ひろの映画見たまま

映画にワクワク

NHK山田洋次が選んだ日本映画100選 黒沢明の「生きる」

2012-01-10 17:38:07 | 日本映画
こんな素晴らしい日本映画があったんだと改めて知らされる。

題名がずばり「生きる」、でもこれ死ぬ映画だよ。

葬式のシーンが延々。そして、主人公が本当に生きた姿を参列者の回想で浮き彫りに。見事な手法だ。

診察に行った医院で、待ち合わせた客から得た情報がぴたり、末期がんと理解する。この渡辺篤がすごい。

そこから始まる、まずは快楽の生活、でも酒や女で苦悩が解消されるわけもない。

そして、部下の女子職員との奇妙な交流、そこから、生きがいを見つけていく。

最後、有名なブランコシーン。

生きがいのない勤勉な勤務、生きがいだった息子は功利的に、役所のお偉方は保身に、ハンコオンリーのお役所仕事、縄張りによるたらいまわし。暴力団との癒着。頼りの兄弟は女しか頭にない。

まあ、世の中のしこりがわんさか出てきて、見ていて笑えるのか、くすぐられるのか、思い当たることが多すぎて、涙が出てくる。

孤独でありながら、生きがいを得て死んでいく男を、オーバーだと思われる演技でひきつける志村喬の名演技。

さすが、黒沢監督、脂ののった40代の快挙だ。

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映画「四つのいのち」、イタリア、片田舎での輪廻転生。

2012-01-09 17:23:26 | 映画
カンヌの受賞作だ。ドキュメンタリーなのかフィクションなのか?

南イタリア、カラブリア、貧しい山村だ。

冒頭、羊飼いの老牧夫の生活から始まる。

セリフ、語りが一切ないので、どういうことかは、考えるしかない。

羊飼いの日常の生活。羊の群れを統率しているのは賢い犬だ。

そして、教会のほこりを薬にして飲む老人、やがて死。

画面は切り替わって、ヤギの出産。このシーンは、かなり鮮烈。

老人の死んだ後、老人の家がある村の入り口、9分にわたる長回し。

まあ退屈するか、興味に惹かれるかは、個人差大だろう。

後半は、木の物語。

斬新な切り口といっていいのか、新しい映画ではある。



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映画「哀しき獣」、半端でない追っかけと血のり!

2012-01-08 16:59:59 | 韓国映画
最近、追っかけの映画が多いが、この映画も見事迫力を見せる。

「チェイサー」の監督が再び手がけた犯罪アクション。

第一の舞台が、中国の延吉。朝鮮族が多く住むが、裕福ではない。

韓国に出稼ぎに出した妻のための借金が返せなくて、麻雀で一稼ぎのつもりが負け通しのタクシー運転手。

そこえ、金もうけの話が、渡りに船と手を出したことが、それからの苦境の始まり。それは、ソウルで人を殺すことだ。

列車で大連へ行き、そこから船で密航。そこは黄海、韓国での映画の題名だ。

旅は、密航のため、貨物室で運ばれ、海に突き落とされ、韓国へ着くのはほうほうのていだ。でもこれは序章。

ただ、登場人物が多く、それぞれが複雑に絡んでいるだけに、わかりにくいところが多々ある。

後半は、二組の殺人者が入りくみ、警察も絡んでアクションと追っかけと、息をも継がせない。さらに血の量が半端でなく。凶器も斧とか鉈だ。

妻を追いかけ、はめられた殺人の動機と犯人を求めて時間ぎりぎりで追いつめられる、確かに哀しい獣だ。

やくざの親分同士のやりあいや、浮気や不倫など、中身が濃い。





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映画「さすらいの女神たち」、バーレスク踊り子たちとプロデューサーの物語!

2012-01-06 18:51:19 | フランス映画
俳優マチュー・アマルリックが、監督主演し、カンヌで監督賞を得た作品。

バーレスクのショーダンスはよく映画でも取り上げられるが、ここに登場する踊り子たちは、年配でそこここに衰えがみられるが、そこは、メークと演技と貫録でカバーしている。

私にとっては、ちょっと苦手なのだが、

そのショーシーンがふんだんに登場、彼女らはアメリカから来てヨーロッパを興行する旅がらすだ。

一方、このチームのマネージャは、パリで失敗し、アメリカで成功、その成功したバーレスクをパリで興業しようとねらっている。

だが、現実は冷たく、キャンセルにあう。

妻とは別れたが、子供たちと再会。でもうまくいかない。

結局彼にはバーレスクが一番なのか?

ショー映画とロードムービーが混ざった不思議な映画だ。
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映画「東京島」、一人の女性と23人の男性が住む無人島!

