Maria Callas Diary

着物・ドール・お料理・お家・家族など、日々のことを日記として書いています。

【帯の別誂え(フルオーダー)第3弾・絽】《彩色見本編》

2013-07-26 23:50:04 | 着物
先日図案が確定し、地色も結局黒でとお願いしていた絽の染め名古屋帯ですが、
図案にPCで色づけをして頂いた彩色見本が届きました


この彩色見本も、実は2度ほどやり直して頂きました。虫籠の部分は変わらないの
ですが、添えの花や葉の色味でだいぶイメージが変わりますので、その色をどう
するかで悩んでいたのです

こちらは桔梗の葉を薄い利休系にしたもので、虫籠の中の芝草の色ともかぶって
しまうのですが、明るく京友禅らしい華やかな色使いです


桔梗の葉の色を、青磁系の鼠っぽい色に変更した見本も送って頂いていました。
こちらのほうが単衣らしく涼しげで、添えの花と虫籠の中の芝草の色でメリハリ
が付いて素敵なのですが、今回は単純に私の色の好みを優先し、もう1つの見本を
選ばせて頂きました。

絽の帯のためあまり暑苦しい色味は使いたくないので、虫籠は白竹の色にして、
飾り紐は少しくすんだ落ち着いた赤に。桔梗の花の藤色は単衣小紋の地色に近い
赤みのある色合いで、葉は薄い利休系。萩の花は落ち着いた赤にして、葉は鼠の
利休に。虫籠の中の芝草は、少し明るめの利休と青みの利休を

色数を抑えることでうるさくならず、桔梗の花の藤色と葉の利休で、単衣小紋の
地色や柄とも馴染みやすくしました


小紋の彩色見本と帯の彩色見本を重ねてみたのですが、さすが一緒に誂えるだけ
あって、とても良く合っていますね

この組み合わせは9月に着て、秋らしく鈴虫の音を思い起こさせるような着こなし
をしたいと思っているので、来年の秋までお預けです。その頃には娘も1歳近くに
なっているので、着物でお稽古に復活している予定ですが…早く着たいな~


イタリア料理教室《シチリア料理編・7月》

2013-07-25 23:49:27 | イタリア料理
先週に引き続き、今週もイタリア料理教室へ行ってきました。隔週のつもりが、
どのコースもとても楽しそうなので、今は月に3回通っています。産休に入ったら
毎週通えると思うと嬉しくてたまりません


今日はシチリア料理のコースを受講します。手打ちパスタのコース以外は基本的
には乾燥パスタを使うのですが、今回のパスタは日本で手に入らないものなのだ
ということで、今日も手打ちパスタに挑戦できるそうです。嬉しいな~


今日も、まずは手打ちパスタの生地作りからスタートします。今日のパスタ
「Busiate con pesto trapanese」。ブジアーテはシチリア特有のパスタ。日本では
手に入らないそうです。今までの手打ちパスタでは強力粉を使っていましたが、今回はセモリナ粉100%で、卵を入れずに作ります。


ボウルにセモリナ粉・水・オリーブオイル・塩を入れて混ぜます。ひと纏まりに
なったらボウルから取り出して、まな板の上でしっかりと捏ねていきます。卵が
入っていないのですが、粉の性質なのかとてもまとまりが良く、すぐにモチモチ
した手触りに変わってくれるので、捏ね時間も少なくて扱いやすい生地でした
しっかり捏ねたら丸めてラップでくるんで、1時間ほど冷蔵庫で寝かせます。

次はメインに使うものの準備です。今日のメインは「Beccafico」。シチリア料理
のひとつですが、そもそもベッカフィーコとは鳥の名前なのだそうです。料理の
仕上がりの見た目がその鳥に似ているということで名前が付けられたとか


今日のベッカフィーコは鰯を使うのですが、その鰯の中に入れる詰めものを準備
していきます。細かめのパン粉を多めのオリーブオイルで炒って、色が変わって
きたら火を止め、余熱でレーズン・松の実・オレンジの皮・パセリを炒ります。
これが完全に冷めたら、削ったパルミジャーノを加えて詰めものの出来上がり

次は前菜の「Gnocchi di calamari」の準備に取り掛かります。ニョッキといえば
ジャガイモと小麦粉を混ぜて作ったお団子状のものですが、今日はイカのすり身
を使ってお団子にして、ジャガイモのソースに浮かべます。ニョッキじゃないの
では?というのは正しい指摘ですが、ジャガイモをソース側に使うという逆転の
発想がちょっとシャレの効いているお料理です

