区立図書館に予約してあった一冊が届きました。
堤未果著
政府はもう嘘をつけない
角川新書
2016年7月10日 初版発行
米大統領選。
我が国のほとんどのメディア・識者と言われる方々が、
ヒラリー氏優勢の予想でした。
結果は、ご存知の通りトランプ氏が次期大統領に決まりました。
要は、日本のメディア・識者の程度の実力ということ。
政・官・財・メディアの “ムラ”の存在を露呈しました。
堤未果さんは、本書の中で、米大統領選について次のように分析しています。
引文します。(本書91頁~)
(アメリカの)若い世代はとつくに気付いているのだ。
米国の抱える真の病理は、個々の政策ではなく、
それを束ねて飲みこんでゆく「政治とカネ」という構造そのものにあることに。
誰もがアメリカンドリームを手にする機会があったはずのアメリカが、
国家としての力を失い、
超富裕層だけが潤う「株式会社国家」になってしまっていること。
その根底に横たわる(強欲資本主義の価値観)は国境を超えて世界中に広がり、
私たち日本人の暮らしにまで、静かに手を伸ばしてきている。
トランプ氏の集会で、ちり紙のように消費される過激な言葉の中に、
見え隠れする本質的なメッセージ。
それは「強欲な『1㌫』から、アメリカを取り戻す」という言葉だ。
2016年のアメリカ大統領選について、
日本国内の報道からはトランプ氏の過激発言や、
大統領に指名される(アメリカの病理)への批判、
選挙そのものの結果を占う競馬レースのような解説ばかりが聞こえてくる。
だが本当に今見るべきは、トランプ、サンダーズ両者の掲げるこのスローガンが、
初めて政党の壁を越えて、多くの米国民に支配されている、その背景のほうだろう。
なぜならそれは、過去数十年であらゆるものをビジネスに変え、
法治国家の体を失ったアメリカ内部からの悲鳴だからだ。
ボクは、ハナからアベ某氏の政治を信じていませんから、
堤さんが本書の中で述べていることに、ほとんど同感であります。
ボクは、日本が無理をして経済大国の道を歩まなくても良いと思っています。
少しぐらい貧しくても、「質実国家」で宜しいです。
そして、世界に向けて「世の中 安穏なれ!」のメッセージを伝え続けたい。