お隣さんが柿を持ってきてくれた。
抱っこされているユウクンはひと時もじっとしていないの。
玄関ベルを押そうとしたり引き戸を開けようとしたり閉めようとしたり。身を乗り出してこちらにこようとして。バイバイもできるようになったし、チョキチョキも上手。
「もうユウクン、借りられないわ。遊んでもらえないね。」と私。
この間まで、おぼつかない足取りで歩いていたのに、今はもうそりゃあすごいスピードで一目散に歩く。追いかけていく私が躓いて転ぶね。その間に海に落ちたら、車に轢かれたら、なんて事態になったら、私が海に飛び込んでお詫びしなければならないもの。
お孫さんと生活している家族ってほんとに楽しそう。(傍から見るとね)
話題はすべてお孫さんのこと。
他人である私にはとっても小さいことでも、ご家族にとってはうれしくて大きな出来事で、家族みんながその話題で夢中になれる。そんな感じ。
ユウクンの弟ができたのでしばらくあずかっているお隣さん一家がそう。
薬局一家がそう。
マサチャンママは1年生になったリュウクンから、
「おばあさん、マラソン一緒にやろう。」と電話が来たから、車走らせてグラウンドで練習したというのよ。あああ、あんたよくやるねえと私は呆れたけれど。
虫取りも何もかもママやおじいさんは抜きで、全部おばあさんに。
弱るっチャと言いながら、弱っていないところがやっぱり孫は可愛いのね。
いつも行っている床屋さんもそう。
動物園を見たことがないケイくんを横浜の動物園に連れていくと、嬉しそうなおじいさん。なにしろ、ケイクンの両親、祖父母でお店をやっているから、ケイクンの話題になると、皆が口々にいろいろ聞かせてくれる。それはそれは賑やか。
喧嘩していても、不機嫌でも、お孫さんの一挙手一投足でそんなもの吹っ飛ぶんだろうな。だって、話す人も聞く人もみんな幸せそうだもの。
遅刻友も結局お孫さんのところに行って帰ってきてない。
店番友もお孫さんが具合が悪いから来て、という娘さんのSOSでお仕事すっ飛ばして、すっ飛んで行った。
ああ、孫という名の宝物・・か!