こちらはシチリア料理というわけではなくて、先生が働いていらしたシチリアの
レストランの人気メニューだったお料理だそうです。温かくても冷たくても食べ
られるので、夏なら冷製で食べると良さそうですね


ソースは玉葱とジャガイモをオリーブオイルで炒め、塩コショウをしてから水を
加えて15分ほど煮込んでおきます。


煮込んでいる間にニョッキを作ります。一口大にしたスルメイカとレモンの皮を
ミキサーにかけて、しっかりとすり身になったら絞り袋にいれておきます。この
あとはすぐに出来上がってしまうので、残りの作業は食べる直前に行うことに



次はメインの鰯を仕上げていきます。頭と内臓を処理した鰯を手開きして骨を
取り、鰯の上に詰めものを乗せて塩コショウをします。


詰めものを巻き込むように鰯を頭側から巻き、尻尾が上にピンと立つようにして
耐熱皿に載せます。鰯と鰯の間にはオレンジとローリエを挟んで香りが移るよう
にして、最後に詰め物を上からパラパラと振りかけたら、食べる直前に15分ほど
オーブンで焼けば完成です


ここでちょうど1時間ほど経ったので、パスタを形成する作業に入ります。手前側
から見ると分かりやすいのですが、まず塊の状態から少し切り離して、手で棒状
に伸ばします。それをさらに伸ばしてから打ち粉をし、長めの竹串に巻いていき
ます。巻き終わったら竹串ごと手のひらでコロコロ転がして伸ばします。


そして竹串を外すと、このように平たいらせん状のパスタが出来上がるのです。
これがブジアーテ。マシーンを使わず一本一本手作業で作るので、とても手間の
かかるパスタです。一人分でこれを20本程度。気が遠くなる作業です…



手打ちパスタの形成が終わったら、パスタのソース作りに入ります。皮を剥いた
アーモンド・湯剥きしてタネを取ったトマト・バジル・塩・オリーブオイルを
容器に入れて、ミキサーにかけるだけの簡単ソース。これをパスタに絡めます。



先ほど絞り袋に入れておいたイカのニョッキを濡らしたラップの上に絞り出し、
オリーブオイルをしいたフライパンでコロコロと転がしながら焼いていきます。
こうして転がすことで角が取れて丸いお団子状になるのだそうです。半生の状態
くらいで火を止めるのがベスト


先ほど煮込んでおいたニョッキのソース用のジャガイモと玉葱を、ブレンダーで
ペースト状にし、そこに生クリームとディルを加えます。これでソースが完成。
ソースと言っていますがほとんどスープに近いサラサラ具合です。ここに焼いた
イカのニョッキを入れてオリーブオイルをかけたら前菜は完成


先ほど作ったパスタソースをフライパンで温め、そこに3分間茹でたブジアーテを
入れて絡めていけばパスタも完成です。

オーブンに入れていたメインがちょうど焼きあがったところで、試食タイムへ


前菜のスルメイカのニョッキじゃがいものスープ仕立て。ジャガイモのスープの
優しい味に、ふんわりしたやわらかなニョッキがよく合って、ニョッキに入れた
レモンの香りがイカの臭みを消してくれるので、とても爽やかな一品です


パスタはブジアーテペーストトラパネーゼ。作るのにとっても苦労した手打ちの
パスタですが、苦労しただけあって、ふんわりモチモチの食感で、アーモンドを
効かせたソースにぴったりの、とっても美味しいものでした

このパスタにはこのソースがお決まりなのだそう。トラーパニというシチリアに
ある町の名物料理だとか


メインは鰯のベッカフィーコ。確かにこうして見ると鳥の形に見えなくもない
鰯の臭みをオレンジが消してくれて、中に詰めたレーズンの甘みがとっても引き
立つ、シチリアらしい一品です。皮だけはでなく、オレンジ本体を中に詰めても
美味しそうですね


食後には今日もグラニータを頂きつつ、先生とおしゃべりをしました。8月からは
もう一つ通うコースを増やして、月に4回通うつもりでいます。出産後はしばらく
来られませんが、毎月のメニューを勉強できないのは残念なので、時間があれば
夫に代理で通ってもらおうかなぁとも考えています。土曜日にもレッスンがある
ので、なんとか通ってもらえたら良いのですが…


今日のメニューも全てお持ち帰りさせて頂いて、帰宅した夫に晩酌がてら試食を
してもらいました。案の定イカのニョッキは食べてくれたものの、自宅では作り
たくないということで、作るときにはイカを海老に変える方向で考えています

