雲の上には宇宙(そら)

 雪国越後にて、30年ぶりに天体写真に再チャレンジ!

それでも星は流れる(オートガイド対策結果の検証2/2)

2013年02月18日 | それでも星は流れる
前回    では、
300mm、400mm望遠レンズの対策実施後の”星の流れ”について検証しました。

今回は、現在わたしの天体撮影の主力機材である VixenR200SS反射鏡筒について検証をおこないます。


R200SS反射鏡筒(f=800mm)
(対策実施  )
 2010/08/17 撮影 「ペリカン星雲 (はくちょう座)」 (Dec +44°)
  R200SS(f=800mm) EM-200USD赤道儀 kissDX ガイドスコープ:EFZoom(f=200mm) +エクステンダ(x2.0) スマートガイダー
  
  △Ra60.6pixel/H  (1時間当たり 60.6画素進み) 
  △Dec+17.3pixel/H  (星像 S ⇒ N) ・・・・極軸設定ミス?

(対策実施  )
 2012/11/16 撮影 「NGC281(カシオペア座)」 (Dec +57°)
  R200SS(f=800mm) EM-200USD赤道儀 kissDX GS-60Sガイドスコープ PHD ガイディング
  
  △Ra- 7.2pixel/H  (1時間当たり 7.2画素進み) 
  △Dec0.6pixel/H  (星像 N ⇒ S)

 他のR200SS単体(f=800mm)での撮影データは (画像およびグラフは省略)
  ●2012/06/26 撮影 「M3 球状星団(りょうけん座)」 (Dec +28°) kissDX
    △Ra 7.7pixel/H  (1時間当たり 7.7画素進み) 
    △Dec= 0.0pixel/H  (星像   ⇒  )
  ●2012/06/27 撮影 「M8 干潟星雲(いて座)」 (Dec -24°) kissDX
    △Ra 9.3pixel/H  (1時間当たり 9.3画素進み) 
    △Dec= 2.0pixel/H  (星像 N ⇒ S )
  ●2012/10/13 撮影 「プレアデス星団(おうし座)」 (Dec +24°) kissDX
    △Ra 11.7pixel/H  (1時間当たり11.7画素進み) 
    △Dec= 0.7pixel/H  (星像 S ⇒ N )


 2012/04/28 撮影 「マルカリアンチェーン(おとめ座)」 (Dec +13°)
  R200SS+1.4X(f=1120mm) EM-200USD赤道儀 kissDX GS-60Sガイドスコープ PHD ガイディング
  
  △Ra20.8pixel/H  (1時間当たり 20.8画素進み) 
  △Dec= 2.0pixel/H  (星像 N ⇒ S)

 他のR200SS+Canon1.4X(f=1,120mm)での撮影データは (画像およびグラフは省略)
  ●2012/08/20 撮影 「M27 あれい状星雲(こぎつね座)」 (Dec +23°) Cooled60D
    △Ra  14.4pixel/H  (1時間当たり 14.4画素進み) 
    △Dec= 4.0pixel/H  (星像 N ⇒ S )
  ●2012/08/21 撮影 「NGC7331 & ステファンの五つ子(いて座)」 (Dec +34°) Cooled60D
    △Ra 13.7pixel/H  (1時間当たり 13.7画素進み) 
    △Dec= 3.7pixel/H  (星像 N ⇒ S )
 
 2013/01/31 撮影 「M1 かに星雲(おうし座)」 (Dec +22°)
  R200SS+EXT(f=1500mm) EM-200USD赤道儀 kissDX GS-60Sガイドスコープ PHD ガイディング
  
  △Ra24.5pixel/H  (1時間当たり 24.5画素進み) 
  △Dec 2.5pixel/H  (星像 N ⇒ S)

