5月6日に京都で村上春樹の「魂を観る、魂を書く」の講演会がありました。
河合隼雄財団主催の「河合隼雄物語・学芸賞」の創設の記念講演会でした。
ニューズウィーク・5月21日号から、次の記事を見つけました。
魂で書くということとは。
多くの人は記憶の残骸がある魂の(浅い部分)「地下1階」で
説明も批判もしやすい小説を書く。
本当に何か作りたければ「地下2階」に降りるしかないが、
その通路を見つけた小説家は多くない。
家の風呂はすぐ冷めるが、温泉は体の芯が温まるようなもの。
ピアニストのセロニアス・モンクもそう。
僕は正気を保ったままそこの行きたい。
村上さん・河合さんを繋ぐキーワードは、“井戸”だと言います。
上記の村上さんの言葉に接すると、
私は、「唯識」と重なる感じがします。
臨床心理学者の河合さんも、晩年は、仏教に向かっていました。
日本の現代人が、仏教に目覚めることを切に思うものであります。
仏教は、人間学。
仏道は、人間道。
現成公案には、
「仏道をならうといふは、自己をならふなり」
とあります。