昨日も、鳴神山は多くの登山者で賑わった。この山のシンボルとされているカッコソウは、前夜の強い雨のために花弁が散り始めた。例年ならば、今頃は花が見頃になる。山の花に対する異常気象の影響は大きい。
午後の木漏れ日(椚田峠の移植地にて)
撮ってみては画像をチックし、花弁の状態が良いものを探した。
大滝口登山道沿いの移植地にて。
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昨日のコースは、大滝口 → 大滝(落差10 m)→ 移植地 → 肩の広場(尾根)→ 桐生岳(山頂 )→ 仁田山岳(山頂)→ 椚田峠 → 移植地→ コツナギ橋口であった。
「カッコソウ以外の花」
フタリシズカ(センリョウ科チャラン属の多年草)。花名は謡曲「二人静」(静御前の霊が菜摘女に乗り移って舞う)に由来するとも言われている。茎の上部の葉(対)が少し離れて対生する。ヒトリシズカでは、茎頂に4枚の葉が輪生状に対生する。
ユキザサ(雪笹、キジカククシ科ユキザサ属の多年草)。山渓ハンディ図鑑2「山に咲く花(増補改訂新版)」(山と渓谷社、2013年)には、鳴神山で撮られた写真が収録されている。
図鑑には、この山でのカッコソウ、ヒイラギソウ、ヒトツバエゾスミレの写真も登場する。
ちなみに、大滝口登山道沿い(上部)には、このようなヒトツバエゾスミレが生えていた。葉柄のすべてが緑色であるならば、このものはナルカミスミレかもしれないと言えそうである。
フイリフモトスミレの群れ(斑入り麓スミレ)。このものは椚田峠付近や座間峠への尾根にも多い。このスミレは小型で地味であるが、よく見るとその有り様は魅力的である。
他の種類の葉と対比すると、斑が入っている葉の彩りが際立つ。
鳴神山の岩場に生えているヒメイワカガミは白花品である。図鑑「山に咲く花」には、アカバナヒメイワカガミ(赤花姫岩鏡、関東地方南部と中部地方に分布)についての説明がある。しかし、白花姫岩鏡は収録されていない。
今春はツツジの花が少ない。ヤマツツジの花によるトンネルは来年に期待しよう。
コツナギ橋口に至るルートでは、ヒイラギソウの花が咲いていた。
逆光で撮ろうとしたが。
ヒイラギソウの花でガ(蛾)が吸蜜している。このような場面に、私は初めて出会った。
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山頂での展望から
霞んでいたが、日光連山などを望むことができた。最奥の山波では、(左から)太郎山、男体山、女体山、赤薙山。その前の山波では、(左から)社山、半月山など。手前の新緑の山頂(右)は1100 mクラスである。日光連山の春は始まったばかりであるように見える。
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5月17日9:30-16時、EOS 6D、EF 70-200 mm F4L、EF 50 mm II F1.8、RAW、Lightroom 5。