ひろの映画見たまま

映画にワクワク

「闇金ウシジマくん Part2」、ホスト悲哀物語です。

2014-05-22 15:57:25 | 日本映画
おススメ度 ☆☆☆
  大都会の裏社会好き ☆☆☆☆

とご、十日で五割でお金を貸す闇金。カウカウファイナンスの社長ウシジマが主人公の映画。第2部。

真鍋昌平の同名コミック「ヤンキーくん」編と「ホストくん」編を基に映画化。

暴走族のヘッド愛沢とトラブルを起こしたヤンキーが駆け込んできて、命乞い、ファイナンスで働くことに。

だが、このヤンキー性根が座っていなくて、次々と問題を起こす。

そこを性根の座ったウシジマ社長が、きりさばいていくのが一つの見どころ。ラスト5円玉で命拾いをする男。5円を粗末にしてはいけない。

一方、ホスト君は、ホストでテッペンをとろうと、金持ち熟女とホスト君に惚れる純情娘をえさにする物語。熾烈なナンバーワン争いは、現代の底辺社会での這い上がり物語だ。

この映画の見どころは、所々に配されたベテラン(若手も含めて)俳優が。見事に生かされているところだ。

さらに、ウシジマ社長に扮する山田孝之が役者の腕を上げ、その落ち着きで裏社会の顔をきっちり演じあげていることだ。

最近、裏社会の映画が増えているが、中では抜きんでた出来になっている。

当然、エロやぐろいシーンもあるが、適度に抑えられ、ながら、その雰囲気を醸している演出はうまい。

大都会東京の息苦しさと、そこを這い上がっていく人たちのほろ苦いドラマだ。
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「今日子と修一の場合」、東日本大震災を題材に悲劇を背負った男女の物語

2014-05-21 19:01:09 | 日本映画
おススメ度 ☆☆☆

奥田瑛二が、娘夫婦を配役に、不幸を背負った男と女の物語を、震災を背景に描いた。

今日子と修一、それぞれの物語。接点は故郷が一緒なだけ。震災を契機に新しい生活がスタートできるのか。修一には、見たいが見えているが、今日子は、観客にゆだねられている。

どちらも、人殺しという重い過去を背負うのだが。

今日子は、保険外交員で食い扶持を稼ぐが、売り上げを上げるため男と寝なければならない。そんなにしても、子供を置いたまま放り出される。たどり着いた東京では、男に捕まり、売春をすることに。そこで震災が。そこから立ち直れるのか。

この何とも悲惨な状況を、奥田の娘安藤が演じあげ、ずるずると深みにはまる女の悲劇。

修一は、リストラされ、息子や嫁に八つ当たりする父親を殺してしまい受刑。刑期を終えて出てきたところで震災に会う。

身受け人の鉄工所で働くが、そこは訳ありの集まり、そこでもいじめが。

でもそこでの救いは、工員の一人がピアノを弾き、これが、映画全体を引き締めている。

修一は、頑張って大学に合格、未来は見えてきた。柄本が朴訥な青年を体現している。

修一と今日子は、故郷宮城県三陸町で、被災後の同じラーメン店でおいしそうにラーメンをすする。

だが二人は、見知らぬまま。

震災をモチーフにしたかっただろうが、特に震災である必要も感じられず、かえって冗長になってしまった。

やはり、2人の接点が何かあってほしかった。
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「ブルージャスミン」、超セレブ没落物語

2014-05-20 18:07:58 | アメリカ映画
おススメ度 ☆☆☆
  超セレブ、その没落の映画好き ☆☆☆☆

これ、ウディアレンの映画。

最近のヨーロッパのしゃれたコメディとはちと趣が違う。

話題は、ケイトブランシェット、アカデミー賞主演女優賞に輝く。

彼女の躁鬱の切り替えの素晴らしさ。そうの彼女は弁舌さわやか、どこまでが本当か。一方、うつの彼女は目が血走り、うつろ、これだけの表現で確かにアカデミー賞ものだ。

超セレブの没落物語。

だが、彼女、没落しても飛行機はファーストクラス、持ち物は一級ブランド品。そしておしゃべりは超一流。

まず、ニューヨークから、サンフランシスコまでの飛行機の中、自らの成功体験とセレブをひけらかしての会話のなめらかなこと。あまりのまくしたてに、聞いていた婦人はさっさととんずら。

