今週後半から朝夕は冷たい空気で包まれるが、日中は先月までの厳しい寒さを忘れさせるような暖かい天気が続いている。そして、「十年の一度」との表現がマスコミにたびたび登場しているほど、多くのスギ花粉が飛散しはじめた。当方はスギ花粉を苦手としているが、思わずレンズを向けたくなるような花粉光環がこの時季ならではの大気光学現象として見られるようになった。
さて、この日、当地では午後から春一番を思わせるような強い風(4−6 m/sec、北北西)が吹いた。その結果、太陽の周りに虹色の光環が現れた。ちなみに、スギ花粉の飛散量は午後2時頃と夕刻に多くなるといわれている。
近くの施設で、サンシュユ(山茱萸)の蕾が膨らみはじめたので、これと花粉光環を組み合わせてみた。
太陽を直接およびファインダーで見ることは危険であるため、この画像はトライアンドエラー(和製英語、Google
翻訳によると trial and error)による結果である。
蕾のクローズアップ
サンシュユはミズキ科の落葉小高木であり(高さ五メートル程度)、江戸時代に原産地(中国・朝鮮半島を原産地)から薬用植物として渡来した。花が満開になると木全体が黄金色に見えるのでハルコガネバナ(春黄金花)との別名がある(花の大歳事記、角川書店)。
電柱に備えられているトランスに太陽を隠して
花粉光環は他の光環と異なり多重の虹模様になっている(楕円形)。このものは太陽光がスギ花粉(直径 30-40 マイクロメートル(μm))によって回折されるために現れる(1マイクロメートル =0.001ミリメートル(mm))。余談ながら、PM2.5は2.5 マイクロメートル以下の微細粒子状物質である。
太陽が近くの山林に沈む直前、雲に光環が映るときを待って
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この日の空模様は変化に富んでいた。
午前7時頃
午後5時半頃
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撮影、2日、桐生市にて。
(公開後、書き加えました。3月4日午前)