雲の上には宇宙(そら)

 雪国越後にて、30年ぶりに天体写真に再チャレンジ!

洗うこと以外で大変だったR200SS主鏡洗浄

2015年06月18日 | 機材
こんな天気が続いたんじゃ新月期も関係ないですね。
ボケーっとしていてもしょうがないので、今日は1年前に一度取りやめた
R200SSの主鏡洗浄を決行しました。
昨年の記事はこちら ⇒

この一年で特に汚れがひどくなったという訳ではなく、
やる事がないので、買ってから8年目にして鏡でも洗おうかという気になりました。

乾燥時間を除けば30分もあれば終わるだろうと思っていたのですが・・
結果は1日仕事に。以下はその記録です。

洗い終わったあとできるだけ元通りに復元するためのマーキング(昨年実施済み)

筒から外した主鏡と主鏡枠(セル)。鏡を抑えるゴム片で光の干渉が発生しないよう薄いリングが付けてあります。
去年は外した鏡が案外きれいだったので、ここで洗うのをやめました。

ネジをゆるめると、干渉防止のリングと鏡を抑えるゴム片が一緒に外れました。
(このネジは鏡を圧迫しないよう、ゆるく締めてありました。)

事前に見たネットの情報では側面のイモネジを緩めると鏡が外れるはずだったのですが・・
鏡がガタつくようにはなったものの、いくらゆるめても外れそうににありません。

そのうち六角スパナの穴がくずれるおそれも出て、いっそ外さずにこのまま洗おうかとも考えました。

ネジの締め付け部分をみるとコルクのようなものと鏡の側面がくっついているように見えます。
これはコルクが湿気などで変質し、鏡材と癒着しているのではと考え
カッターナイフで時間をかけて切り離し作業を実施しました。

予想が当たって、やっと鏡を取り外す事ができました。
予想と違っていたのは、コルクの変質では無くわざと両面テープで鏡に貼り付けてあったのです。
鏡を固定する構造がはっきりわからなかった事もあり、鏡を外すのに時間がかかりました。

とりあえず鏡が外れたので洗浄作業に入りました。(実は鏡の取り付けがもっと大変な事をこの時は知らず)
これからの洗浄作業の方法・手順はネットで調べたものをまねただけです。
まずは水道水を勢いよく出して、大きなゴミを洗い流します。

つぎに台所で使っている洗剤を鏡面にたらします。
ガーゼを使って、最初は力を加えずに鏡面をなぜ回します。
水道水で流したあと再び洗剤をたらし、こんどは少し力を加えて。
ガーゼでの洗浄を繰り返したら、最後に洗剤をたらして指先で洗います。

洗い終わったら水道水で流したあと、「精製水」を振りかけます。(1本500㎜リットルで100円前後)
精製水をかけた後も水滴は残りますが・・
乾くと、まったく水滴のあとは残りませんでしたが、かわりに刷毛ではいたような細かいスリキズがうっすらと・・
これは今回できたものでは無く、昨年鏡を外した際に洗わずに刷毛で大きなゴミを払ったのが原因のようです。

鏡の洗浄自体はものの30分もかからずに完了できました。

今回、鏡を外したついでにやりたかったこと。
干渉防止のリングなのですが、主鏡抑えのゴムの部分が少しはみ出していたので、このあとヤスリで削りました。
(その際にゴム片がリングよりとれ、接着してあったわけでは無い事がわかりました。)

光軸調整の際にあると便利な主鏡のセンターマークを貼るため、鏡のサイズの紙を置いて中心にマーク。

しばらくして鏡が乾いたので、鏡を枠に戻そうとしたのですが・・
鏡を固定するコルク付き金具の位置(特に高さ)が決まらない。
金具を外して、買って来た両面テープで鏡側面に貼りつけたのですが
高さを合わせるのがむずかしく、貼ると出っ張って鏡が枠に収まらない。
結局、金具の背面に両面テープを貼って、へこみ部分にあらかじめ貼り付けてやっと鏡を収める事ができた。
メーカーは一体どうやって組み立てているのだろう?