 他のR200SS+EXT(f=1,500mm)での撮影データは (画像およびグラフは省略)
  ●2012/06/28 撮影 「M13 球状星団(ヘルクレス座)」 (Dec +36°) kissDX
    △Ra  24.3pixel/H  (1時間当たり 24.3画素進み) 
    △Dec= 11.5pixel/H  (星像 N ⇒ S )

 [ 検証結果 ]
  すばらしい改善結果の数値
 (1). 鏡筒バンドアリガタの圧着部が点から面に改善されたことにより、”星の流れ”を抑制できたのでは?
   R200SS本体のみなら、10分露光でも2ピクセル以内という数値はすばらしい。
 (2). 星雲・銀河の撮影で実質最長焦点距離といえる1500mmでも、4ピクセル程度に抑えられれば実用可能。
 (3). 赤緯(Dec)の流れは、EM-200の極軸望遠鏡の精度でほとんど無視できるレベルである。

まだ星は流れてるけど、止めなくていいの ・・・?
完全には止められないし、止める気もありません。
 むしろ、許容範囲内流れてくれればいいと考えています。(負け惜しみではありません。)
 ガイドシステムが完璧な人の中には、故意に1枚ずつズラして撮影している人もいます。
 (理由は?)
  デジカメの受光素子は感度のバラツキがあり、通常コンポジットにより平均化しているが、各フレーム画像がいつも同じ位置だと、コンポジット後もその影響が出てしまうため。(この説明であっているのかな?)

 では、許容範囲内とは、どのくらい? 
 許容範囲内とは、簡単に言えば星が流れているように見えない程度の流れまで。
 わたしの場合はもう少し”ゆるく”、簡単な画像処理で星が流れているように見えない程度の流れまで。

 本来、星の見かけの大きさは限りなく点に近いのですが、シンチレーションや収差などから円の形で像を結びます。
 ”流れている”ように見えるのは、星像が丸い円では無く、長円(楕円)から更に線状に引き伸ばされるからです。
 一般的に撮影する光学系の焦点距離が長くなると、星像も大きくなります。
 下の画像は、わたしの持っている機材で撮影した星像のクローアップです。(すべてCooled60Dで撮影)
 
 左から NFD300mm,NFD400mm,R200SS(f=800mm),R200SS+1.4X(f=1120mm),R200SS+EXT(f=1500mm)
 写っている微光星の直径(ピクセル数)は左から、約 3ピクセル、5ピクセル、6ピクセル、8ピクセル、10ピクセル 

 ここまでの話で、流れの許容範囲(ピクセル数)は撮影する光学系でちがってくることがわかります。
 たとえば、星像の半径くらいの流れなら画像処理で修復できるとすると、(星像に芯があれば許容範囲はそのくらい?)
 許容範囲は 以下のようになります。 ( )内は露光時間10分での現在のガイド精度
    NFD300mm    1.5pixel   pixel/10分)
    NFD400mm    2.5pixel   pixel/10分)
    R200SS(f=800mm) pixel   1.5pixel/10分)
    R200SS+1.4X(f=1120mm) pixel  pixel/10分)
    R200SS+EXT(f=1500mm) pixel  pixel/10分)

 対策を実施した結果、R200SS鏡筒でのガイド精度は許容範囲をクリアしています。
 ただしNFD300mmは対策の練り直し、NFD400mmはあと一歩といったところです。

その後の関連記事はこちら→

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結局、「それでも星は流れる・・・」は7回のシリーズに
なってしまいました。
ブログ記事作成に多大な時間を使ってしまいましたが、
今読み直してみると、『あたりまえじゃん!』なんてことしか
書いてないような気がして・・・

ブログってもっと気楽に書いていいんですよね?

