おはようございます。みなさんも、昨日の羽生くんの歴史的快挙の余韻がまだ残っているのではないでしょうか。
さて、先日、渋谷のブンカムラ・ザ・ミュージアムで開催されている”ルドルフ2世の驚異の世界展”を見てきました。ルドルフ2世については、昨年のアルチンボルド展で顔見知り。アルチンボルドはこの皇帝のお抱え絵師だったのだ。こんどの展覧会はルドルフ2世に焦点が当てられている。
神聖ローマ帝国の皇帝となったルドルフ2世は都を、息詰まるようなウイーンから片田舎のプラハに移してしまう。ここで、のんきにというわけはないが、生活を楽しむ。自分の回りに優秀な画家や著名な天文学者までも呼び寄せたり、美術品はもちろんのこと、好奇心が旺盛で、なんでもかんでも蒐集した。それらの一部が渋谷で展覧されているのだ。とても面白かったですよ。
まず、ルドルフ2世のお顔をご覧いただきましょうか。下あごが突き出ているのが、ハブスブルク家の特長だとか。
ハンス・フォン・アーヘン作のコピー《ハプスブルク家、神聖ローマ帝国皇帝ルドルフ2世の肖像》1600年頃
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科学ファンにもうれしい品々が展示されている。ルドルフ2世は天文学や占星術に関心をもち、ティコ・ブラーエ(1546〜1601年)や”ケプラーの法則”で知られる、ヨハネス・ケプラー(1571〜1630年)等、著名な天文学者を雇用した。プラハの宮廷は当時の天文学のメッカだったかも。ガリレオの”天文対話”やケプラーの”コペルニクス天文学要約”等の天文学書、またガリレオの望遠鏡も見られる。これらの多くは我が国の博物館や天文台所蔵のものが多いが、十分、天文好きのルドルフ2世を偲ばせてくれる。
作者不詳 《デンマークの天文学者ティコ・ブラーエの肖像》 1596年
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ルドルフ2世は動物好きでもあり、なんと宮廷内に動物園をつくっていた。それを偲ばせるのが、宮廷画家、サーフェリーの動物画や動物の入った風景画。動物学関連の書物も蒐集していて、カロロス・クルシウスの外来物10書にはすでに絶滅したドードーという動物も載っている。自然物の細密画を得意とするヨーリス・フーフナーヘル(1542〜1600年)は、ルドルフ2世の要請で、昆虫図なども描いている。
ルーラント・サーフェリー 《2 頭の馬と馬丁たち》 1628年頃
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ルーラント・サーフェリー 《動物に音楽を奏でるオルフェウス》 1625年
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ヨーリス・フーフナーヘル 《人生の短さの寓意(花と昆虫のいる二連画)》(部分) 1591年
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先日、都美の見てきたが、ピーテル・ブリューゲルの次男、ヤン・ブリューゲルもプラハ城を訪れている。花のブリューゲルと呼ばれる彼の作品もここに展示されている。
ヤン・ブリューゲル(父) 《陶製の花瓶に生けられた小さな花束》 これは、ウィーン美術史美術館蔵。ルドルフ2世のあとの皇帝がまた都をウイーンに戻し、宝物も持って行ってしまった。ウィーン美術史美術館にその多くがある。
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ルドルフ2世に最も寵愛された画家、ジュゼッペ・アルチンボルド(1527~1593年)。本作は果実と季節の移ろいを司るローマ神、ウェルトゥムヌスとして皇帝を描いたという。《ウェルトゥムヌスとしての皇帝ルドルフ2世像》 1591年
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官能的な神話画を得意としたバルトロメウス・スプランガー(1546~1611年)もルドルフ2世の宮廷画家。本作は、女装するヘラクレスを描いている。ルドルフ2世の旧蔵であった可能性が高いという。
バルトロメウス・スプランガー《ヘラクレスとオムパレ》1595
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ディルク・ド・クワード・ファン・ラーフェステイン《ルドルフ2世の治世の寓意》1603年
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そして、エピローグは驚異の部屋。さまざまなコレクションが並ぶ。真鍮に鍍金、鋼の時計とか、瑪瑙、銀、月長石、アメジストの蓋付き杯、貝の杯等。
蓋付き杯 1600年代
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そして撮影可能な特別展示。映画監督、現代美術家のフィリップ・ハース。アルチンボルドの作品にインスパイアされファイバーグラスなどの素材で、野菜や果物、花などを本物そっくりに創作し、2次元の絵画作品を立体的に仕上げた4m~5mにも及ぶ巨大彫刻のアルチンボルドの《四季》シリーズは海外の美術館や植物園などで展示され大きな話題を集めています。
本展では、《四季》シリーズ模型4点(各高さ約1m)を特別に展示(サイトより)。
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とても面白い展覧会でした。
。。。。。
昨日、見たテレビでプラハ城が出てきたのでパチリ。ぼくも10年ほど前にお城を見物している。
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それでは、みなさん、今日も一日、お元気で!今日は小平選手の金メダル2号,GO!