札幌や小樽の酒場とは違う雰囲気を漂わす。 それが何かは分からない。だが、あえてそれを言葉にするとすれば、それは信仰のようなものかもしれない。和人による蝦夷の開拓よりも、古より続く北東北の連綿とした祈りのようなものが酒場の中に宿っている。それは祈りかもしれないし、或いは耐え忍ぶ人々の姿かもしれない。したがって、「ひっつみ」というメニューをそこに見つけてしまうと、わたしは哀しみにも似た感情がわきあがってくる。それを「あか抜けない」というたった一言で片づけてしまうことは容易だ。だが、連綿とした北東北の祈りにも似た土着の精神が、ここにある全てのものに宿っていることを想像すれば、洗練さの代わりに安らぎを見出すのではないだろうか。 . . . 本文を読む
さて、ケンタロウさんのレシピに「しょうが焼き丼」というメニューがあった。
なるほど、それは手軽そうだ。何よりもわたしが不得手としていた豚肉と生姜、そして薄力粉の問題を解決してくれた。
それはすなわち… . . . 本文を読む
泣いても笑っても新千歳空港が最後のチャンスである。 もし、山海の珍味とビールに不満足だったら、迷わず「きたみなと」の暖簾をくぐられることをお勧めする。 ここが北海道の出口にある北海道最後の居酒屋だ。 うにとイクラ、そしてホタテそれぞれの丼。いやいや「よくばり丼」というなんでもありの海鮮丼まである。 「サーモンのハラス焼き」(720円)に「じゃがバター」(410円)。 とにかく、お金を出せばなんでもありそうだ。これなら思う存分北海道の食べ納めを心置きなくできるのである。 . . . 本文を読む
角打ちの雰囲気はそのままである。 例えば、ごくごく簡単な、二次利用したようなテーブルなど、チープ感があふれる店内はまさに角打ち。 しかし、このメニューはどうだろう。 「もつ煮込み」(300円) 「いか刺松前」(300円) 「にしん切り込み」(300円) 「いぶりがっこクリームチーズ」(500円) 「うにどうふ」(400円) これはすごい。東京の居酒屋でもこんな豪華な肴は出てこない。 これが小樽の角打ちの実力なのか。素晴らしい。 . . . 本文を読む
5月17日(日) なす・さつまあげ
おはようございます。
スイーツをたくさんいただき、毎日少しずつ楽しんでいます。
成田の「びわゼリー」「落花生まんじゅう」、山口の「ういろう」、札幌農学校のクッキー、そして茅野の「くるみもなか」。
おいしいです。
今朝は休みですが、朝食をご飯にしました。
もちろん、味噌汁も作りました。
なすは、事情があって、焼かずに煮ました。焼かないほうがしゃき . . . 本文を読む
動き出す列車の車窓から、ボブネッシュの姿が一瞬で見えなくなった。図体の大きな鈍重な列車は少しずつ加速をしたかと思うと、ニューデリーのプラットホームを一瞬で駆け抜けた。
インドに着いて4日目、わたしはニューデリーを離れたのだった。
3等の寝台列車には多くの人が座っていた。3人がけの座席に4人5人と。
わたしはその中を割って入り、肩をすぼめて座った。向かいに座っているおじさんやお . . . 本文を読む