うようになった。前回に続いて、今月7日に撮った画像をアップロードする。

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地蔵岳にて

黒檜山や駒ヶ岳の山腹のところどころに、紅葉の色づきがある。

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黒檜山では、猫岩(岩壁)付近において紅葉が目立つ。南面での登山道はこの岩のそばを通っている。そして、岩のあたりにはツツジが多い。なお、黒檜山左側の山頂は小黒檜山だ。最奥の稜線は、燧ヶ岳、会津駒ヶ岳、四郎岳などである。

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駒ヶ岳のクローズアップ。ツツジの色づきで、山腹が斑模様をあらわれている。背後の山波は袈裟丸山である。今頃は袈裟丸山も紅葉の時季を迎えているのだろう。山肌が幾分か秋の色を帯びている。

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地蔵岳登山道沿いの色づきも秋の訪れを感じさせる。

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山頂で、長七郎山(右)、小地蔵岳(左)、そして小沼を眺める。小沼では、長七郎山側の岸辺にドウダンツツジが多く自生している。

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地蔵岳は銚子の伽藍の展望台である。伽藍は小沼を源とする流れでつくられた峡谷だ。この日、私達は雲間から陽射しが伽藍を照らし出すシーンを待った。

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伽藍にはツツジはツツジの名所である。陽射しが伽藍が照らすと、ツツジの紅葉が浮上する。

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ところで、赤城山にはダケカンバやシラカンバが多い。前日の強風(台風18号)で、これらの葉(黄葉)はかなり散ったのであろうか。これらの幹や枝の白さが目につく。

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雲の影は、篭山に対してプラスの方向に作用する。この小さな山にはアカヤシオ(アカギツツジとの別名がある)群生している。このツツジの紅葉はどこまで進むだろうか。右下は鳥居峠である。

 

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                篭山でのアカヤシオ(5月中旬)

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鳥居峠にて

 

鳥居峠からのパノラマ(11時頃)。右側尾根での紅葉は主にアカヤシオによるものであろう。

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鳥居峠からのパノラマ(15時半頃)。長七郎山の山影が尾根を覆い始めた。吹き上げてくる風は寒さを感じほどあったが、私達はこのパノラマはしばらく眺めていた(気温、11℃)。
眺めていると、赤城山ではあり得ないものだとわかっていても、カール状地形が目の前にあると錯覚したくなる。撮る者にとって、光のマジックショウーは面白い。

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覚満淵、大沼、五輪尾根などを眺める。覚満淵は小さな湿原であるが、ここでは草紅葉と水面の対比が見所の一つになるだろう。

 

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この日は、リンドウ、マツムシソウ(残花)、ナギナタコウジュなどの花を道沿いや草むらの中で見かけた。笹が刈り払われると、ナギナタコウジュなどが復活する。

 

 

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ナギナタコウジュ(薙刀香薷): シソ科ナギナタコウジュ属の1年草。花期は9-10月。花穂が反り返り、花が片側についている様子が薙刀にたとえられた。この個体の花穂では、色が濃い(フトボナギナタコウジュと区別したかったが)。

 

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10月7日、EOS 6D、EF 17-45 mm F4L、EF 70-200 mm F4L、RAW、Aperture 3.5。

 

 

 


雲の多い日の赤城山にて、2014年9月中旬

2014-09-29 | 赤城山

赤城山は堂々として存在感がある山だ。関東地区のどの場所にいても、そこで赤城山が見えるかどうかと、私達はついつい目を凝らしてしまう。

ところで、赤城山を構成しているそれぞれの峰には、形状(荒山、鈴ヶ岳、鍋割山、陣笠山)、農耕(駒ヶ岳、鋤柄山)、信仰(地蔵岳、薬師岳)、植生や気象(黒檜山)、人物(長七郎山)、用途(見晴山)、場所(出張山)などに関係した山名がつけられている(栗原久、東京福祉大学紀要、第2巻、第2号、 pp.197-205 (2012)から)。

山体は平野からせり上がる形となっている。そのため、山頂付近で雲が発生することが多い。平野部から斜面に沿って吹き登ってきた風は、標高1200-1800 m付近で急冷される。
そのようにして生まれる雲は、山頂からの眺めに大きな変化をもたらす。


地蔵岳での眺めから

黒檜山(最高峰)、駒ヶ岳(右)、そして大沼。

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黒檜山や駒ヶ岳の背後で、厚い雲が湧き上がる。
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遠景の望遠画像。左から、至仏山(左)や燧ヶ岳(右、双耳峰として見える)などである。

