ひろの映画見たまま

映画にワクワク

「夢は牛のお医者さん」、小学3年で牛に出会い、夢を見、そして、実際にお医者になった女性の映画です

2014-05-14 18:04:03 | 日本映画
おススメ度 ☆☆☆☆

見て欲しいという意味では ☆☆☆☆☆

テレビ新潟のディレクター時田美昭さんが、新潟県の山間の小さな町の小学校。卒業生がいなかったとて、牛3頭を飼うことになり、その話題を放送したのが始まり。

テレビのディレクターだからこそできた26年間の長期取材。

当然、最初からそんな山村の小学生が、「牛のお医者さんになりたい」といったからとて、実現するわけもなく、当初は、この映画の主人公高橋知美さんを取材していたわけでもない。

ただ、出来上がった映画を見ていると、知美さんはほんとに明るい、可愛い小学生だった。

それから、高校、大学、医師免許と難関の試験をクリアしていく努力の日々(テレビを見るのを禁止したというから気の入れ方が違う)。努力なくして夢は叶えられない。それにしても、それぞれのいシーンで、合格してほしいとこちらまで力んでしまう。いつの間にか知美さん応援に感情移入。

これらの日々を、丁寧に取材し続けたテレビ新潟。

本当は、診療所に勤め始めて、終わってもいいのだが、

そこからも、新米の医師を追い続け、体力のいる注射や手による子宮検診などをこなし、ラスト近くでは実際の出産シーンに立ち会うなど、たくましく成長した知美さんがみられる。

さらに、子宮検査が経済活動であること、牛肉の輸入増加で、牛を飼う農家が圧迫されていることなど、経済の問題にも触れ、いっぽうで、山深い山村の移り変わりも描いていく、演出の視点は確かなものがある。


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「スプリングブレイカーズ」、大学の春休みにハチャメチャ遊びをするビッチ

2014-05-13 16:25:57 | アメリカ映画
おススメ度 ☆☆
  若いおんなの子好き ☆☆☆

色のぶれたようなDVDのカバーにちょっとげんなりしていたら、準新作になったので借りてみた。

まあ、予想通り、フロリダでおっぱいもろ出しではじけまくる青春映画です。

仲良し女子大生4人組、春休みになったが、お金がないので、くすぶっていたが、強盗を思い付き、レストランを襲撃、まんまと大金を手にする。

その大金で、フロリダの海岸に操出し、連日、ダンス、酒、ドッラッグ、セックスとハメ外しまくりの大盤振る舞い。

そんな彼女たちも、警察に御用となるが、身受けに来たのが、ちょっときざな暴力男。だがこの男以外にやさしく、彼女たちを遊びに誘う。

更には、暴力団同士の争いにまで巻き込み、女一人がけがをする。

まあ、ちょっと、日本ではあり得ない春休みの珍事だ。

それにしても、悪男を踏み台にして、次へ向かう女たちは、性懲りもない。

旬な女優4人が水着姿で楽しませてくれるが、小生にとっては、なじみのない人たちのこととて、最初のうちは誰が誰やらわからぬまま鑑賞。

でも映画のノリは十分伝わってくるので、後半のドラマ部分へとつながる。

麻薬ディーラーのエイリアン(女の子の世話を焼くヤクザ)に、スパイダーマンなどで活躍のジェームスブランコが演じ、金歯むき出しのあほ男を演じている。

春休みにしては強烈な体験ですね。
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「Wood Job!神去なあなあ日常」、都会から林業を目指した青年の悲喜こもごも!

