ひろの映画見たまま

映画にワクワク

フランス映画「ある秘密」、ユダヤ人迫害の影が!

2012-12-21 16:52:39 | フランス映画
おススメ度 ☆☆☆
    フランス映画好き ☆☆☆☆

フランス映画未公開傑作選で上映された作品です。

冒頭、ちょっとひ弱な少年が、父母が体育会系で悩んでいるシーンから。

で悩むが故にか、体育会系の兄がいるという妄想に。

そして、時代が変わって1980年、少年が大人になり、父親が家を出て帰ってこないと母から電話が。もう老人なのだ。

この二つの時期が交互に描かれ、少しややこしい。

さらに時代が遡って、第二次大戦下。

この映画、フランスでのユダヤ人家族が一つのテーマ。

もう一つは、父親は実は母と結婚する前に、別の女性と結婚していた。その三角関係というか。夫と兄嫁の関係。結婚していながら夫は別の女性に興味が。

複雑な関係が、交叉しながら、揺れ動く人の心。

その微妙なバランスを、大変な悲劇でありながら淡々と描くさりげなさ。

大人の映画を思わせる風格だ。

中で、母を演じるセシル・ドゥ・フランスが、水泳選手を演じ、そのエロティシズムはさすがだ。



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報知新聞映画賞、作品賞は「鍵泥棒のメソッド」

2012-12-20 19:33:12 | 映画
今年は早くも映画賞が決定。

報知新聞の映画賞だ。

作品賞 鍵泥棒のメソッド

監督賞 桐島部活やめるってよ の 吉田大八

男優賞 高倉健

女優賞 吉永小百合

助演男優 森山未來

助演女優 安藤さくら

新人 満島真之介 能年玲奈

外国映画 アルゴ

私として意外なのは、吉田大八監督。映画観てません。

でも、高倉健と吉永小百合というベテランが受賞したのはうれしい。

日刊スポーツ賞は

作品賞 終の信託

監督賞 内田けんじ 鍵泥棒のメソッド

男女優賞は、同じく、高倉健と吉永小百合

助演賞は、森山未來と樹木希林

新人賞は、武井咲

でした。

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アメリカ映画「最終目的地」、人生いろいろ。

2012-12-20 19:01:05 | アメリカ映画
おススメ度 ☆☆☆
    文学的な映画好き ☆☆☆☆

場所は、ウルグアイ、南米だ。作家がナチスドイツの迫害から逃れるために移住した地。そこは、広々とした農地、一見西部劇の舞台のよう。

作家は、ノイローゼで自殺したが、彼の妻、愛人、愛人の子、兄、その愛人(男)が住んでいる。

そんなところへ、作家の伝記を書く許可をもらいにやってきた青年。彼は大学で論文を書くためにそれが必要なのだ。彼には同じ大学仲間の恋人がいて、ウルグアイへ行くのを薦められる。

そんな背景で、淡々と進む、関係の進化。

兄は、簡単に許可してくれるが、交換条件が、愛人とは心惹かれるところがあって、許可にこぎつける。しかし、妻は頑として反対。

そんなおり、伝記の許可をもらいに来た青年が、兄の愛人(青年)の養蜂を手伝い、木から落ちて蜂に刺され、アレルギー反応で病床に。

呼ばれて恋人が来ることになり複雑な関係に。(あとネタバレ)




































結局、題名通り、それぞれが最終目的地にたどり着くのだが、それはまた次の展開でどうなるやら。

とりあえずは落ち着くところへ落ち着く。ラストのオペラ座での二組の夫婦も。

それにしても、ゲンスブールのほんわかする恋物語は、この映画のメインとして光っている。

まあ、薫り高い雰囲気の小粋な恋愛映画でした。

ホプキンスと真田広之は、話に色を添えていた。


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アメリカ映画「アンダーワールド 覚醒」、ヴァンパイアと狼人との戦いです

2012-12-19 19:32:34 | アメリカ映画
おススメ度 ☆
    アンダーワールドファン ☆☆☆

ヴァイオハザードの感覚で借りてしまったDVD。

実はこれシリーズの4回目。ましてシリーズは続くとあるから、ENDは終わりではない、続くなのだ。

初めて見たら結局よくわからないままという感じ。

3D公開とあるから、大作の仲間なんだろうけど。

ヴァンパイア族とライカン(狼男)族。それに人間が絡む。

話の作りとしては、バイオハザードとかぶるところがあり、よく似た展開になるのだか。

いずれにせよ、人間でない種族の話なので、まあ、あんまり真剣に考えない方がよいのかも。

バイオハザードのジョボビッチの肉食とは違って、こちらの主人公は、ケイトベッキンセールというイギリスの年増美人。

まあ、一応アクションシーンなどもあって、流れ的には面白いが、所詮なじめない。
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韓国映画「青い塩」、元ヤクザと彼を狙う若き女性スナイパー!

