小さな花を接写してみると、その花が肉眼ではあまり意識できなかったような個性を持っていることに気付くことがある。今回は、その例としてイワタバコの花をアップする。イワタバコ(岩煙草)は、日当たりが良くない湿った岩や崖に生えているイワタバコ科イワタバコ属の多年草である。自分達が住んでいる所において、このものは鳴神山などに自生している。
岩煙草との花名は葉がタバコのそれに似ていることに由来する。ここでは、このものが崖一面を覆うコケなどと共生している。
花の大きさは1.5−2 cmである。
クローズアップ(1)。花(花冠)は形、色彩、質感において個性に満ちている。
クローズアップ(2)。蕾とともに。
クローズアップ(3)。花冠は5裂している。筒になっている部分に橙色の斑紋がある。雄しべは花柱をとり囲んでいる。花柱は糸状であり先端が球状にふくらんでいる。
自然の造形と配色には、必然性に根ざした美しさがある。
花の強い個性と美しさに魅せられて、私たちは今回での自生地を時間帯を変えて数日間ほど訪れた。余談ながら、小生はタバコ(煙草)には全く縁がない。
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撮影、8月16-21日、群馬県桐生市、 EOS 6D、EF-100 mm F2.8L。