やっと組み上げる事ができた主鏡部分。センターマークは買って来たパンチラベルを貼りつけたもの。

すったもんだしているうちに、鏡側面に書いておいた位置マークもあやふやになり、
光軸が大きく変化したおそれがありました。
その日の内におこなった簡単な光軸のチェックの結果は編集後記のあとに。

================================================
結局、鏡を取り外すのと、取り付けるのに
大変な苦労をしました。
おかげでせっかくきれいにした鏡の扱いに気が回らず、
指紋を付けたりして・・
六次非球面を蒸着方法で作っている事からできる模様だという。(鏡の裏面)

500本を超えるこれまでの全記事リストは、 こちら から。
雲上くもがみ
ブログランキング参加しています。
にほんブログ村 写真ブログ 天体写真へ ←いつもポチッとありがとうございます。
にほんブログ村

==========================================

洗浄後の鏡を取り付けて行った簡単な光軸の検証結果です。
検証および撮影方法については昨年の記事を参照願います。

ドロチューブ中心と斜鏡中心位置
昨年とほぼ同じ。(今回はさわってない部分)

ドロチューブ中心と主鏡中心位置

センタリングアイピース中心と主鏡中心位置
( センタリングアイピースののぞき穴の上にカメラをのせて撮影のため、かなりアバウト )

昨年とはやはり変わっていますが、致命的な光軸ずれは発生していないようです。
別途、フラット画像も撮って減光特性も見る事とします。

コメント (12)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« こんな空でも写った「創造の... | トップ | ホップ、ステップ、ジャンプ... »

12 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (びっけパパ)
2015-06-19 08:08:57
鏡洗浄お疲れさまでした。
こういうのを見ていると自分は反射鏡筒使えないな。。
ってつくずく思います。。
光軸調整だとかも。
あのシャキーンって光条のには憧れるんですけど。
コスパ優れたBKP130の値上がり情報があり血迷いそうになってましたが踏みとどまらせていただきました(笑)
返信する
安価で大口径が魅力 (雲上(くもがみ))
2015-06-19 11:23:47
びっけパパさん こんにちは。
わたしがこのR200SSを買った頃は、タカハシ90Sという
若いころに買った赤道儀でノータッチガイドで撮影していました。(無謀)
大きい割には軽かったのですが、筒の横から撮るため
写野の向きがどうなるのか慣れるまで大変でした。
BKP130狙っておられたんですか?
反射は色収差なしも魅力ですが、やっぱり安価で大口径じゃないでしょうか。(載せる土台の問題もありますが・・)
返信する
なかなか手がつけられず! (山口のじぃ)
2015-06-19 11:50:48
あっは~ッ!お疲れで、ガス。
光軸調整が趣味の山口のじぃで、ガス。はハッハ!
でも洗浄は、やろうぉやろぉと思いながら早や幾星霜。ハッハハハ!
ま、R200Sぐらいエェやつなら気合いも入るのですが。テヘッ!
精製水だけは買っています。半年ほど前に。ハッはっは!!
雲上さんのおかげで、少し気合いが注入されたかな?ハッハハ!
返信する
すぐやれ、それやれ。 (雲上(くもがみ))
2015-06-19 12:11:38
山口のじぃさま 光軸調整が趣味なら 鏡洗いなんて
へのかっぱ、朝飯前、カエルの面にしょんべん、泣きっ面にハチ(これは違うか?)
ほんとやってみたらすごく簡単。
それに洗う前より汚くなる確率もぐーんと低いですぞ。
精製水があるなら、すぐやれ、それやれ。
返信する
Unknown (テナー)
2015-06-19 13:18:47
こんにちは
鏡洗浄お疲れ様でした、と言うより組み立て再現お疲れ様でした
でしょうか!
勇気ある行動と敬服する次第です。
R200SSは斜鏡のオフセットとか鏡面センターマークも無しなどで
組み立て直し光軸調整が難しいと聞きますが如何なもんでしょう?
記事を拝見する限り「お茶の子さいさい」洗浄のようですが
もっと隠されたご苦労があったのでは!
返信する
光軸調整の安くて便利なもの (いっさ)
2015-06-19 13:30:33
雲上さんこんにちは、洗浄お疲れ様でした。
鏡を抑えるゴム片は、VC200Lも同じで締付けが強いと「星がいびつ」になる苦い経験を思い出しました。
私事、不要になり置き場に困るとのことでドブソニアンニュートン反射を知人よりいただきました。
ニュートン反射は初めてですので光軸調整に次のレーザーコリメーター製品を購入しました。
http://www.amazon.co.jp/B%E3%83%BBS%E3%83%BBT%E3%83%BBR-%E5%85%89%E8%BB%B8%E8%AA%BF%E6%95%B4%E3%80%8031-7mm%E5%BE%84%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%B6%E3%83%BC%E3%82%B3%E3%83%AA%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%BC-7%E6%AE%B5%E9%9A%8E-%E8%AA%BF%E5%85%89-%E3%83%80%E3%82%A4%E3%83%A4%E3%83%AB%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%97/dp/B00FAQ38W6/ref=sr_1_2?ie=UTF8&qid=1434686407&sr=8-2&keywords=%E5%85%89%E8%BB%B8%E8%AA%BF%E6%95%B4+%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%B6%E3%83%BC