2012-12-18 17:30:58 | 韓国映画
おススメ度 ☆☆
    ソンガンホ好き ☆☆☆

ソンガンホ主演のやくざ映画。

足を洗い料理教室に通う元やくざ。

ソンガンホが演じて、どこか正体不明。易しいおじさんのようだが、

調理教室で知り合った隣の若き女性が実は、彼の身辺調査をしていた。

おしさん、この若き女性と話すうちに、デートに誘ったりして、愛人感覚的。

でも、その裏で、やくざの縄張り争いが、実は若き女性は、元ライフル競技の選手で、狙った相手の的を外さない。

ただ、解せないのは、ガンホは、命を狙われているのを知りながら、なぜ標的になりえる広いアパートに住み、隣のビルから丸見えなのに、うろうろするのか。

まあ、それは別にして、美男でないおじさんと、結構可愛い女性との淡い恋心。

当然やくざ映画なので、アクションシーンはあるがあくまで添え物。

綺麗な映像の積み重ねで、青い塩の、題名となった、釜山の塩田など。スタイリシュな映像が、映画を引き立てている。

ラストはちょっと意外な結末。
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仏独伊映画「情熱のピアニズム」、障害をかかえた天才ピアニストの生涯!

2012-12-17 18:38:23 | 映画
おススメ度 ☆☆☆
    ジャズファン ☆☆☆☆☆

全身の骨が折れた状態で生まれ、ちょっとしたことで、すぐに骨が折れるという障害を持って生まれたミシェル・ペトルチアーニ。

彼はフランスの音楽一家に生まれ、音楽の中で育ち、4歳でピアニストになることを決意、13歳ですでにプロデビューを飾った天才ピアニスト。だが、彼は病のため生き急ぎ36歳の短い人生を終えた。

ジャズピアニストをめざし、18歳では本場アメリカへ。そこで有名ジャズメンとコラボ。そのテクニックは、障害であるがゆえに行える素早いキーさばき。

圧倒的な魅力で世界を魅了した。

没後、10年、たくさんの残されたフィルムと、現存する関係者へのインタビューを交え、音楽と人生のヒストリーを紡いでいく。

わずか1メートルの身長、正常には歩けず、絶えず介助が必要。にもかかわらず、ハードな旅日程をこなしていった努力家。それは、燃え尽きる前のきらめきだったのかも。

一方で、私生活は、女性好き、同棲相手を次々と変え、中では子供も設けている。(子供も、同様の障害を持ち、映画にも出演)

酒やドラックにも手をだし、音楽家らしいハイテンションを経験している。

それらを、インタビューうける人たちのさりげない会話で表現。実態はどうだったのか。

彼の演奏するシーンも多く、ジャズファン必見の映画だ。
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日本映画「Pease」、介護タクシーと猫たちの日常を描いた観察映画。

2012-12-16 18:34:56 | 日本映画
おススメ度 ☆☆☆

想田監督自ら観察映画という「ドキュメンタリー」だ。音楽やナレーションがない、日常を追いかける映像だ。

今回は、猫を飼い続ける介護タクシー運転手。妻は介護ヘルパーを派遣するNPOを経営し自らも介護をしている。

妻が週に一度介護のため訪れる91歳の老人がいる。

この老人がもと軍人で、その回想が絡まって、標題の「平和」となった。

ただ語るだけで、戦のむなしさ、すなわち平和の尊さを浮き彫りにする。

一方、NPOは、赤字で日本の介護行政の貧困が浮き彫りになる。

運転手が飼いならしている猫たちは、近所の行き所を失った猫どもだが、入れ代わり立ち代わる。そこには、生と死、強者と弱者がいる。

これらを淡々と描くことで、問題を浮き彫りにする想田論法は健在だ。
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アメリカ映画「みんながクジラを愛してる」、鯨をめぐる救出劇!