 

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水面に雲の影(小沼)、そして左から小地蔵岳、長七郎山。この光景を眺めていると、高度感と天空での微妙なバランス(平衡)を感じる。

 

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小沼、血の池、そして銚子の伽藍(小沼から流れる沢が岩盤を浸食してつくられた)。Mg4981aa


山頂のアンテナ群の背後で、沸き立つ雲。

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関東平野の広がりを感じさせられて。

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地蔵岳の山頂部は広い。無線中継所のフェンスの中は、小さな植物園になっている。

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覚満淵(湿原)、篭山(右、アカヤシオの群生地)、鳥居峠(駐車スペース)。

 

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鳥居峠は展望スポットである。山塊の上で微かに写っているのは筑波山だ(東、約90 km 遠方)。 肉眼では確認できなかったものが画像に記録されていると、少しは嬉しくなる。

 

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撮影、9月19日13-16時(2枚目の画像は9月上旬)。

 



 

 

 

 


赤城山・地蔵岳、展望と残花、2014年9月中旬

2014-09-25 | 赤城山

山頂にて(19日午後)

赤城山・地蔵岳の標高は1560 mに過ぎないが、山頂での開放感に満ちた展望にはときめきを感じさせるものがある。
ところで、カシミール3D ホームページ(HP)によると、赤城山・黒檜山(1830 m)において、国内の3000 m峰14座のうち、12座が見えるようだ。

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この日、私達は絨毯のような雲の広がり、谷川岳から朝日岳、巻機山、武尊山、至仏山、燧ヶ岳、会津駒ヶ岳、そして四郎岳に至る山波、黒檜山、大沼(カルデラ湖)から成るパノラマに出会った。青空と雲の境目を、一瞬のことながら、私達は高い山波だと錯覚しそうになった。

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カシミール3Dによる山座同定


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ここでのランチタイム。私達にとって山頂は格別のパノラマ食堂であった。

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西方向には、浅間山、籠ノ登山、湯の丸山、四阿山などがある。今回は、霞んでいたが、北アルプスの稜線が私達の視界に入ってきた。

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カシミール3Dによる山座同定

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望遠画像(200 mm)から

槍ヶ岳が湯の丸山と角間山の間に写っている。籠ノ登山と湯の丸山の間に見える頂きは、北穂高岳であろう。ちなみに、槍ヶ岳と地蔵岳との直線距離は約140 kmである。また、湯の丸山、角間山、籠ノ登山の標高(m)は、それぞれ2100、1980、2230である。

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南西方向での開放的展望。荒山(1571 m、中央)と鍋割山(1332 m、右側)の背景は前橋市、高崎市などの市街地である。市街地の奥には、気象条件が良いと八ヶ岳から富士山などに至る山波がはっきりと見える。

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見えるとわかっていても、長七郎山(1578 m)越しに、自分達が住んでいる市街地や自宅近くの里山が眺められると、何となく気分が晴れ晴れとする。なお、この時期、小沼の水面は大沼のそれとは異なって緑色を帯びている。

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カシミール3Dによる展望図

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P.S.  大小山(栃木県足利市)は展望の山として人気がある。白葉峠は、自分にとって浅間山展望のスポットだ。


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山頂での残花

山頂での気温は約10℃であり、吹き抜ける秋風は肌寒く感じられた。それでも、山頂に設けられている無線中継所のフェンスの中に、マツムシソウ、ハクサンフウロ、シモツケなどの花が残っていた。

 

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フェンスのネットをフィルターにしてのハクサンフウロ。このものの花の生涯(蕾から種子まで)を画像一枚に収めてみる。

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シモツケにとってもフェンス内は安全な場所となっている。赤城山にはシモツケやシモツケソウが多く生えているが、今の時季まで花が残っている株は極めて少ない。

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赤城山で普通に見られるアザミ類ながらも、造形の面白さに惹かれて。

 

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その他に、ヤマラッキョウやウメバチソウなどの花が草むらに残っていたが、ハクサンフウロやイタドリなどでは紅葉が始まっていた。今年は、これらの紅葉が鮮やかだ。

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おわりの画像は、登山道(八丁峠口)で見かけた救助標識である。

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撮影、9月19日13-16時。

 

 

 