雲上くもがみ

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それでも星は流れる(オートガイド対策結果の検証1/2)

2013年02月17日 | それでも星は流れる
前回   で、
オートガイド(PHDガイディング)においても”星が流れる” 現象の対策として、
 バランス調整 と 支持部の強化 を実施しました。

今回は、対策実施後の実際に撮影した画像により、”星の流れ”がどうなったかを検証してみます。

NFD300mmF2.8レンズ
(対策実施  )

 2011/11/26 撮影 「北アメリカ星雲&ペリカン星雲」 (Dec +45°)
  NFD300mm EM-200USD赤道儀 kissDX GS-60Sガイドスコープ PHD ガイディング
  
  △Ra39.4pixel/H  (1時間当たり 39.4画素進み) 
  △Dec-7.9pixel/H  (星像 S ⇒ N)

(対策実施  )
 2012/10/08 撮影 「ガーネットスターとIC1396 (ケフェウス座)」 (Dec +57°)
  NFD300mm EM-200USD赤道儀 kissDX GS-60Sガイドスコープ PHD ガイディング
  
  △Ra17.9pixel/H  (1時間当たり 17.9画素進み) 
  △Dec0.8pixel/H  (星像 S ⇒ N)

 2012/10/16 撮影 「網状星雲 (全景) (はくちょう座)」 (Dec +31°)
  NFD300mm EM-200USD赤道儀 kissDX GS-60Sガイドスコープ PHD ガイディング
  
  △Ra33.7pixel/H  (1時間当たり 33.7画素進み) 
  △Dec-0.6pixel/H  (星像 S ⇒ N)

[ 検証結果 ]
 あまり改善されてないじゃん!
 (1). 10/ 8の△Raは半分以下の数値となっているが、赤緯(Dec)が高い事を考慮すると大幅に改善されたとは言えない。
   また、改善前と同様に、時間と共に△Raの増分が大きく(傾斜が急に)なっていくのが気になる。
   この原因について考えてみた。
   
   「300mmレンズ前面に装着した「露吸収フード」が、湿気を吸う事により次第に重くなる。
   のではないだろうか?
   『露吸収フード』の素材は紙なのだが、湿気吸収用に数百枚のヒダを組み込んであるため0.4kgの重量がある。
   湿気吸収により重量がどれだけ増えるか不明だが、先端部の重量増加は支持部分への大きな荷重増となる。  
   
 (2). これに対して10/16の△Raの変化はほぼ直線である。(湿度が低かった?)
   その数値も赤緯(Dec)が低い割りには若干改善されている。

  NFD300mmレンズについては、「露吸収フード」を含めたバランス位置を再チェックする必要がある。
   (次に撮影する機会がありましたら再度検証し、報告いたします。)

NFD400mmF2.8レンズ
 *最近購入したレンズですので、(対策実施  ) の画像はありません。
 (対策実施  )
 2012/07/24 撮影 「M13球状星団 周辺 (ヘルクレス座)」 (Dec +36°)
  NFD400mm EM-200USD赤道儀 kissDX GS-60Sガイドスコープ PHD ガイディング
  
  △Ra14.5pixel/H  (1時間当たり 14.5画素進み)
  △Dec-1.0pixel/H  (星像 N ⇒ S)

 2013/02/09 撮影 「クリスマスツリー星団周辺 (いっかくじゅう座)」 (Dec +10°)
  NFD400mm EM-200USD赤道儀 Cooled60D GS-60Sガイドスコープ PHD ガイディング
  
  △Ra28.2pixel/H  (1時間当たり 28.2画素進み) *USBリンク断前まで
・・・・・・( kissDX換算で△Ra=-21.2pixel/H )
  △Dec0.8pixel/H  (星像 S ⇒ N)

 [ 検証結果 ]
  ほぼ満足すべき数値
 (1). M13の方は5分露光なら星がほぼ真円に見えるレベル。
   より高画素の60Dでも十分満足できる。
 (2). つい先日撮影したクリスマスツリー星団の方は、後半で零下6度まで冷え込んだせいか、ガイドカメラとのUSBリンクがときどき切れるトラブルが発生した。
   このため、△RaはUSBリンク断発生前までの数値で算出した。
   kissDX換算で△Ra=-21.2pixel/Hという数値は赤緯(Dec)が赤道に近い事を考えると、実用上満足できる数値。
   むろんNFD300mmレンズの改善前との比較では、焦点距離が長いにもかかわらず格段に良い。

