ひろの映画見たまま

映画にワクワク

NHK山田洋次が選んだ日本映画100選 喜劇編 松林宗恵監督の「社長三代記」

2012-12-12 16:18:22 | 日本映画
1958年作品

前回放映の「三等重役」の続編で、この映画以降も社長シリーズが作られた、本映画も続編ありきの作りになっている。

「三等重役」で、人事課長だった森繁久彌が2代目社長に。

創立10周年の記念行事から始まるが、前社長の8ミリ映像が公開され、そこには、現社長の在りし日のぺこぺこ姿が映され、会場の笑いものに。

でも、アメリカの得意先と技術提携の話があり渡米することに。

営業部長の加藤大介が社長不在中の社長代行に。

森繁には、ちゃんとした社長夫人がありながら、バーのマダムや芸者にうつつを抜かしていた。夫人に女のことをつくろう森繁のおかしさ。

一方、加藤大介は謹厳実直。森繁との違いに右往左往。

森繁は、契約に成功して帰国、調印するも、宴席で下品な踊りを披露して顰蹙を買う。そのため、今度はニューヨーク支店長に転任。

加藤が引き続き社長代行に。

森繁の芸が光っている一作だ。

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フランス映画「ロックアウト」、リュックベンソンのSFアクションです。

2012-12-11 19:06:09 | フランス映画
おススメ度 ☆☆☆

典型的なB級映画です。フランス映画なのに舞台はなぜかニューヨーク。

こだわらなければ、楽しく見られる映画です。

2079年、凶悪犯罪者たちは、宇宙のアルカトラズというところに強制収容され、冷凍睡眠という方法で眠らせられています。

NPO法人の人道主義者である大統領の娘が、実態を知るために刑務所を訪れ囚人に審問したところ、突然暴れられ、逆に囚人たちが目を覚まし騒動になります。そして、大統領の娘が人質に。(いかにも杜撰な設定ですが、全編そんな調子なので、もう見逃すしかありません)。

一方、スパイ活動中に仲間を撃ったとして、逮捕されたCIA捜査官。単身、大統領の娘を助けに宇宙刑務所へ派遣されます。

冒頭、バイクによる追っかけシーンが、でも、これほとんどCG、要はあまり金が掛けられていないということです。B級映画の宿命です。

で、宇宙刑務所へ単身乗り込んだ男は、本部からのリモート操作で、大統領の娘を助けますが、無線が切られピンチに、

囚人をまとめるおじさんがいて、弟は凶暴犯です。

で、あわやのシーンが何回も出て、結構楽しめます。

大統領の娘も、髪を切り黒く染め、男に扮するあたりから、結構剛力派のいい女性になり、助けに来た男とちょっといい感じになります。

まあ、物語のテンポも速く、95分と短めなので、あっという間の展開です。

ラストもいい感じで、おめでとうございます。

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ウディアレンの「恋のロンドン狂騒曲」、アイロニカルな映画です。

2012-12-10 17:46:08 | アメリカ映画
おススメ度 ☆☆☆

今年は、ウディアレンの作品が続けて公開されました。

この映画は「ミッドナイトインパリ」の前の作品です。

非常にわかりやすくテンポもいいのでつい見入ってしまいます。

アレンの手管は、なかなかのものです。

今回は、死の恐怖から若返りに勤め、若い女性と結婚してしまう男性とその妻、その娘、娘の旦那が登場。それぞれが恋をするそれこそ「恋の狂騒曲」です。

老夫婦の話がメインなのも、アレンが年老いた証拠。大体が自らの体験をないまぜて面白おかしく作品にしている。

それにしても、アンソニーホプキンスが、年老いて、若返ろうと努力しながらも、バイアグラを飲んだり、ばくち場で金をむしり取られたり、老年の哀れさを演じています。果ては、女に男ができことの最中に出くわしかえって、男に殴られ、体を痛めてしまうなさけなさ。まあ、こんな役良く受けたものだ。

同じ恋ならもっと若い子がいいな。

若い子も出てくる。娘の旦那が、アパートの向かいに住む女の着替えを目撃、それから、あとのことが気にかかり、出会うが、相手は婚約中、間もなく結婚というあやふやな時期。そんな彼も得意の小説で有頂天にはなっていられない出来事が。

