月曜日に、キレンゲショウマ(黄蓮華升麻)の蕾が開いた。僅か一輪の花を前にしての呟きは、「鳴かぬなら鳴くまで待とう時鳥」と「鳴かぬなら鳴かせてみせよう時鳥」との思いで、3年間ほど待ってみたぞ!である。時季になると、近所の山から響いてくる時鳥(ホトトギス)の大きな鳴き声とその行動パターン(自らは巣を作らず、ウグイスなどの巣に産卵する)に対して、自分は抵抗感をもっているが。
さて、朝の光を浴びている花には独特の美しさが感じられる。花弁には蠟細工なような質感がある。その質感は、表面の凹凸による朝光の乱反射ではっきりとする。厚い花弁には滑らかなカーブと反りがある。そして、5枚(個)の花弁は各々が捻れてらせん状に重なっている。余談ながら、花弁の捻れ方は扇風機の羽根のそれと同じである。
蕾が開き始めると、小さなアリが花弁と蕊の上を歩き回りだした。しかし、見ている限りにおいて、アリの種類は極めて限られていた。
これから、他の蕾が花まで成長するかどうかは天候次第であろう。今日は曇りとなっているが、先週から群馬地区では熱中症の危険情報がたびたび出されている。暑さに負けることなく、数輪でもいいから花が咲いてほしいと思う。しかし、そのようにならないとしても、寒さで葉が完全に枯れまでは茎を切り取ることはしないようにしよう、来年の向けて根張りを充実させるために。また、わき芽を使っての挿し木を試みたい。
花の撮影:7月20日朝。
キレンゲショウマの花の寿命は短いと言われている。2日程度とも聞く。画像のものでは色が褪せたが、花弁は落ちていない(24日)。ところで、剣山(徳島県)などにおいて、キレンゲショウマの群生を初めて見るときの感動を覚えてみたい。
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キレンゲショウマはユキノシタ科キレンゲショウマ属の多年草である(1属1種)。根元にではユキノシタがコロニーをつくっている。今年は、コロニーの中で、キレンゲショウマが順調に育った。撮影、4月下旬。