  メインのR200SS反射鏡筒の検証結果については、次回に


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昨日はロシアでの隕石落下のインパクトにもめげず、
小惑星通過のブログ記事であふれていました。
わたしも参加したかったのですが、
隕石落下に会う確率ほど低いのが雪国の冬の晴れ間なので・・・

それでも前回記事がブログランキング1位まで上がり、
そのときの2位~10位がすべて小惑星がらみの記事でしたので
少し気がはれました。
(ご覧いただき、ありがとうございました。)

雲上くもがみ

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それでも星は流れる(オートガイド 対策編その2)

2013年02月15日 | それでも星は流れる
 パソコンを使ったオートガイドに移行したあとも、星の流れが止められずにずいぶん遠回りをした結果、
星の流れを止める対策
 バランス調整 と 支持部の強化 にあるとの結論に至りました。

( 前回記事  参照 )

対策の実施
NFD300mmF2.8レンズ
 購入したNFD300mmF2.8レンズ(中古)はカメラ三脚用台座が本体と一体になっています。
 ただこの台座のカメラネジ穴(W1/4)を使って直接赤道儀に搭載する方法は思いつきませんでした。
 仮に搭載できたとしても、あきらかに”頭でっかち”で重心位置がずっと前になりアンバランスこの上ない!

 
 そこで鉄板を加工し、手持ちのアリガタをバランスが取れるよう前にずらしてボルトで固定していました。
 つまり300mmレンズのバランスは、カメラを接続した状態で始めから意識してとっていました
 問題はレンズ台座と鉄板の接触面が小さくてネジ一本による接合に不安があった事。
 そこでゆるみ止めも兼ねて、間に薄いコルク板をはさんで締め付けていました。(写真には、コルク板をはがしたあとだけが残っています。)
 スプリングワッシャーがわりの軽い気持ちだったのですが、考えてみればここがタワミ”の温床になっていたと考え、全て剥がして直接鉄板にスパナで強く締め付けて固定しました。
 あわせて、アリガタへの締め付けがより広い接触面で行われるように、アリガタ側面に硬いスチール板をアルミテープで貼り付けました。


NFD400mmF2.8レンズ
 NFD400mmF2.8レンズ(中古)の購入は最近(2012.7)のことだったので、購入と同時に対策を実施しました。
 
 まずバランス調整ですが、NFD300mmに比べてもはるかに”頭デッカチ”だったため、500gのウエイト3コをレンズ後部にタイラップで縛り付けました。(その結果レンズ重量は7.2kgにもなってしまいました。)
 カメラ三脚用台座が本体と一体なのはNFD300mmと同じですがこちらは台座が長く、幸運なことに幅がちょうどアリミゾに収まるサイズでした。
 ただアリミゾと台座の接触面が丸みを帯び締め付けに不安があったため、台座側面にしっくりくるように変形させたガチャ玉をアルミテープで固定しました。(アルミテープは、ほんとに重宝して使っています。)


Vixen R200SS反射鏡筒
 主力の撮影鏡筒であり、重量・大きさとも一番ということは”タワミ”も一番発生しやすい事になります。
 いくら筒が長めでも、弓なりにタワむなどとは考えられないので、鏡筒支持部にポイントをあてるべきです。