2014-05-12 18:48:24 | 日本映画
おススメ度 ☆☆☆

直木賞作家・三浦しをんさんの小説「神去なあなあ日常」を「ウォーターボーイズ」「スイングガールズ」の矢口監督が演出。

三重県美杉地方をモデルにした、林業を体験する高校出の青年の修業物語。

大学受験に失敗、恋人とも別れた青年が、ふと目にした林業研修生の募集広告。そこに映っている女性に興味を持って、林業を体験することに。

都会っ子にとって初めての森林。そこはいろんな生物の生息するところ。鹿、蛇は勿論、ヒルに噛まれたり大騒動。一方、携帯世代にとって、携帯が使えないことにがっくり。

研修を担当する教師は山猿で、野卑た態度で怒鳴りまくる。

そんな山奥だが、住む人々の温かさや、自然のさわやかさを体験しているうちに、だんだん心地よくなってくる。


矢口監督は、三浦さんの小説を映画化するにあたり、徹底的に現地取材、自らの体験などをおり交えながら矢口ワールドのコミカルなエピソードを作り上げた。

一方で、青年は、実際に林業家に寝泊まりし、木を切り倒し、木の選定をし、苗木を採取し、森林業の基本をしっかりと体得していく。

ただ、当初は、迷いもあって抜け出そうとも考えるが、目当てのポスターの女性とも知り合い、恋も芽生える。

後半は、子供の失踪と神隠しに遭遇したりして、クライマックスは村一番のお祭りで、ふんどし姿の大木切り出しの行事が壮大に描かれる。

長い年月をかけて育てる林業の特異性など、村で木を切り生計を立てる人々の暮らしが垣間見られる。

総体的には、林業のご当地映画になっているが、金がかかっているだけに、一応壮大な作りになっている。

青年の染谷将太、林業の女性に長澤まさみ。脇もベテランがサポートしている。
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「蜜の王国」、ザルマンキングの遺作、官能映画

2014-05-11 18:09:19 | ヨーロッパ映画
おススメ度 ☆☆
  官能映画好き ☆☆☆

「ナインハーフ」、「蘭の女」など官能映画の主、ザルマンキングは2012年、70歳で亡くなった。

「蜜の王国」はその遺作だ。

宝石デザイナーのヴィクトリアが、ハンサムな男に魅了され、その手玉に乗って、エロスを開花させていく。

そのサディスチックなあしらいは余計心を掻き立てられさらに深みにはまっていく。

日本の「花と蛇」なみに、サディズムを交えながら、乱交とSMへといざなわれる。

ザルマンらしく、ソフトなアダルト映画で、女性にも見ごたえが。

主役のマレーナモーガンは、アメリカのポルノ映画のスターだが、なかなかの美人。

まあ、この手の作家が少ないだけに死は惜しまれる。





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「49日のレシピ」、母の死後、遺された父と娘の再生物語

2014-05-11 16:47:37 | 日本映画
おススメ度 ☆☆☆

原作は伊吹有喜の人気小説。NHKでドラマ化されている。今回はタナダユキ監督。

70歳で妻を亡くし悄然としている男の下へ、ちゃきちゃきの女の子がやってくる。妻が生前勤めていた施設でそこに入所していた女の子に自分の49日の法要を盛り上げてくれるように頼んだのだ。

一方、不妊と夫の浮気に悩み離婚を決意し帰宅した娘。父が若い女と風呂に入っているのにびっくり。

そんな親子が、ちゃきちゃき娘と、ブラジル三世の男に助けられ、49日の法要までの間に再生していく物語。

タイトルの「49日のレシピ」は、なくなる前に妻が画帳に料理のレシピとか、宴会を盛大にとか、メッセージをメモっていたことによる。

タナダ監督は、日常生活の機微を丁寧に描き、過去の出来事を織り交ぜながら、人生のいろいろを描いている。

狂言回し役のちゃきちゃきっこを、二階堂ふみが演じ、あっけらかんとした現代娘をちゃっかり演じている。これにブラジル三世を岡田将生が演じ、暗くなりがちな物語を明るくしている。

子供を産めないというセリフが何度も出てきて、世の中子供ができなくて困っている女性には励みになりそうだ。

中で、父親の姉を淡路恵子が演じ、伝統的な家族観を憎たらしく演じている。最後はフラダンスで締めくくるが、唐突感はぬぐえない。

父親を石橋蓮司、娘を永作博美が演じ、手堅い感じだ。

129分はちょっと長いと思うが、丁寧な作りだ。
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「とらわれて夏」、ひと夏の脱獄囚と母親の愛!

2014-05-10 18:49:47 | アメリカ映画
おススメ度 ☆☆☆

アメリカ東部の静かな町、9月初めの暑い一日。

夫と別れてうつ状態にある母親、その母親を支える13歳の少年。

二人は、ささやかに暮らしていた。

ある日、スーパーで買い物をしていると、ある男に脅迫され、家に連れていかれる。

男は、入院先から脱獄して来たばかりだった。

当然、警察は探しに来るが、脅されているため、追い返してしまう。

それから5日間、男は、母親と息子の家に居つくことに。

その間、男仕事をしたり、子供にキャッチボールを教えたりとなかなかやさしいふるまい。

徐々に母親は、心を許すようになる。

息子の目線で描かれているため、二人が恋愛感情を抱いているように見える。

その間に、母親と脱獄囚のそれまでの経緯が映像として挿入され、事情が分かってくる。

心閉ざしていた母親が、徐々に心を開いていくさまが描かれていく。

パイを共同で作る楽しげな風景は家族をさえ思い出させる。

母親をケイト・ウインスレット、むつかしい役どころを見事に演じている。

脱獄犯は、ジョシュ・ブローリンが演じ、こわもてでやさしい男を演じている。

結局、2人の心境の変化が映画の一つのテーマだが、脱獄囚を愛するという意味が、もう一つ理解できなくて映画になじめなかった。

淡々とした描写と、ラストの見事な救いで、見ごたえのある映画ではあるが。

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「ビューティフルダイ」、脱獄した殺人犯とその元恋人

2014-05-09 16:05:16 | アメリカ映画
おススメ度 ☆☆
 サスペンス映画好き ☆☆☆

限定で公開された映画。

猟奇映画の気鋭として注目されるアダム・ウィンガードの作品。

手持ちカメラ、それもわざと揺らしたりピンボケしたりの斬新というか、いい加減にしてよというか。

輸送中に、落ちていたビスで脱獄する凶悪殺人犯。当然逃げる時には、人を殺しながら逃げる、まったくの非道犯。でも彼、意外に人気があるらしく、刑務所へファンレターがたくさん来ていた。

一方、アルコール依存症の人たちのアルコール絶ちのミーティング。それぞれが自分の体験を語り励まし合う。そこで知り合ったサラとケビン。ふたりは、いつしか恋をはぐくむのでした。

映画は、この二つの物語の進行と時々はさまれる過去の映像、それは主人公たちの記憶であったり、ちょっと複雑な画面構成。(ネタバレ)





























この映画は、ネタバレしないと良さが表現できない。

というのも、ラストで一気に収斂する物語。それは殺人犯の脱走の意図が恋人を守るためだったのだ。

これは、届かないラブストーリー。サラは結局いたぶられ、殺人の現場に立ち会わされ、これから、再び立ち直るための努力をしなければいけない。

ラブストーリーでありながら、それが成就できない、ジレンマ。

猟奇映画でありながら、血や暴力シーンを極力抑えた表現。

ただ、この手の映画は、人を選ぶ。

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「プリズナーズ」、行方不明となった娘を追う、父親と刑事!

2014-05-08 18:09:24 | アメリカ映画
おススメ度 ☆☆☆

プリズナーズというタイトルだが、刑務所映画ではありません。

冒頭、鹿を射止める青年。父親の指導の下、育っていく。

そしてその鹿肉を持って友人の家へ。感謝祭の日だ。

父親と母親、青年と娘。友人宅には、夫婦と娘より一つ上の女の子が。

父親は敬虔なクリスチャンだ。

忘れてきた笛をとりに自宅へ帰った娘と女の子。(笛が後で効く)