手打ちパスタはとても喜んでいたので、また明日の夜に黙々と一人で作業をして
下準備しておこうと思います(苦笑)


元上司とランチ@「ヴェンタリオ」 / 30週健診に行って来ました

2013-07-24 23:44:41 | レストラン
今日は産休前最後の元上司とのランチでした。出産したらしばらくはお会いでき
ないので、いつもと違うお店に行こうということになり、レストランを予約して
頂いていました


今日は今までにも何度か来ている、マンダリンオリエンタル東京内のイタリアン
「VENTAGLIO」へ。ビュッフェスタイルでゆっくりとランチができるので、気に
入っているお店です


吹き抜けの明るい店内は一面を覆う窓から入る光がとても気持ちよく、明るくて
開放的な雰囲気です。マンダリンはアジアンテイストを前面に出しているので、
店内には涼しげな竹が植えられています


こちらは前菜とデザートがビュッフェスタイルになっていて、パスタとメインと
食後の飲み物は数種類から選んでテーブルに運んでもらうシステムです。今日は
メインのない軽めのコースでお願いしました。



ビュッフェはとっても種類が豊富でいつも迷ってしまうのですが、色々なものを
食べたいので、少量ずつ多種類を取ってみました。全種類食べてみようと思うと
一皿では済まず、もう一度取りに行ってしまいました

一皿目はバーニャカウダと野菜チップ、二皿目にはサーモンのマリネや生ハム、
カプレーゼやじゃが芋のサラダ、お魚やお肉料理などにグリッシーニもつけて。
妊娠してからは生ハム禁止令が出ていたのですが、夫がいないのをいいことに、
今日はこっそり2枚食べてしまいました。内緒ナイショ…


パスタは3種類から選べて他にペペロンチーノとトマトソースもあったのですが、
私はさっぱりしたサルシッチャとセロリのリガトーニを選びました。テーブルで
削りたてのチーズや黒コショウをお好みでかけてくれます



デザートも種類豊富で二皿に分けて楽しみました。一皿目はレアチーズケーキや
ティラミス、シュークリームにマチェドニア、クッキーなど。二皿目は夏らしく
マスカルポーネとピスタチオのジェラート、ババ、フルーツ、シュークリーム


たくさんのデザートを食べながら、食後はカモミールティーをお願いしました。
いつもの倍くらい食べてしまったので、お腹がタプタプに…

元上司とは久しぶりのランチだったので色々なお話をして、とても楽しい時間を
過ごしました。また大きくなったお腹を見てびっくりしていましたが、「もしも
まだ一緒に働いてたら毎週マタニティグッズを貢いでたかも」と言ってくださる
ほど、私の出産を楽しみにしてくれているようです

私は産休に入ったら、週に1回平日に都内のホテルのアフタヌーンティーめぐりを
しようと考えているのですが、元上司もちょうど夏休みを取る頃なのだそうで、
一緒に行ってくれることになりました。とっても楽しみです

ランチのあとは、午後からお休みをもらって、病院へ健診に行って来ました。
今日も夫は一緒に健診に来てくれましたが、お仕事が忙しいようで、このあとに
会社へ戻るそうです。忙しい中時間を作ってくれて、本当にありがとう

今日で30週目に入りました。ここを過ぎると万が一早産で生まれてしまっても、
後遺症の心配がガクンと減る時期なのだそうです。予定日までは、あと10週間。
出来る限りギリギリまでお腹の中でがんばって欲しいですね


今日はエコーのほかに血液検査がありました。エコーでは赤ちゃんの体重は推定
約1500gと、生まれる頃の半分くらいにまで成長していました。大きさも標準で
他に何も問題はなくて、私自身も体重管理も含めて順調だそうです。

自分では特に何か気をつけているわけではないのですが、親孝行な赤ちゃん
自分自身の体質のおかげで、不安のないマタニティーライフを過ごせています。
とてもありがたいことですね

次回は旅行の前に検診があるので、そこで問題がなければ安心して出産前最後の
旅行を楽しめそうです


【小紋の別誂え(フルオーダー)第4弾・単衣】《生地選び編》

2013-07-23 23:40:06 | 着物
先日ようやく彩色見本まで決まった単衣の御所解柄の小紋ですが、染めの作業に
入るべく、生地を決める段階となりました

