めずらしくゴミ出しに行ってめずらしくシンチャンママに会った。
「母が亡くなったのよ、お正月を前にして」と言う。
どこが悪いってわけじゃなかったけど
会いに行くたびに弱ってきているなとは思ってたの
1時間くらい前に酸素つけますとか点滴しますって言うから
今まで1度もそんなことなかったからね、これはと思って弟や妹に連絡して
飛行機の切符もとったの
そしたら、1時間後に亡くなりました、って連絡があったのよ
看取ることはできないなとは思っていたけれど、やっぱりそうだったわ
いなくなるって淋しいわね
ふるさとが遠くになってしまった感じになったわ
夜、布団に入ると泣いているのよ
子供のころおじいさんもおばあさんもいて父や母もいて兄妹もいて
皆いたのにね
いなくなってしまったわ
皆いなくなるのね
「いなくなるって淋しいものね」
と、シンチャンママは何度も言う。
「父が連れて行ってくれたのね」
そうね、4月に亡くなったお父さんが、お母さんひとりにしておけないって呼んでくれたのよ、きっと。