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NHK山田洋次が選んだ日本映画100選 豊田四郎の「恍惚の人」

2012-02-26 18:10:01 | 日本映画
1973年作品。これは初見。

有吉佐和子原作、松山善三脚本、豊田四郎演出。

この三つが素晴らしい。

私も、身内で痴呆症を患った人の介護を見たので、見につまされる。

今では、介護保険や、介護環境がととのい、ある程度は状況が改善されてはいるもの、この問題は、今後もなくならない、深刻な問題だ。

妻の死を契機にぼけていった老人。その死までを様々なエピソードでつないで温かい目線で老人を描いている。

まだ、60前の年齢でこの役を演じた森繁久彌の演技に感心する。

最初は、元気で色々迷惑をかけるが、進んでいくと、体も弱り、徐々に赤ちゃん返りをする。

そして、息子の嫁にすがる姿は、母にすがる赤ん坊であり、

最初、困っていた嫁も、死後老人のことを思い出し涙を流す。

この嫁を高峰秀子が演じ、最初は、歩きながら大あくびをするなど、だらしない女を演じ、徐々に老人とのコムニケがすすみ、すばらしい演技となる。

若い人には、ちょっと面白くない映画だろうが、これはやはり、身近に介護する人を抱える世代には身につまされる映画だ。

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