単衣の生地選びはとても難しく、よくある楊柳のような生地でも良いのですが、
それだとあまりにも「単衣」っぽくて別誂えとしては面白くないかなと思い、
工房の方にいくつか単衣向きの生地をご紹介頂きました



まず、こちらは単衣用に作られた両面織りの生地で、表は唐蔓、裏は葦という、
とても面白いものです。裏表どちらも使えるリバーシブルなので、好きなほうの
柄を出せるのが良いですね。基本的に変わり古代縮緬ですが、楊柳に近いような
手触りだそうです


地紋を思いっきり楽しむとしたらこちらの小花だそうです。工房の方からは一番
私らしい生地とおっしゃって頂いたのですが、色無地などでしたらとても素敵な
仕上がりになりそうですが、少し照りが強いのと柄が細かいので、単衣には向か
ないかな~と思います


そしてこちらは、表が牡丹唐草、裏が紗綾形地紋になっている両面織りの生地。
単衣向きのものの中では、工房でも大人気の生地だそうですよ。地紋が控えめで
あまり目立たず、それほど艶が強くないので、華やかでもすっきりとした印象

悩んで工房の方ともご相談した結果、最終的に私が決めた生地は三番目の唐織の
牡丹唐草。一番目の唐蔓に葦とも迷ったのですが、どちらかというと私らしいの
は牡丹唐草のほうかな~と。地紋もうるさすぎないので、今回の単衣の図案や
彩色の持つ上品な雰囲気を壊さずに済みそうです

地紋のない濱縮緬のとーっても良い生地もご紹介頂いたのですが、生地代が他の
生地と比べて5割近く高いので、今回は断念しました。最高級のとっても良い生地
なのですが、着用機会の少ない単衣には少しもったいないので…

こちらの工房では美しい地紋の白生地をたくさん取り揃えていらっしゃるので、
いつか色無地をお願いしようかな~とも考えています。地紋の綺麗な生地を淡い
色合いの色無地にして、八掛にポイントで柄を入れて頂くのもおしゃれですね

作りたい着物はまだまだたくさんありますが、公庄公房様には訪問着や付け下げ
などの礼装を、こちらの工房には色無地や小紋などのおでかけ着をお願いして、
毎年少しずつ増やしていこうと思います

幸い私の着物を引き継いでくれる(はずの)娘も生まれますので、心置きなく
着物を増やすことができそうです(笑)

こちらの小紋は、これで糊置き・地色染め・友禅・金彩の作業に入りますので、
次回は地色が染め上がり友禅の作業に入ったところで画像が届く予定です


【訪問着の別誂え(フルオーダー)第3弾】《地色染め編》

2013-07-22 23:49:44 | 着物
糊伏せが終わって、大事な地色を染める作業に入って頂いていた若草色の訪問着
ですが、地色が染め上がったということで公庄工房様からお写真が届きました


(地色がかなり渋く写っています)

こちらは、前回糊伏せの画像で送って頂いたのと同じで、右袖の後ろ部分です。
接写をしているのでかなり地色が暗~く渋く写っていますが、実物は先日仕立て
上がってきた若草色の小紋と同じような綺麗な色のはずです

柄全体を覆っていた糊が落とされて、糸目糊で縁取られた柄がはっきりと見える
ようになりました。こうしてみると、本当にたくさんの柄が繊細に描き出されて
いるのが良くわかりますね


こちらは上前の部分。正倉院保有の「螺鈿紫檀五弦琵琶」をメインにし、龍笛、
鼓、法螺貝、絵巻物、桧扇など、華やかな古楽器や王朝風小物が描かれていて、
ヱ霞の合間から現れる梅・松・桜・楓が流水に向かって垂れ下がる様子が美しく
表現されています

ヱ霞の部分は全て金彩で表現して頂くそうで、淡く綺麗な地色ともあいまって、
とても上品な着物に仕上がりそうです。毎回凝った金彩加工をして下さるので、
どんな加工になるのかワクワクします

これから夏いっぱいかけて友禅・金彩・刺繍の作業に入って頂いて、秋の気配を
感じるころには仕立てあがって手元に届きます

こちらの訪問着は、11月に予定しているお宮参りに着る予定です。琵琶をメイン
とした古楽器柄の訪問着ですが、琵琶といえば弁天様の持ち物であり、弁天様の
お使いといえば蛇ですので、巳年生まれの娘のお宮参りにはぴったりですね

すでに友禅の作業に入っているようですので、次回は友禅の作業中のお写真
送ってくださるそうです。どんな色使いになるのか、とても楽しみです