my favorite things

絵本の話を中心に、好きなもの、想うことなど。

行き交う気持ち

2007-03-13 16:16:38 | 日々のこと
 昨日の おしゃれ工房 に、グラフィック工芸家の井上由季子さんが出ていました。

 包み紙でコミュニケーションという2回シリーズの1回目で、「いただきものでお礼状」。

 どんなものを作るのかというと‥たとえばお菓子を頂いたら、そのお菓子の箱の一部を使ったり、包装紙を手でちぎったりして、カードに貼って、お礼状を作るというものです。
 
 ちょっといい感じの白いカード(はがきサイズくらい)と、のりさえあればすぐにできそう。画面の構成を考えて紙を貼ったら、あとはスタンプを使ったり、また手書きで「Thank You」と添えるだけ。5分もあれば完成のお手軽カードなのに、贈り物を頂いた嬉しい気持ちが詰まっていて‥こんなのが返ってきたら、また贈り物したくなっちゃうだろうなあと思いながら、見てました。

 贈り物とお返し物。

 どちらもモノなんだけど、大切なのは、モノそのものよりも、そのモノを通して互いの気持ちが行ったり来たりすることですよね。(もちろんモノを相手が気に入ってくれた方がいいに決ってますが)


 
 私が、井上由季子さんのお名前を知ったのは『北欧の道具と暮らしたい。』という本からです。久しぶりに開いてみたら、井上さんのこんな文章がありました。

   私は、大学を卒業してから20年間文具やお菓子の商品企画に携わってきた。
  大量生産は、印刷ムラや染めムラ、形の不揃いなどは外される。でもそこにも
  個性があるのにと感じることが多くなった。ムラがあるから風合いを感じ、不揃い
  は温かみを添えるのではと。そして、手を動かした気配や感覚の残る物づくりが
  したくて独立。書籍と手仕事の物づくりを試みている。


 
番組の中での印象的だったのは、「カードをちょっとステキに見せるコツがあるんですよ」の後、

 ちぎったり、切ったりした紙を貼るときに、きちんときれいに貼らないで、すこし浮かせて貼るんです。そうすると、台紙と貼った紙の間に「影」ができるので、とおっしゃっていました。

 なるほど、なるほど。

 白い紙と、貼った包装紙の色だけでなく、その間にグレーの影の部分を自然につけるなんて、簡単に思いつけそうで、思いつけない(見つけられない)ことだと、感じ入りました。



 さてさて。
 本日、私の元へ1枚のカードが届きました。手づくりカードではないですが、書いてくださった方の気持ちがたっぷり詰まった嬉しい嬉しい1枚です。
 
 今年もラズベリーがたっぷり実ってくれたら、またお砂糖入れて、ぐつぐつ煮て、届けますね。



 
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする