こんばんわ。
妙本寺といえば海棠。だから、くるい咲きでもトップニュースに(笑)。
数輪の海棠の花。
まじめ咲きの頃、今年3月27日の海棠。今回のくるい咲きは右の木。 どう、素晴らしいでしょ。
山茶花は今がまじめ咲き。
ツワブキも咲き始めました。
金木犀並木はちょっと不真面目咲き(笑)。来年はもっと華やかに咲いて!
でも、香りは十分。
今日の竹内整一先生の公開講座で九鬼周造の木犀の香りに関する文章が紹介された。そして私は秋になってしめやかな日には庭の木犀の匂いを書斎の窓で嗅ぐのを好むようになった。私はただひとりでしみじみと嗅ぐ。そうすると私は遠い遠いところへ運ばれてしまう。私が生まれたよりももっと遠いところへ。そこではまだ可能が可能のままであったところへ。両親が生まれる以前の、いや、もっと以前の、人になるか獣になるかといったはるか原始の時代へ運ばれる、という意味だそうだ。香りというものは問答無用に一気に”原始の心”に戻してしまう。
今日のテーマは”なつかし”。牧水の”かたはらに秋ぐさの花かたるらく(語ることには)ほろびしものはなつかしきかな”の歌をかわきりに、やまと言葉の”なつかし”の意味を探る。なつかしさは、”かなしみ”や”さびしさ”でありつつ、なお、かなしみやさびしさに耐えうる、あるいは乗り超え得る感情として働いている、とのこと。いくばくかのなつかしさ(たとえば大切な思い出)があれば、(現在、どんな状況であっても)人生を肯定的に生きることができる。
講義がおわると、雨が上がっていた。西空にかすかな夕焼けが。ひょっとすると、二日月が見られるかもと期待したが、残念だった。明日の三日月は大丈夫だろう。
では、おやすみなさい。
いい夢を。