そして、着いた先が妹(実の妹ではない)の住むアパート。実に庶民的な雰囲気。この妹とのギャップがすばらしい。

実は、ジャスミン、超金持ちの夫と結婚していたが、夫と離婚、更には借金まで背負い込むことに。しかし、それも身から出た錆。夫の浮気にいたたまれず、電話をしていたのだ。

ただ、彼女の美貌は、たちまちに男を誘惑するが、それも、うそ交じりの弁舌で。

やはりウッディアレン、その弁舌のさわやかさは、衰えていない。

でも、そこは問屋が卸さない。

この痛い没落物語に、よい結末などあろうはずもない。妹がちゃっかり幸せをつかみそうなのに、姉ときたら、音楽がさわやか。
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「MOU」というプロバイダに騙されるな!

2014-05-20 17:14:55 | 日記
これは、映画とは、関係ありませんが、最近腹がたったので、アップしました。

この電話は、二回ありました、担当者が違うので言っていることが違うのですが、

「NTT光回線利用者」に限定。

いまより10倍速くなるハヤブサにグレードアップしますとのこと。

ただ、条件としてMOUというプロバイダを契約するということ。

これは、2回の電話で違うのですが、後の電話ではプロバイダ代が、1カ月970円ですむとのことでした。

当方は、ぷららをNTTから進められて利用しているが、まずNTTはプロバイダを紹介していないと言い張る。

電話だけの勧誘は危ないと思い、連絡先を教えろというと、こちらは発信のみで連絡先はないという。ますます怪しい。

で、これで、断ったので、被害はないが、なんとも腹立たしい。

後で、MOUについて、インターネットで調べると、実際に被害にあった人の話が出ていた。

電話のみでの、契約はやばい!、
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「北朝鮮強制収容所に生まれて」、脱北者が語る強制収容所の実態!

2014-05-19 17:35:49 | ドイツ映画
おススメ度 ☆☆☆
 北朝鮮の闇を知りたい方 ☆☆☆☆

北朝鮮強制収容所で生を受け、脱北した申東赫(シン・ドンヒョク)さん。

彼は、韓国で暮らし、強制収容所の証言や、ボランティア活動を行っている。映画でも。アメリカで体験を話しているシーンが見られる。

自著「収容所に生まれた僕は愛を知らない」(李洋秀訳/KKベストセラーズ刊)、アメリカ人ジャーナリスト、ブレイン・ハーデンによる「北朝鮮14号管理所からの脱出」(園部哲訳/白水社刊)が出版されている。

本作は、ドイツ人監督が、本人に直接インタビューし、ほかにも、脱北した秘密警察の高官と収容所の幹部にも、インタビューしている。

そして、収容所での生活や処刑場面などをイラストで再現し、生々しく迫っている。

北朝鮮強制収容所は、思想的な重犯罪者が収容されているが、勤務態度のよいものにだけ許される表彰結婚により生を受けたシンさん。だが、一生収容所暮らしを運命づけられていた。


脱走の罪で処刑された母と兄の死を見ても、涙が出なかったという。思想教育の恐ろしさ。人権のない北朝鮮を象徴する出来事だ。

この実態を告白する、シン氏は、絞り出すように言葉を発し、時には休憩を要求し、これ以上は語れないとするなど、見ているものをイライラさせるが、監督は執拗に粘り強く、真相を語らせていく。

