おすすめ度 ☆☆☆★
太陽の子というからもっとドラマチックな映画かと思っていたが、意外に地味な映画。
ただ、戦争末期の原発開発に携わった研究員を描いたのは新鮮な視点。
2020年8月にNHKで放送されたドラマ「太陽の子」を、ドラマ版とは異なる視点で描いていく劇場版。
1945年の夏。科学者・石村修と研究員たちは、国の未来のために原子核爆弾の研究開発を進めていた。
建物疎開で家を失った朝倉世津は、幼なじみの修の家に住むことになり、戦地から修の弟・裕之が一時帰宅し、3人は久しぶりに再会する。この場面は、原発開発の研究から離れて、当時の若者のありさまを描いて新鮮。俳優はみなうまいが、中でも三浦春馬の演技は刮目。
日本の原子力爆弾の研究は、理化学研究所(理研)の仁科芳雄によってなされてきたが、戦争末期には、京都大学でも研究が進められていた。この映画は、その京都大学での研究を描いている。
原爆によって、日本の敗戦が決定づけられたことは周知の事実だが、日本でも研究されていたことに光を当てた本映画は貴重。