 
 実は前から気がついていたのですが、R200SSの鏡筒バンドにつながるアリガタ金物の締め付け部分はテーパーになってへこんでおり、そこにアリミゾの繰り出し部分がおさまって圧着すべきなのですが・・・
 実際にはテーパー上部のヘコミ部分が狭いため、繰り出し部分が入り込めずに一部が接触した状態で押さえつけていたのです。(左右2つの接触点で締め付けていたようなもの。)
 これでもガタつく事はなかったのでそのまま使っていたのですが、荷重がかかれば押さえきれずにわずかずつズレていく事が容易に想像できました。
 そこでまずテーパ部分の溝の幅をヤスリで広げ、アリミゾの繰り出し部分が入り込めるようにしました。
 ところが今度は接触する面の傾斜角度が合わず、”線”でしか圧着されない事がわかりました。(2から、へ)
 更に傾斜角を合わせるため、アリガタへこみ部分のヤスリがけをおこないました。から、へ)
 これで2つの点で押さえていたものが、面での圧着に変わった事により圧倒的に支持強度は向上したはずです。
バランス対策としては、
 (1)カメラを接続する接眼部が常にプレート側にくるよう鏡筒バンドで固定した。
・・・・鏡筒の側面にカメラを接続する事は、鏡筒の向きによりバランスがくずれる要因と考えた
 (2)カメラを接続した状態で、バランスの取れるバンド位置を鏡筒にマーキングした。

以上が、レンズおよび反射鏡筒側での実施した対策ですが、他にもそれまで軽視していたことがありました!

それは、トータルとしての(総合的な)バランスの追求

 わたしはプレート上に、軽いガイド鏡と重い反射鏡筒を平行に載せている以上、バランスをとるべき努力はすべきだが、鏡筒の向きによってはバランスを再調整せざるを得ないと考えていました。(たとえば、南に低い天体撮影時とかには)

(軽いガイド鏡側にウエイトを取り付けるなどは前からやっていました。)
 それでも、大きく向きがかわるとバランスがとれなくなりました。

 (そのときはプレートのスライドレールの位置を変更して補正していました。プレートはスターベースの「ジュラプレートS」、ガイド鏡支持部は30年以上前のミザールガイドマウント。

 この考えを改め、「バランスは調整によってもっと追求することができる!
 という気持ちにさせてくれたのが、昨年2012 2月号の『星ナビ』のシリーズ記事でした。
 「すごい天体写真が撮りたい! 望遠鏡による直焦点写真(3) 赤道儀の組み立てとバランス

 さっそく、この記事にそってバランス調整をやってみました。
 まずは、これまでおろそかにしていた「赤緯バランス」から

 写真では、ガイド鏡・反射鏡の両方が載っていますが、
 ().まずはガイド鏡単独で、前後のバランス位置を調整します。

 ().次に、反射(撮影)鏡筒を載せて前後のバランスを調整します。(ここで調整済みのガイド鏡をいじってはいけません


).今度は 左右方向のバランスをとります。
 わたしの場合、プレートに取り付けたウエイトを含めてバランスの取れる位置を探し、スライドレールを固定します。
 〔撮影機材によってこの位置は大きく変化するので、プレートにマーキングしてあります。)

 最後は、おなじみの
 ().バランスウエイトによる「赤経バランス」調整です。
 
これだけは、だれでもやっていることだと思いますがカメラの接続など、実際の撮影時の構成で実施する事が大事です。

 順を追ってこのバランス調整をやった結果、
 どこに向けてもフリーストップできる状態にまで改善されました。

 次回は、対策実施後の撮影画像のガイド結果 について検証します。
 

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ここのところ、連日の日々更新が続いていたのですが、
風邪をひいてしまい、昨日は更新をお休みしました。
歳をとると無理はよくないので・・・
(ブログは心身ともに活性化していいのですが)

雲上くもがみ

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それでも星は流れる(オートガイド 対策編その1)

2013年02月13日 | それでも星は流れる
PHDガイディングを導入して半年が経っても相変わらず”星は流れていた”。

2011/11/26撮影 「北アメリカ星雲&ペリカン星雲」
NFD300mm EM-200USD赤道儀 GS-60Sガイドスコープ PHD ガイディング
 

( これまでの「星の流れ」は )
・・
・・・・
・・・・・・

問題はPHDガイディングの制御グラフでは±1ピクセル程度で収まっているのに、画像の特に赤経(Ra)が進み過ぎる事。


上記の11/26の「北アメリカ星雲&ペリカン星雲」の追尾グラフでは
 △Ra=39.4 ピクセル/H (進み)

