Maria Callas Diary

着物・ドール・お料理・お家・家族など、日々のことを日記として書いています。

【訪問着の別誂え(フルオーダー)第3弾】《下絵編》

2013-06-03 23:14:36 | 着物
4月下旬の京都旅行で生地を決めて、下絵描きの作業に入って頂いていた別誂えの
訪問着ですが、仮絵羽に青花で下絵を描く作業が終わったとの事で、工房側から
写真が届きました


こちらが全体像です。選んだ生地は、それほど光沢のあるものではないと思って
いたのですが、こうして光が当ってみると、程よいツヤが出ていて美しいです。
裾模様は下前までしっかりと描かれ、肩~袖にもたっぷりと


裾模様は上前に正倉院保有の螺鈿紫檀五弦琵琶・法螺貝・鼓などとともに巻物や
桧扇が描かれています。後ろには鈴や琴などを。ヱ霞の合間から現れる枝は松・
梅・桜・楓で、流水に向かって枝を垂らしている様子が美しく描かれています


右肩~右袖後ろにかけては、裾模様と同じくヱ霞から現れる桜・松・梅の枝と、
横笛や笛袋、そして絵巻物が描かれています。裾模様や袖の部分の絵巻物には、
王朝を髣髴とさせる寝殿造りや透垣や小柴垣に、季節の花が描かれています


左肩~左袖の前側にかけては、こちらも裾模様と同じくヱ霞に松・梅・楓の枝、
そして笙の笛が描かれています

今回最後まで三味線を入れるかどうか悩みましたが、やはり「古楽器」で纏めた
ほうが綺麗におさまりそうでしたので、最終的には三味線を外して、そのほかの
楽器の位置を変更して頂きました。

楽器は全て雅楽に用いられるものばかりで、ほかはヱ霞や絵巻物や桧扇といった
王朝風なものを集めたので、平安王朝をテーマとした訪問着になりました

王朝風というテーマもさることながら、柄の多さ、仕上げの金彩から言っても、
これ以上ないほど豪華な着物になるそうです。限られた予算のなかでこれほどの
作業をしてくださる公庄工房様に、本当に感謝してもしきれません

作業に携わる一流の職人の皆様方が、持てる技術と誇りを込めて作ってくださる
世界にたった一つの着物。いったいどんな仕上がりになるのか楽しみです

次は糊置き、糊伏せの作業に入ります。