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絵本の話を中心に、好きなもの、想うことなど。

おちゃのじかんにきたとら

2007-03-19 16:00:20 | ひらきよみ(読み聞かせ)
 今年度最後の開き読みは、先週の金曜日(16日)で、2年生のクラスでした。

 インフルエンザが今頃になって流行ってきているせいか、18人しか教室にいませんでした。いつも娘と同じ4年生の子たちをよく見るせいか、2年生はちっちゃくて、かわいいです。私が、小学校での開き読みを始めたのが、娘rが2年生のときだったので、なんか「2年生」が特別に思えてしまっているのかもしれません。

 そんな2年生のクラスで、読んだのがこの本です。


  

 『おちゃのじかんにきたとら』
 ジュディス・カー 作 晴海耕平 訳


 たしか初めてこの本を見たのが、ことり文庫のこうめさんが、以前にやっていたブログでだったような気がしています。探して読んでみようと思いながらも、そのままになっていて。でも今回、3月の2年生のクラスで何読もう‥と考えていたのときに‥!!!とこの本が浮かんできたのです。

 白い余白をたっぷりとったこういう絵本は、大勢の前で読むときに、遠くからでもよく絵が見え、話の進み具合もよくつかめるのでは、というのが私の意見です。

 でもそういう技術的?みたいなこと以前に、このお話がすごくおもしろくって。2年生の子たちは、どんな顔してこのお話の成り行きを見守るのだろうと、そのぽかんとした顔見たさに、選んだようなものなのですが。


 ソフィーという小さな女の子と、お母さんが、ある日お茶の時間にしようしているところに玄関のベルが鳴り‥お母さんが「一体誰かしら」と思っていると‥。

 「ごめんください。ぼく とても
 おなかが すいているんです。
 おちゃのじかんに、
 ごいっしょさせて
 いただけませんか?」

 ととっても礼儀正しく、とらが言うんです。
 すると、ソフィーのお母さんも、驚いて扉をバタンを締めたりしないで、

 「もちろん いいですよ。
 どうぞ おはいりなさい。」

 
そして、とらは一緒におちゃのテーブルにつき、すすめられるままにごちそうになり始めます。

 きっとすごくおなかがすいていたのでしょう。とらはどんどん、どんどん食べ、飲み、家中の食べもの飲み物がすっからかんになってしまいます。それでもお母さんは文句を言わず、ソフィーは、とらの側を離れません。いとおしそうに、とらのしっぽに頬ずりなんかしちゃったりして。

 やがて とらは、
 「すてきな おちゃのじかんを
 ありがとう。ぼくは、
 そろそろ おいとまします。」
 といって、かえっていきました。


 
いったいぜんたい、とらはなんだったのでしょう。

 いろんな見方ができる本なのかもしれませんが、完結したひとつのお話として、ふんふんと読んで、ふんふんと楽しんで終わるのがいいにちがいないと、私は思っています。

 とらが帰っていってから間もなく、お父さんが帰宅するのですが、そこからの展開も、気持ちがふわっとほころんでいくような終わり方へ繋がっています。










 
コメント (8)
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