脱北よりも、収容所を脱走して、北朝鮮の民衆の生活にあこがれを持ったという証言は、まだ北朝鮮の救いが残っていることを示している。


一方で、収容所幹部の淡々とした処刑の告白に、人間の業が読み取れる。

更に、韓国社会の自殺者の多いことに触れ、韓国も決してパラダイスではないと語る。(韓国で生活するシン氏の目から見た韓国の映像が挟み込まれている)。

アムネスティが北朝鮮の人権について調査しているが、早く、正常に戻ってほしいものだ。

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アランロブグリエ監督の「グラディーヴァ マラケシュの裸婦」、ドラクロワの絵が

2014-05-18 16:19:00 | フランス映画
2006年作品。

劇場未公開。

アランロブグリエといえば「去年マリエンバードで」で知られるが、脚本を担当。監督はアランレネ。

この作品、DVDの官能コーナーに置かれており、そのカバーと題名から怪しい映画のようであるが、少し手ごわい作品。

というのも、ロブグリエは、フランスのヌーボロマンの代表作家と目される、アーティスチックな作家だ。本作品は、彼の遺作である。

確かに、裸の女が出てくるし、SM的な女性のいたぶりが出てきてかなり痛い映画だが、ドラクロワの絵に触発された人たちの夢と演劇と現実が交錯してまさに不可解。

ドラクロワといえば、フランス革命を描いた「民衆を導く自由の女神」で有名だが、「白い靴下の裸婦」など官能作品も有名、この映画でも、数々のデッサンが垣間見える。

ドラクロワの絵画の研究家のジョン、モロッコのマラケシュで、ドラクロワのスケッチを手に入れる。そして街に繰り出すと怪しげな男に、美術愛好家の家へといざなわれる。

なぜか献身的に尽くしてくれるアラビアの少女。だが、彼女もサディストの生贄にあい鞭打たれる。

夢と官能の世界が優雅に繰り広げられるが、あくまで、芸術的。

何かを期待してみると裏切られる。
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大阪梅田「グランフロント大阪」、散歩

2014-05-18 15:46:52 | 日記
久しぶりに、学校の同級生と再会。

阪急32で、食事した後、

今はやりの「グランフロント大阪」へ。

大阪駅をおおきくなった屋根上をまたぎ、グランフロントへ。

新しいだけあってキレイ。

散歩の先は日本庭園。

なかなかのプロデュース。

篠山紀信の写真展も開催されていた。

いま、大阪カジノ構想が企画されているが、

いつまでも、大阪城の大阪でなく、

新大阪都市が実現してほしい。
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「大統領の料理人」、大統領官邸と、南極大陸でおいしい料理を作った料理人

2014-05-17 18:05:42 | フランス映画
おススメ度 ☆☆☆

フランス料理好き ☆☆☆☆

男性主体の大統領の料理人の中で、特に請われて料理人になったオルタンス。家庭料理を作ってほしいと言われ、故郷の祖母の料理を中心に素朴な料理を作り絶賛される。

数々のフランス料理のレシピが次々と現れ、フランス料理好きにはたまらない映画だ。

その土地でしかとれない食材を求めて、各地に電話し、出向いて、レシピ通りのおいしい料理を仕上げていく。

見習いコックも、すぐ彼女のコツを会得し、大統領ご自慢の料理を提供してきた。

映画は、この大統領の料理人の話と、その後応募して採用された南極での料理人の話が並行して語られる。

南極も、男ばかりの所帯。それでも彼女の腕に皆が惚れ込んだ。

官邸では、担当者が交代して、大統領の健康を気遣った料理を作る必要に迫られ、一方、経費節減のお達しが出て、窮地に立たされる。

更には、男社会の料理人、やつかみもあって、対立することに。

勝ち気で、物事をテキパキ進めるオルタンス。やがては、病も得て、去らねばならない日が。

一方、南極では、契約の1年が過ぎ、皆に惜しまられながらの帰国となる。ホタルノヒカリで送られる送別会は感動ものだ。

ミッテラン大統領の料理人は実在していた。ダニエル・デルプエシュである。彼女の物語を脚色して本映画が作られた。フランス料理好きにはたまらない映画だろう。

でも、料理人として毅然たる態度を貫いたオルタンス。彼女を演じたカトリーヌ・フロは愛くるしい。
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「チョコレートドーナツ」、ダウン症の子が大好き。