のように、それぞれが、いい思いをしながら破局へと進む、恋の顛末。まあ、アレンの描くしゃべくりに堪能する映画だ。

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中国映画「復讐の絆」、蒼井そらが主演です

2012-12-09 16:25:44 | 中国映画
劇場未公開。

おススメ度 ☆☆☆

題名通り復讐の絆ですが、相当えぐい描写があります。

日本のAV女優、蒼井そらは、香港で大人気で、招かれたらしい。知的障碍者役なので、セリフも少なく、しかっかりと主役をこなしています。

冒頭、刑事の惨殺事件が描かれ、刑事とその妻が殺され、死体が発見されるが、妻の腹が切り裂かれるなどかなりえぐい描写が。同様な事件が、2件続けて起こり、警察も必死の捜査に。

話はさかのぼり、饅頭屋の娘に恋をした青年がいた。ある日、たまたま、娘が売春婦の家にいたとき、男が訪ねてきて、売春婦と勘違いして強姦する。

それを知った青年が強姦した男を突き止め警察に相談するが、実は強姦魔は刑事だった。警察は事件をごまかすため少年を逮捕して罪を着せてしまう。

出所した青年が起こした行動とは……。それは復讐だった。

この手の映画は韓国が得意とするところだが、これは香港(中国)映画だ。

かなりシビアな作りで、引き込まれる。ラスト近く、ショッキングな行動でとりあえず復讐の連鎖は断ち切られるが?

蒼井そらの好演もあり、監督はモスクワ映画祭で監督賞を得ている。
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「007スカイフォール」、スパイ映画の真骨頂です。

2012-12-08 15:42:15 | イギリス映画
おススメ度 ☆☆☆
    スパイ映画好き ☆☆☆☆

007の活躍するスパイ映画は、1962年にイアンフレミング原作の映画化で「007 ドクターノー」が第一作だが、今作で23作目となる。

勿論主人公の007ジェームズボンドも代替わりしており、今作で3作目のダニエルクレイグだ。

アクション映画も、かなり進歩しており、今作の前半でのアクションは、見せ方の巧みさもあってまったくスリリングだ。おまけに007は、味方の弾に撃たれ、橋から川に落ちてしまう。新しい切り口のアクション映像もあり、華麗に魅せてくれる。

仲間が殺され、奪われたハードディスクに工作員の名簿があり、これが流出しては大変、そこでディスク争奪戦となったのだ。

今回は、そのアクションばかりでなく、ボンドの生まれ故郷にまで話が及び、隠れ家の爆破など、思わぬ展開がある。

さらに、強敵は元スパイであり、同業者の争いとなる。果ては上司である女性管理職Mの命まで狙われる。

華麗なるスパイアクションにドラマが加わった重厚な作りが映画を面白くしている。

昔の007の美女とスカッとする展開とは趣が異なってきた。
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日本映画「カラスの親指」、詐欺師の話で、どんでん返しがあります。

2012-12-07 18:07:21 | 日本映画
おススメ度 ☆☆☆

直木賞作家道尾秀介の小説の映画化。

アメリカ映画のようなド派手さはないが、練られた伏線で見事騙されます。

冒頭競馬場での詐欺、詐欺師をだます手口に引き込まれます。

だが、物語は、老人を狙った年金詐欺の話が根底にあり、闇金業者が絡みます。

阿部寛と村上ジョージという異色コンビに、姉妹とその男友達という変わった5人組が、一つの屋敷に住むことになり、共通の騙す相手が闇金業者。

見事騙すが、もう一つこの映画のだましの仕組みがあった。

村上ジョージは映画初演だとか、演出のせいか、脚本のせいか、セリフ回しが多く、ていねいにしゃべるだけに何となくテンポが悪い。

丁寧な作りだけに2時間40分と長尺。

でもテンポがぬるいので、退屈する。

おまけに情報量が多く、うっかりすると見逃してしまう。

しっかり腰を落ち着けてみる必要がありそうだ。


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日本映画「たまたま」、蒼井優のアイルランドロケ映画です。

2012-12-06 19:00:30 | 日本映画
おススメ度 ☆
    蒼井優ファン ☆☆☆

CMで、いい作品を多く輩出している小松真弓が、CM仲間の蒼井優を主人公にアイルランドロケを敢行した、小品です。上映時間は、1時間に満たない。

水にぬれた手紙。水に落ちた蒼井優。が重なって、宛先を探してさまよううちにアイルランドの人たちや自然に触れ、次々と宛先をさまよう話。

たまたますなわち偶然のなせる人生の不思議、それを蒼井優というメルヘンチックな乙女を通して描くファンタジー。

たまたまの話はどんどん膨らんで、この人生はたまたまで成り立っているような??