ふしぎな事に、ノータッチガイドの頃から赤経(Ra)が進むという傾向は変わらない。
この時点でのわたしの推測は以下のようなものだった。
 (1)EM-200赤道儀のモーター回転数は日周運動(恒星時)より少し早い。(精度不足)
 (2)PHDガイディングのアルゴリズムで、ガイド星が検出枠を外れようとすると、枠自体をスライドさせる事でガイド星を見失わないようにしている。
この2つの要因が合わさって、毎回赤経(Ra)が進む現象を起こしていると思い込んでいた。
このため、ガイド星が枠から外れにくくするために、ガイドスコープの焦点距離を短くしたり、PHDガイディングのパラメータを変更したりしたが”星の流れ”は改善しなかった。

そこで、ほんとにそうか?の検証を12月に入ってやっと実施した。
検証は以下のような簡単な方法でおこなった。
PHDガイディング動作中に赤道儀への制御用コードを抜いてみる。


当然、赤道儀には制御信号が届かないのでガイド星は次第にズレてゆき、検出枠をはみだそうとする。
このときに、検出枠がガイド星を追うようにスライドするかどうか?
結果は 『ガイド星が枠を越えて更に外れていったのに、おかまいなしに枠はそのままだった!
もっと早くこの検証をすれば良かった!・・・思い込みが強すぎた。(反省)

と、なれば
PHDガイディングは正常に星を追尾している』・・・と考えられる。
ここでふたたび、Orion SSAGについてきたマニュアルを読み直してみた。
グラフがおだやかなのに、星が流れるのはトータルな光学系の強度の問題』 とある。

思い込みを捨てて冷静に考えてみると、わたしの場合東側が家屋の影になるため、
 (1)もっぱら天頂付近から次第に西に傾いていく対象を撮影している。
 (2)撮影する鏡筒は撮り始めは真上方向を向いているが、次第に西側に”おじぎ”をするように傾きを増す。

ここでガイドスコープに比べて、重量のある撮影鏡筒のバランスが悪く、且つ取り付け部が弱いとしたら・・・・
ちょうど
物干し竿の先に重たいものをぶら下げて、はじめは竿をまっすぐに、次第に竿を傾けていったら・・・
だんだん持っているのがつらくなるのでは。

追尾結果のグラフを良く見ると、時間とともに進みが大きくなっている。
これは西側に傾くにつれて、「星の動きを追うモータ回転」+「”おじき”によるたわみの増加」 で発生していると考えられる。

となれば、その対策は
 ●物干し竿の先の重りを減らすための   バランス調整
 ●多少の重り(バランスくずれ)なら耐えられる 支持部の強化

 次回 では、
  実際に実施した対策の内容について掲載します。


========================================================
冬季間にもかかわらず、つい先日も撮影することができました。
最新の追尾データもこれから調べて、対策と効果を検証してみます。

雲上くもがみ

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今夜のターゲット(シーガル星雲ほか)

2013年02月12日 | 今夜のターゲット

[指令 No.130212 ]
 
全国的に天候はすぐれないようですが、すでに新月期に入っていますので
遅ればせながら残っていた冬季の「ガイド星図」を掲載します。
(注.DATA は新潟県上越市のものです)

================= 2013/02/12  =================
BASE DATA   薄明 終了:18時51分 開始:05時11分( 2/13)
 月齢 1.8
月出: 07時21分   月南中: 13時26分   月没: 19時39分  
=====================================================
================= 2013/02/14  =================
BASE DATA   薄明 終了:18時54分 開始:05時10分( 2/15)
 月齢 3.8
月出: 08時26分   月南中: 15時01分   月没: 21時43分  
=====================================================

