復啓 pokoさま
昨夜は、思ったほど寒くなく佐渡の港に着きました。夜の海を見ながらとぼとぼ歩き家に帰りました。玄関にカギがかかっていて、父には家を閉め出されました。
「どうだった?」と聞くと、「さみしかった。」という返事でした。何のことはありません。
温かいお手紙を頂いてとてもうれしく思っています。励まされました。
ところで、『浜口陽三展』
私も山田さんが熱く語るまでは、少しも知らない方だったのですが、あの番組で紹介された絵を観て、好きだ、ぜひ会いたいと心惹かれたのです。、私は呼ばれているとまで思っていました。
でも、本物に出会ったら、私のその甘い想いなど粉々に打ち砕かれ、ものの見事に完璧に拒否されてしまいました。
「あんたみたいに、ちゃらちゃら薄っぺらい人には駄目だよ。」と言われた感じです。私が受け入れないというのではなく、作品が受け入れてくれないという、作品に受け入れてもらえないという疎外感を強く感じてしまいました。
静物画は、精神を問われているような気がして、いいだの悪いだの軽々しく口に出すことができません。もちっと鍛えて出直せという感じでもないし、自分の今の状態では、そうだったとすごすご引き返すしかなかったです。
それでも、『くるみ』『17のさくらんぼ』『パトリックのさくらんぼ』は、ぜひお持ち帰りを許してほしいと願う作品でした。浜口さんの銅版の原版や道具も展示されていました。繊細で静謐な作品(こんなホームページを見つけました)
美術館自体はこじんまりしていて、版画の展覧会にはとてもふさわしく落ち着いて観られました。入場者は3人しかいなく、出品点数も少なく、ゆったりじっくり鑑賞できました。残念ながら、カフェにも入る気力は残っていませんでした。
佐渡は晴れていますが、風がとても冷たいです。
今朝いつものように自転車を走らせて、うまいものやに買い出しに行きました。
ゆずをたくさん買っている同級生に出会ったら「ゆずみそができたら持って行ってあげるね。」と声をかけてくれました。
横浜でも、いつも時間を割いて会ってくれる友がいます。
父は今のところ自分のことはすべて自分でできます。
いろいろ支えられながら日々をどうにか乗り切っています。
寒さが厳しくなります。お身体、ご自愛ください。