DVDのお楽しみは、蒼井優と小松真弓のたあいない制作秘話。

アイスランドのバンド Sigur Rósの楽曲“Inní Mér Syngur Vitleysingur”が主題歌になっています。

アイルランドの自然や人々、とってもファンタスチックです。





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NHK山田洋次が選んだ日本映画百選  春原政久監督「三等重役」

2012-12-05 17:32:48 | 日本映画
1952年作品。

三等重役とは、戦後占領軍により社長らが追放され、その間サラリーマンから選ばれた社長のこと。

この映画でも、社長が追放解除となるところから映画は始まる。たまたま、社長が脳溢血で倒れ、しばらくは、三等重役が社長を続けることに。

社長の妻が、新調した着物を着たいといいだし、社員から結婚候補者を募り、仲人をすることに。

原作は、当時サラリーマンもので、評判となった源氏鶏太で、本作以降シリーズ化される。

もともと社長の器でなかった社長、それに取り入る人事課長(森繁久彌演じる)このコンビが、かもしだすコメディだ。

前半は、どうってことのないサラリーマンものだが、今では考えられないのんびりした会社だった。

後半は、偶然出会った近所の社長の浮気話が主体で、当時は社長といえば、妾がいたもんだ。

妻にばれないかとひやひやするのは、ヨーロッパのラブロマンスと同じ。

まあ、かなりテンポのいい出来なので、安心してみていられる。
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フランス映画「愛の残像」、モノクロで描く愛の物語

2012-12-04 11:14:30 | フランス映画
おススメ度 ☆☆
   恋愛映画好き ☆☆☆

フランスの芸術作家、、フィリップガレルの作品だ。

モノクロームの映像は、古い映画を思わせるが、2008年度作品だ。

フランス映画らしい、恋愛映画だが、甲高いバイオリンのバックミュージックでわかるように、ちょっと一筋縄ではいかない。

女優の写真を撮るフォトグラファーから映画は始まる。女優は夫がいるが、不在のことが多く、若いフォトグラファーと関係を持つ。

情事が重なり、行為中に夫が帰ってきたりする。女優の世界は、かなりハイソな感じだ。

男は、そんな女にぞっこんではなく、他の女とも関係を持つ。

女と男の会話が、実に絶妙で、揺らめく気持ちと、寂しさなどが交差しながら、やがて真剣な愛へと進む。

だが、男は別の女性との間に子供ができ、女はがんと子供を産むという。

一方、女優は精神的に病んでいく。

そんな、ちょっと、異常な恋の物語だが、後半意外な展開を見せる。(ネタバレ)





















女性が死んだ後、男は結婚するが、死んだ女優が男の前に現れる。それは幻影のはずだが、男にとっては、愛した女の情念に見える。

そして、最後の結末。

如何にもフランス映画らしい、心理描写の積み重ねで愛の残像を描いていく。
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アメリカ映画「人生の特等席」、クリントイーストウッドの映画です。

2012-12-03 17:45:53 | アメリカ映画
おススメ度 ☆☆☆
     家族映画の好きな方 ☆☆☆☆

クリントイーストウッドと聞けば、見ずにはいられまい。

だが、今回は監督は、彼の映画のプロデューサーだったロバートロレンツ。

スカウトマンの話だ、老齢のガスは、頑固者で、コンピューターなどあてにならないと自分のカンを強調する。

だが、最近、視力に衰えを感じ、医者に検査を薦められている。

頑固者の父に捨てられたと、親子の縁の薄い娘に、ガスの友人から、次回のスカウトキャラバンに同道を頼まれる。

娘には、弁護士としての昇格のチャンスでもあったが、父が心配で出かける。

頑固者の親子は、最初そりが合わないが、娘に恋人ができて、徐々に和解。その過程がていねいに描かれる。

野球にはコンピュータだけでは、処理できない勘が必要なこと。娘が幼いころに父から仕込まれたスカウトの目が生かされること。父が昔スカウトした男との恋愛問題。

この三つが、うまくストーリに絡ませられ、最後はハッピーエンド。

アメリカらしいちょっとひねりのきいたホームドラマだ。

ただ、主人公の身体はもうぼろぼろで、こんな状態で如何にベテランとはいえスカウトが務まるのかと最初に疑問を抱いた。まあ、予定調和的なところは目をつむろう。

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