● NGC2207銀河  (おおいぬ座)
(ガイド星図を使われる場合は、クリックで拡大した後にダウンロードし、A4×2枚印刷。)
 種別:(衝突)渦巻銀河 光度:10.7m  視直径:4.3′
  南中時刻:20時33分(2/12)  南中光度:32°
  撮影のやさしさ:★   (★×3が Max)
(撮影のポイント) 南天に低く小さいため、長焦点の鏡筒及びガイド用機材が必要です。
・・・・・・・・・・・この銀河はIC2163銀河と衝突している事で知られています。
・・ちなみに わたしはまだ撮影したことがありません。・・
・・下の画像はごく最近  tsukadomさんが撮影されたものです。
(クリックでtsukadomさんのブログ記事にリンクします。)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
● NGC2146 棒渦巻銀河  (きりん座)
(ガイド星図を使われる場合は、クリックで拡大した後にダウンロードし、A4×2枚印刷。)
種別:棒渦巻銀河 光度:10.5m  視直径:6.0′
  南中時刻:20時40分(2/12)  南中光度:49°
  撮影のやさしさ:★☆   (★×3が Max)
(撮影のポイント) 天の北極に近いため長時間の露光が可能ですが、
・・・・・・・・・・・腕の曲がった構造まで写すにはそれなりの長焦点が必要。
・・ちなみに わたしはまだ撮影したことがありません。・・
(サンプル写真 なし)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
● IC2177シーガル星雲  (いっかくじゅう座)
(ガイド星図を使われる場合は、クリックで拡大した後にダウンロードし、A4×2枚印刷。)
 種別:散光星雲 光度: 8m  視直径:120′
  南中時刻:21時23分 (2/12)  南中光度:42°
  撮影のやさしさ:★★   (★×3が Max)
(撮影のポイント) 南天の対象ですが、シリウスより高度も高く、明るく大きいためいろんなレンズで楽しめます。
・・・・・・・・・・・ただ主に赤色が主体の星雲ですので、未改造カメラではさびしい画像になるかと思います。
・・わたしはついでに写っていたことはあるのですが、まだまともに撮ったことはありません。・・・・・・
(サンプル写真 なし)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
● NGC2359 トールのかぶと星雲  (おおいぬ座)
(ガイド星図を使われる場合は、クリックで拡大した後にダウンロードし、A4×2枚印刷。)
種別:散光星雲 光度:9.0m  視直径:8.0′
  南中時刻:21時35分(2/12)  南中光度:40°
  撮影のやさしさ:★☆   (★×3が Max)
(撮影のポイント) 南天に低いとはいえシリウスより高いので、南中時刻前後を狙えば長時間の露光も可能です。
・・・・・・・・・・・赤だけの星雲ではないので、未改造カメラでどこまで写るか興味のあるところです。
・・ちなみに わたしはまだ撮影したことがありません。・・
・・下の画像は最近  おりおんさんが撮影されたものです。
(クリックでおりおんさんのブログ記事にリンクします。)

お詫びと訂正
先日「クリスマスツリー星団」撮影のため、『ガイド星図22時』を使っていたのですが、うまく導入できませんでした。
よく調べてみたら、ガイド星図の基準星のαOri(ベテルギウス)の赤緯(Dec)の符号がちがっているのを見つけました。
  (誤り) 7.4°     (正) 7.4°
申し訳けありませんでした。
関連するガイド星図は以下の3枚です。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
■M42オリオン大星雲 ■NGC2244 ばら星雲 ■NGC2264 コーン星雲

(既に印刷されていた方は、手書き修正でお願いします。)

========================================================
ガイド星図の記載ミス、わたしは自業自得だったのですが、
皆さんに被害なかったのか気になります。
自分用に作ったものなのでご容赦を。

雲上くもがみ

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