あさって、5月9日に、角野栄子さんの『魔女の宅急便 その5』が発売されます。
その情報は、2月に ことり文庫へお邪魔したときに、店長のこうめさんが教えてくれたので知っていたのですが、私は、1~4までを図書館で借りて読んでしまったため、「その5」だけを、自分の本として買うのはどうしようと、ずっとずっと迷っていました。
でも、迷っていたのは、今では、過去のことになりました。
5年生になった娘rは、新しい教室にあったたくさんの本の中に『魔女の宅急便』を見つけ、自習の時間に読んでみたところ、「とってもおもしろい」と思ったのだそうです。
だから私が何度も言ったでしょ、おもしろいよって。
時期がやってきて、自然と手にとったのか、それとも母の言葉が呪文のように後々効いてきたのかはわかりませんが、自分の好きな本を、娘も好きだと思ってくれることはとても嬉しいです。その嬉しさに乗じて、5巻セットを頼んでしまおうかと思いましたが、セット購入の『ナル二ア国ものがたり』が、中途になっていることもあり、読みたいときに読みたい巻を買うことにしようと思い直しました。
『魔女の宅急便』にまつわる迷い、一件落着です。めでたしめでたし。
角野栄子さん‥私の母より1つ年上なんですね。きれいな白髪に白いスーツを着て、ぱきぱきと喋る姿はとても若々しかったです。
5月3日に、角野さんの講演を、東京都美術館講堂へ聴きに行ったのです。
最近ポプラ社から出た 「角野栄子のちいさなどうわたち」(全6巻)に託した思い、がお話の中心で、その本のお話はひとつも知らないにもかかわらず、講演そのものをとっても楽しむことができました。
東京の下町で育ったとおっしゃっていましたが、その話し方が誰かに似てるな似てるな、と思っていたら‥私の父のすぐ下の妹である、私の叔母とそっくりでした。
講演終了後にサイン会があることを知り、 『魔女からの手紙』を開演前に購入。順番を待つ間、娘は会場に来ていた、大きなアッチの「中に居る人」を覗きに行ったり。私は、角野さんに会ったら、ぜひとも伝えたいと思っていたことを、胸の中で復誦‥。
伝えたいこと、口にする前に気がついてくれるかなあと、サインの宛名の欄に、娘rの名前を書いておいたのですが、順番が来て、筆ペンで名前を書き始めた角野さんは、ただ黙々と作業を進められ‥その側に居た、ポプラ社の担当の女性が、「もしかしてお名前、角野さんのお嬢さんと同じ‥ですか?」
それなんですよ、伝えたかったこと。
娘rの名前は、角野栄子さんのお嬢様のお名前とおんなじなんです。ただの偶然と言ってしまえそれでおしまいですが、角野さんのサイトを見ていてそれに気がついた時、私は嬉しかったんです。
「あら、おなじなの?」
角野さんも顔を上げてくださって、「はい、この子の名前です」とrの肩に私は手をおきました。
「うちの娘はカタカナで、(名前を)書くんだけど、あなたは違うのね。そうそう、この名前、なんて意味があるか知ってる?」ホウキに乗った黒猫の絵に戻りながら、角野さんがそう私に聞きましたので、
「はい、ポルトガル語で【川】っていう意味ですよね?」と私。そこで、絵とサインが終了してしまったので、お礼を述べて場所を次の方に譲りました。
『魔女からの手紙』 前々から気になっていた絵本だったので、こんな形でサイン入りで、家に持って帰ることができて、ほんとうによかったです。