安価ですが、ものは試しと調整したところ、初心者でも簡単にできました。
また、ニュートン専用ですがVC200Lカセグレンで試したところ「ほぼ的のセンター」に光源が戻ってきました。(さすがにカセグレンは調整できませんが)
シビアな調整に使えるかはわかりませんが所有しても損がないものと思いました。
返信する
すっごーく苦労しました。 (雲上(くもがみ))
2015-06-19 15:02:44
テナーさん 組み立て再現すっごーく苦労しました。(笑)
そもそも大事なところに両面テープなんて使うのがおかしい。(プンプン)
正直、洗浄は作業する場所さえあれば簡単ですよ。(私の場合は風呂場)
R200SSは斜鏡支持部分と鏡筒前枠が一体成型なので、
狂いにくい反面、調整がしにくいのかも。(シールで封印されてるし・・笑)
まだ光軸調整には手をつけていませんけど。
返信する
紹介品ポチッしました。 (雲上(くもがみ))
2015-06-19 15:22:04
いっさ さん 持っているセンタリングアイピースは見た目から、
もっと飛躍的な光軸確認ができると勘違いして買ったものです。
紹介していただいたレーザーコリメーター余りの安さに今ほどポチッしました。
自作される方もいるので、これで十分役に立つと思います。
情報ありがとうございました。

主鏡抑えのゴム片の締め付けゆるめにしておきました。(鏡の横からも抑えているし)
返信する
やつあたり (さすけ)
2015-06-19 16:22:43
昔、ビクセン製(どうもOEMだったらしい)106mmの反射式望遠鏡を買って10年後に観望したら全然見えず、「これは光軸があってない」と言う事なんだな、と糸のない糸電話(アイピース)を買って挑戦したものの結果惨敗。そもそも原理がわかってないヤツができるわけがない。
そこで、やつあたりではありません、質問です(^。^)。
1.精製水なんかいらなかったんじゃありませんか?日本の水道水はとてもきれいだと思いますが。
2.コルク片、すごいアバウトと思いませんか?もう少し気の利いた対処方法があるのでは。
3.副鏡の中心に印つけなくてもいけるんですか?
4.なんでまたレーザー糸電話をポチッたのですか
雲上さんには必要ないでしょ?
5.最後の光軸調整結果、結構(かなり)アバウトですがこんなもんでOKなんでしょうか?
6.雲上さんってどうして科学が強いんですか?。原理がわかっているから。うらやましいよりネタミが・・
7.「星ナビ」、突然1010円に値上げして、数ヶ月に820円に値下げ。読者を馬鹿にしていると思いませんか(いよいよやつあたり)?

追伸:新潟県、梅雨入りだそうですね。と言う事は平年より1週間遅れ。
返信する
これで梅雨明け宣言ができる (雲上(くもがみ))
2015-06-19 18:13:17
さすけさんからの質問への回答です。
1.水道水にはわずか不純物が混ざっていて、残ったしずくが乾くとシミが残るそうです。
(試してみないのでほんとかどうか? でも精製水安いので使いました。)
2.コルク辺は仕方ないにしても、両面テープは場当たり的だと思います。
3.写真からでも福鏡の中心はわかりやすいです。
(主鏡は福鏡で隠れるのでマークしても大丈夫ですが、福鏡は影響が出るのでは?)
4.安かった事と、ドロチューブから主鏡までの光軸の状態が一発でわかります。
ただし斜鏡のオフセットなど光量の均一化の問題はチエックできません。(たぶん)
5.最後の光軸調整の写真はアバウトにならざるを得ないので、今回レーザーを追加購入しました。
6. ・・・ ほめごろし?
7.どっちが特別価格だったのでしょう?

梅雨入りしたということは、晴れて(?)梅雨明け宣言できますな。
返信する

コメントを投稿

機材」カテゴリの最新記事