そのまま、行方不明に。

大がかりな捜索もむなしく娘たちは見つからない。

普通のアメリカ人の住宅で、郊外には森があったりする。

それぞれの家は独立しており、そういう意味では閉鎖的だ。

担当になった警察官は、それまでいくつかの検挙で優秀な警官だ。

この映画はミステリーであるが、いろいろ考えさせられる要素をあわせもつ。

153分の長尺だが、演出と演技の冴えで、最後まで飽きさせない。

近くに止めてあったワンボックスカーから、不審者が割り出されるが、知的障害者ゆえに保釈されてしまう。

ただ、子供たちを知っているような発言から彼を犯人と思い込んでしまった父親は、彼を捕え執拗に聞き出そうとする。

この暴力的といえる態度と、過去の記録などから真剣に犯人に迫っていく刑事が対比的に描かれる。

話には宗教が絡んでくるので、我々にはちと理解しがたいところがあり、犯人にたどり着くが万々歳といかない。

特に、アメリカ社会ゆえか、自らの命は自らで守るという風土。それがあまりにもきつくて、ヒュージャックマンの演技が、むしろやりすぎに見えてしまう。

一方、警察は、刑事一人が悩んで、個人行動なのが納得がいかない。確か複数体制だと思ったのだが、それゆえ、銃社会ゆえのあわやのシーンまである。なぜ、応援体制がないのだろうか。

蛇が出てきたり、迷路があったり、何か意味があるのだろうけど?

刑事役のジェイクギレンホールはもうけ役かも。



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「ダイアナ」、元英国皇太子妃亡くなる前のラブストーリー

2014-05-07 19:41:10 | イギリス映画
おススメ度 ☆☆☆

もうダイアナが亡くなって、17年が経つ、そこで今ダイアナのヒストリーが描けるようになったのか。

ただ、監督はドイツ人。イギリス人では生々しすぎるのか。ダイアナは、突然の死故謎が多い。

本映画は、ダイアナに、心臓外科医の恋人がいて、その結婚に悩んでいたというストーリーになっている。

ダイアナ自身と外科医のハスナットカーン(パキスタン人)の家族の問題が、結婚に大きな障害となっていた。

二人は、別の世界で生きようとも試みるが。

恋の悩みもあるが、連日パパラッチに追いかけられる、私生活のなさとか、ダイアナがやりたい道も思うようにいかない。

地雷除去運動とか、子供たちのこととか、ダイアナはもっと人々の役に立ちたいと願っていた。

でも一方で、英王室には息子たちがいて、別れて暮らさなければならない苦悩。

そしてラスト近くでは富豪との快速艇でのデート、それをわざわざパパラッチさせる神経。

この映画を見ると余計ダイアナが謎めいて見える。

ナオミワッツがダイアナを演じ、それなりに頑張ってはいるが、あのこぼれるばかりの美貌と高貴なセンスは出せるわけもなく、苦悩の表現もべたになってしまっている。

ダイアナの内面も知りたいところだが、この映画はその点では中途半端に思える。

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「ネイチャー」、アフリカの大自然が堪能できます

2014-05-06 17:29:02 | イギリス映画
おススメ度 ☆☆☆
 動物好き ☆☆☆☆

BBC EARTHが3Dカメラで、世界特にアフリカの自然を撮影した映像の集大成。

3Dで見る自然は、また格別のものがあり、新しい発見も数々。

ただ、自然を記録しただけの映画なので、ドラマ性はなく、それを期待した向きには退屈かも。

今回は、水がテーマで、まったく雨の降らない砂漠。そこでも生きる生物はいる。

そして、雨や霧。

そのしずくが集まって川へ。

圧巻は、ヴィクトリアの滝で、よくまあというぐらい危険を冒しての撮影。

そして海へ。

サンゴ礁の海と魚はきれいだ。

一番ワクワクするのは、バッファローの群れが水を飲みにやってくる。そこを狙って鰐がかぶりつく。

いずれも生命をかけての戦いだけに、圧巻。

巨大動物のせめぎ合いは見事。

その他、フラミンゴやオランウータンなど動物園ネタもたくさん。

映画館に居ながらにして、これら生物の生態が体験できるのだから楽しい。

後で、撮影秘話が納められているが、撮影の苦労がしのばれる。
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