2014-05-16 18:58:04 | アメリカ映画
おススメ度 ☆☆☆

ゲイ、ダウン症に関心のある方 ☆☆☆☆

冒頭ダウン症の男の子が街をふらふら歩いている。カメラも揺れる。子供以外はピンボケだ。(この画像は、後半にも出てくる)

ゲイのショーパブで歌を歌いダンスを踊るショーガール(ボーイ)。そのバーに入ってきた男(弁護士)と目が合う。いわゆる男同士のひとめぼれ。

ショーガールが家に帰ると、隣の部屋で大きな音が、そこには、麻薬でらりっている男と女。隅っこでダウン症の男の子がちじこまっている。

部屋に帰ると、大家から家賃の催促。

やがて、麻薬常習の女は警察に、残されたダウン症の子供。

この映画はゲイカップルが、ダウン症の子供を育てようと努力する物語。

しかし、1970年代のアメリカ、ゲイに対する差別がひどい。

一方、親がいなくなったダウン症の子は、施設に預けられるが、そこには愛がない。

ゲイの男がダウン症の子供を育てようとする。これを応援する弁護士(ゲイの相手)は、訴訟を起こして、親権を得ようとする。

そこから裁判の話が。ゲイに対する風当たりは強い。

ゲイのカップルとダウン症の子供の話なので、物語的には面白くても、なかなか映画になじめない。

だが、後半がぜん、愛とは何かというテーマを突きつけられる。それは哀しい結末を迎えるが、そのショックは胸を打つ。

実話の映画化だそうだが、姑息な手で裁判を勝ち抜いた弁護士の上司、裁判官。彼らに悲しい結末が告げられる。

実際にゲイで歌手であるアラン・カミングが、歌手を夢見るゲイを熱演している。

ちなみに、チョコレートドーナツは、ダウン症の子の好物。太ってもいいから好きなものを食べて。
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「わたしはロランス」、突然、性同一性障害を告白した夫とその妻の物語。

2014-05-15 18:07:23 | 映画
おススメ度 ☆☆☆
  芸術的恋愛映画好き ☆☆☆☆

24歳の新進気鋭カナダ人監督の作品。上映時間168分。

従って、全体にわたって、非常に斬新な映像と音楽とセリフ。

作家志望の国語教師ロランス、ある日突然、恋人に「女になりたい」と告白。

当初は、恋人も理解して、女装を手伝ったりするが、やがて破局へ。

まあ、女装趣味のない小生にとっては、ちょっと理解しがたい物語だが。

ただ、ロランス、女装はするが、男を愛するわけではない。いわゆるゲイとは違う。

精神的に女になりたいということなので、女性も困ってしまう。

80年代のカナダの話なので、まだ世間では性同一障害者への認知度が低く、差別の対象に。

やがて、職も追われるが、もともと女になりたかった、その意志は固く、結局恋人とは別れる。

この映画の素晴らしいのは、そういったストーリーを題材にしながら、斬新な映像が魅力的なことだ。

色使い、音楽、衣類が降ったり、水が落ちてきたり、そのファンタスティックな映像の美しさに唖然とする。

別れた二人だが、恋人を忘れられないロランスは、結婚している元恋人に接近、2人で島へバカンス旅行。

でも、そこでも討論の数々。愛し合っているからこその口論。でも口は災い再び別れは来るが、ラストは微妙。その口論の端々に人生の機微を語る面白さ。

ロランスを、フランスの美男俳優、メルヴィル・プポーが演じ、徐々に女度を上げていくメークがすばらしく、後半では妖艶ですらある。

恋人はスザンヌクレマンが演じ、カンヌで最優秀女優賞に輝いている。
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