2012-01-05 17:36:30 | 日本映画
ちょっと見逃していたので見た。

まあ、題名とキャッチフレーズからは、肩透かしされる。

桐野夏生原作というから、ミステリーかとおもったがそうでもない。

無人島に放り込まれて、相手が男性大勢そんな状況下の女の生き様そんなものだろうか。

で、この無人島映画、無人島とはいっても結構食糧に不自由しないし、南の島だから温暖。

住むには困らない。

実は女は結婚していて、夫とともに遭難し島にたどり着いたが、

同じく漂流した若い男たちが現れ、夫は、がけから突き落とされ殺されてしまう。

そこへ、中国人が流れ着き、話が膨らむ。

最後は、出産やフィリピン人達が現れ、けっこう話は複雑。

一貫していえるのは、主人公は逆境で強くなっていくということだ。

東京島というから、東京の縮図ってことかな?

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映画「亀、走る」、うだつのあがらない田舎の刑事と指名手配中の脱走犯。

2012-01-04 17:56:32 | 韓国映画
この映画は、劇場未公開だ。

ただ、あの快作「チェイサー」のキム・ユンソ主演の刑事ものとあってみてみた。

だが、「チェイサー」と違って今回は、田舎刑事で、へまばかり。家庭でも年上の妻にうだつが上がらない。

まあ韓国社会での落ちこぼれか。

ただ、その刑事が、停職中、闘牛大会で大金をつかむが、強盗にあう。

その強盗が、全国指名手配の脱獄犯だ。

で、賞金目当てに仲間と、捕まえに行くが、逆に指を切られてしまう。

そんな、のんびりした田舎の警察風景と、へまばかりする刑事の韓国流コミカルで、ちょっと変わった映画だ。

キム・ユンソは、ちょっと、ソンガンホ的で、今後が期待できる。

最後は、万々歳だが、アクションシーンもあったりで、ラストは微笑ませてくれる。
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映画「太陽に灼かれて」、1994年、カンヌとアカデミー外国賞ダブル受賞の作品!

2012-01-03 16:53:17 | 映画
今年公開された「戦火のナージャ」は、実は「太陽に灼かれて2」だった。

この映画は、1994年製作当時評判呼んだ名作だ。残念ながら見逃していた。

あのチェホフの「桜の国」を産んだソビエト。

映画は、1936年、モスクワでは、スターリンの大粛清が行われていた。

前半は、芸術村でののどかな生活風景。(ただ、軍隊の存在が不気味だ。)

冒頭、家庭用サウナで娘にマサージをうける父親(コトフ大佐)、母親も上半身裸で仕事を。

そんな牧歌的な村の生活が、淡々と描かれる。登場人物も多く、まるで舞台劇のような、せりふまわしに、ちょっと退屈を覚える。

そこへ、サングラスにひげ面の老人が訪れる。彼は、かつて、家族同然だった男の変装だった。

彼は、昔、大佐の妻の恋人だった。久しぶりの再会で、二人は意気投合。

大佐と娘は、二人でボートに。

そして、実は男は秘密警察のメンバーで、大佐を逮捕に来たのだ。

のんびりした農村風景も一変、銃弾にかき乱される。

そして、突然現れるスターリンの描かれた垂れ幕。

悲劇だ。

前半の淡々とした描写が、この鮮烈さを浮き立たせる。

この映画で、特筆すべきは大佐と娘の交流だ。

娘は、実に可愛い。皆に好かれている。中でも父親は。

主人公の大佐は、監督自身が演じ、娘は監督の娘が演じている。なんと愛らしいこと。

追伸:「戦火のナージャ」はこの映画の続編で、この可愛い娘の映像が挿入されている。
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映画「宇宙人ポール」、可愛いという表現は無理だが、何とも愛嬌者!

2012-01-02 13:55:06 | 映画
ポスターから、アニメを想像したが、れっきとしたドラマ。

でも、造形された宇宙人が出てきて、これがけっこう可愛いというか?

宇宙人映画といえば、「未知との遭遇」とか、「ET」があるが、実はそのオマージュがふんだん。結構パロっているのだ。

宇宙人おたくの男二人連れ。コミックの祭典とアメリカ中西部のUFOスポットめぐりにイギリスからやってきた。

男二人のため、方々でゲイと間違われる。

そこへ、施設から逃げてきた宇宙人ポールが加わり、珍道中となる。

当然ポールは追いかけられており、それをかわしつつのロードムービーだ。

で、結構お下劣なシーンやセリフがあって、ちょっと戸惑うが、これが今のアメリカコメディの神髄なのだ。

さらに、キリスト教原理主義の若き女性が加わり、宗教的パロディでもある。

まあ、そんなことは抜きにしても結構楽しめる。

当然宇宙人おたくには、垂涎の映画だ。

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映画「木漏れ日の家で」、91歳の老女と愛犬の日々!

2012-01-01 18:28:21 | 映画
ポーランド映画だ。

91歳の女優が演じる91歳の老女。

木漏れ日の家のモノクロ映像の美しいこと。

ただ、この木漏れ日の家だけに限ったピュアな作品。

老女と愛犬だけが住んでいる。

老女の息子夫婦は、老女を引き取ろうとしない。

ばかりか、老女の住む家を売ろうとさえする。

老女は、この家で過ごした若き日を思い出す。

なんとも、しずかな美しい老女がいとおしい。

老女は、双眼鏡で隣の家の出来事を覗き込む。

そして、老女が最後に下した結論は?



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