1年のうち、ほんとに暑い2ヶ月くらいをのぞいて、ほとんど毎日ジーンズを
はいています。基本的にジーンズ。小学校の授業参観、懇談会の時も。友だちと、
たまにランチを食べに行く時も。電車に乗って美容院へ行く時も。
そもそも私の夫は大のジーンズ派。最近では、小学生の娘も、真夏以外はほとんど
毎日ブルージーンズで学校へ行っています。
だから、というわけではないのですが、旅するジーンズ、『トラベリング・パンツ』の
話は、とてもおもしろく読めました。 (ホワイト・グラヴの後半で紹介しています)
さて、続編の『セカンドサマー』 カルメン・レーナ・ブリジット・ティビー。
主役の4人の女の子たちは、不思議なジーンズとともに2度めの夏を迎えます。なにが、
不思議かというと、まるで体型のちがう4人全員が、このジーンズをはくことができ、
しかもはいた人をとても素敵に見せてくれるのです。
年頃の女の子が4人もいれば、そりゃあ色々なことが起こります。恋の悩み、アルバイト、
家族の問題、愛するものとの永遠の別れ‥などなど。けれど、そのたびに4人は励ましあい、
ジーンズを送りあって、友情を深めました。
そして、17歳の夏。またしても4人それぞれが【渦中の人】となります。1年という
時間がたっている分、それぞれの「問題」も込み入ってきています。それに加え、
この『セカンドサマー』では、4人のそれぞれの母親たちの「問題」も見え隠れし、
それが前作の『トラベリング・パンツ』よりも、作品に奥行きと深みを与えていると思うのです。
この4人が親友になったのは、元はといえば、母親たちが、マタニティ教室で同じ
「9月出産組」(略して9月組と呼ばれていた)に属していたからなのですが。
母親たちは、ブリジットの母が自殺してしまった頃から、次第に疎遠になっていき、
それとは反比例していく形で、娘同士はいっそう仲良しになっていきます。でも、
娘たちの気持ちの中では、ずっとずっと昔のように、また母親たちも仲良しに戻って
くれたらなあと、思っています。
4人の母親のうち、レーナの母の「昔の恋の話」が一番せつなく、私の胸を打ちました。
娘に先立たれてしまった、ブリジットのおばあちゃんのことを考えると、ここでも泣けてきます。
娘たちの気持ち、母親たちの気持ち。
その両方がわかる年頃だからこそ、この本がこんなに楽しめたのかなあと、思っています。