おすすめ度 ☆☆☆ (劇場鑑賞)
映画ファン(凝った映画好き) ☆☆☆☆
見るべき映画が少ない昨今、なぜか見逃していた良作が、滋賀で公開中だった。
ポール・トーマス・アンダーソン監督とダニエル・デイ=ルイスが組んで、1950年代のロンドンを舞台に、有名デザイナーと若いウェイトレスとの究極の愛を描いた。
ダニエルは、今作で映画界を引退と表明している。
実に意味深な映画。ちょっと目をそらすと、微妙な意味が読み取れない。二度三度見する映画かもしれない。
仕立て屋レイノルズ・ウッドコックは、英国ファッション界の中心的存在として社交界から脚光を浴びていた。要は、カリスマだ。
そして目を付けたミューズ・アルマ。
彼女のモデルとしてのセンスを見抜き、モデルとして磨き上げる。
でも、そのサディスチックな行いに、反抗すべく彼女が企てた計画。
それは、毒を盛ること。
弱った男を介抱する女上位。
これこそが彼女の狙いだった。
やがて、レイノルズの母の影が、
淡々として描かれるため、あっさり受け止めてしまいそうだが、底にあるセンスに目が行ったとき映画愛がよみがえる。