2012-12-15 14:44:14 | アメリカ映画
おススメ度 ☆☆☆

1988年に実際に起こった事件をもとにした原作から映画化。

場所はアラスカ。いわゆるイヌイットの生活圏だ。

取材に来ていたテレビクルーが、氷の中の一角でクジラの親子を発見する。それをテレビ放送。すぐ世の中に広まる。

クジラといえば、捕鯨国日本は、クジラを保護しながら食用などに活用しようという立場だが、この映画の現場は、日本と同じくクジラを食用としているところ。

だが、いわゆるグリンピースの動物愛護団体も、クジラを助けるのに奔走します。

一方、これを金儲けにしようとする動きもあり、アメリカ大統領とか、ソ連船とか、話が大きくなります。

でもクジラは、息をしなければならず、海面を氷で覆われると死んでしまいます。クジラのいる場所は、海のある場所まで8キロもあります。

色んな救助方法が試され、それが刻々とテレビ放送されます。

だが、この映画、案外と誰の味方もせず淡々と恋愛感情も交えながら、クジラを助けるという一点で盛り上げます。

そしてラストは、大団円。まあ、みんなが一生懸命な映画って、みてて楽しいものです。
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NHK山田洋次が選んだ日本映画百選  山中貞雄監督「丹下左膳余話 百万両の壺」

2012-12-14 16:27:55 | 日本映画
1935年作品。

今から75年以上前の作品。

監督は、当時28歳の山中貞雄(若くして死亡)。

今の若い人には、丹下左膳といってもピンと来ないかも。

1927年に新聞連載された林不忘原作の時代小説で活躍する剣士。

「箒のようなあかちゃけた毛を大たぶさに結い、右眼の上には大きな刀傷がある隻眼。おまけに右腕がないという片眼片腕の怪剣士。髑髏の紋を染め出した黒襟の付いた白地の着物で、下には女ものの派手な長襦袢を着込んでいます。」

映画会社が競って映画化し、これが大当たり。この中で一番人気を博し、映画化の多い俳優が大河内傳次郎。

で、今回の作品、余話とあるように、剣士そのものの話でなく、百万両の壺の話だ。

柳生藩で、百万両のありかを記したツボがあることがわかるが、すでに当主の弟が持ち出していた。

それを、奥方が屑屋に売り渡し、屑屋はとなりの男に。ところが隣の男は博打で大負けし、斬られてしまう。

残された子供がツボごと、父の死に際を見届けた、遊技場の女将とその居候丹下左膳に引き取られる。

で、この映画、実にうまく作られた喜劇だ。居候の左膳とか、養子で浮気ぐせのある男とか、まあ、ちょっと外れた男たちが主人公で、遊戯屋の女将や娘に惚れ込み、江戸前の本音と建前のうまい使い分けで人情味を感じさせる。

そこここに才気が見られ、古い作品でありながら飽きさせない。見事な作品だ。

特に、居候で、子煩悩な男が、いざという時に立ち回るその剣戟の凄まじさ。一見の価値がある。
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韓国映画「高地戦」、朝鮮戦争末期の攻防戦!

2012-12-13 17:03:30 | 韓国映画
おススメ度 ☆☆☆

朝鮮戦争末期の1953年、韓国と北朝鮮が死闘を重ねた高地があった。

停戦交渉が長引き、その間も重要な戦線のため、とりつ、とられつの攻防戦が続いていた。その膠着状態の中で、味方の将校の射殺事件があり、その調査を命じられたウンピョ。

いまだ交戦状態にあるとされる北と南、今日もミサイル発射で追い越された韓国のメンツも大変なものがあるが、当時は、中国とアメリカの参戦もあって、民族同士、ひいては親族とも戦わねばならない朝鮮の悲劇。

この映画は、韓国でしか描きえない物語だ。最近の韓国映画の進歩は目覚ましく、この映画も7億円の製作費で、戦闘場面を実に大掛かりでリアルに描いている。

一方で、登場人物も多彩なキャラで、それぞれ生かされた演出。

戦争の醜さを徹底的に暴き出します。

ましてや、停戦で喜んだ人たちに下された進軍命令。それは、命拾いをしたはずの人たちが再び命を賭けるそんなむごい戦いだ。

勝利する戦争でない戦争、一方、敵軍も描かれ、少女狙撃兵がいたりして、えぐい。

現実は、徴兵制度で、男は一度は軍隊に行かねばならない韓国。日本の青年たちとは大違いだ。そんな背景を想うとずしりとくる。
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