赤城山の花から、クサタチバナなど、2014年6月

2014-07-15 | 赤城山

亜高山帯での花を見たいとき、私達は赤城山に向かう。自宅から約1時間のドライブで各山頂の登り口に行けるからだ。ところで、赤城山との山頂はない。この山は火口丘や外輪山の集まりである(旧複成火山)。赤城山で咲く花として、田中澄江さんの「花の百名山」には、アツモリソウ(地蔵岳)とクサタチバナ(黒檜山)がリストアップされている。また、「新花の百名山」では、クサタチバナ(黒檜山)が紹介されている。

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ツツジの季節が終わると、クサタチバナ(草橘)などが咲き始める。自生地は、黒檜山のみならず、地蔵岳、五輪尾根などにある。

県道4号(赤城道路)の白樺純林駐車場近くの自生地。クサタチバナは渋い草花だ。そのため。この自生地は往来する車の人々からは注目されない。もっとも、路肩が狭いために、ここでは停車できないが。

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クサタチバナはキョウチクトウ科カモメヅル属の多年草だ。高さは30-60 cmである。

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茎の先で、直径2cm 程度の白花が開く。花期は6-7月。関東地方以西の本州、四国に分布する。クサタチバナは石灰岩地帯を好むといわれているが、赤城山は火山噴出物から成っている。

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この自生地は、林内の句碑の道にも近い。

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句碑の道にて。この道では、木漏れ日を受けながら森林浴が楽しめる。

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句碑の道にて。

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クサタチバナ以外の花から

木漏れ日を受けるクワガタソウ。クワガタソウ(鍬形草): オオバコ科クワガタソウ属の木陰を好む多年草(2年草)。雄しべ(2本)と雌しべが長い。

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オノエラン(尾上蘭): ラン科ハクサンチドリ属の多年草(日本固有種)。個体数はもともと少ないが、採取や環境の変化によって減っている。数県において、このものは絶滅危惧I類(将来、絶滅する可能性が高い) に指定されている。
花では、舌弁の基部にW形の特徴的な模様がある。 茎の高さは10-15 cm。数個の花が茎頭に開く。

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ポリネーターが吸蜜している。

 

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私達はが見たオノエランは満身創痍の状態であった。春から初夏にかけて、赤城山の気象が厳しかった(降雹や強い降雨)。このことを思いながら、よくぞ花が開くまで生き残ったものだと、私達は感動した。

このランが生えていることは、赤城山の植生が回復し始めたことを暗示する。何時か、アツモリソウを見たい。これは期待し過ぎだろうか。

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6月20-30日、EOS 6D、EF 100 mm (Macro) f2.8L、RAW、Aperture 3.5。

 


梅雨の合間の晴れに赤城山散策、2014年6月下旬

2014-06-24 | 赤城山

昨日(6月23日)の画像から

陽射しが雲で部分的に遮られる時を待って(鳥居峠、12時半頃)。覚満淵と大沼((中央)、五輪尾根(奥)、黒檜山(駒ヶ岳)(右)、地蔵岳(左)。

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初夏の緑、水面(覚満淵)、そして点在するレンゲツツジ。

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初夏の彩りにおいて、レンゲツツジの花はアクセントになっている。しかし、覚満淵はかつて植生の豊かな湿原であった。灌木化は、この程度で止まるだろうか。

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地蔵岳の山頂付近。

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小沼周辺のドウダンツツジ。どうしたのであろうか、花の色が濁っている。

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小沼にて。水面、黒檜山、そして入道雲。ところで、黒檜山方向から吹き寄せる風で、シャッツの袖をまくり上げると肌寒さを感じるほど、木陰のスポットは涼しかった。

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束の間の晴れにて、長七郎山でもガス(霞)が漂い始めた(14時半頃)。荒山(左)、地蔵岳(右)、子持山(奥)など。

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白樺牧場にて(16時頃)。奥の峰は黒檜山である。

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逆光で見るレンゲツツジ。

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この日、クサタチバナ(草橘)の花も魅力的であった。花の百名山(田中澄江)には、赤城山で咲く花としてクサタチバナ(黒檜山)とアツモリソウ(地蔵岳)がリストアップされている。

 

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余談。4月からは晴耕雨読(いや、晴登雨読)に徹するつもりであったが、何かと後始末に追われている。ある本の序文の出だし「人はだいたいいくつになったら、本当に自分が年をとったと認めるようになるのであろうか」(徳永和豊著、知的巨人たちの晩年(生き方を学ぶ)、講談社、1991年)は至言である。

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EOS 6D、EF 100 mm(Macro) f2.8L、EF 17-40 mm f4L、EF 70-200 mm f4L