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NHK山田洋次が選んだ日本映画100選 五所平之助の「煙突の見える場所」

2012-02-11 16:15:46 | 日本映画
見逃していたので再放送で見た。

1953年作品。

煙突が3本に見える場所での物語。土手の下の小さな借家。

二階を二人の独身者に間借りさせている。

戦後まもなくの頃らしく、非常に貧しい環境だ。

主体となる夫婦を上原謙と田中絹代が演じる。先日「愛染かつら」を見たばかりなので、あの美男美女が、実に愉快な夫婦を演じていると感心する。お互い遠慮なしの夫婦像は、、なにか庶民的だ。よくまあ、こういうみっともない実生活像を見せてくれたものだ。

で、物語は、赤ん坊を預かったことからくる騒動で、緊張感が高まる。なにせ、赤ん坊を育てたことのない夫婦。泣きやまぬ赤ん坊に四苦八苦。言い争いの連続だ。ここでも、泣いたり、開き直ったり、田中絹代の絶品な演技。

一方、二階に住む男女は、お互いに惹かれるものがあるのに、意地かなにか、いつも喧嘩している。

この二組とも、実に仲の良い夫婦と男女なのだが、それぞれの意地の張り合いで、いつも争う。これが恋のさや当てなのかな。

二階の男女も、赤ん坊の出現で、急に接近し、下の夫婦にかかわっていく。

最後は、ま、いい雰囲気で終わるのだが、5本ある煙突が、見る場所によって1本から5本まで、違って見えるのだから面白い。映画も、この見方によって物事が違って見えるということの証明だ。

戦後を送った人にとっては、懐かしい映画だろう。
コメント (1)
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