
このバギーに積まれているエンジン、
私が前に作った中華110ccの3速バックギア付きで、
納めたのは良いんだけどエンジンの始動に問題があって、
セルでエンジンが普通にかかる時もあればかからなくなる時もあり、
かからない時はセルをいくら回してもダメで今まで何回も診たんだけどもう原因不明。
挙句の果てにはエンジンをまた全バラして確認も覚悟していたんだけど、
お客さんの一言で原因が分かった。
どうやら押しかけだと普通に始動はするんだけどセルだとダメみたいで、
つまり押しかけの場合は直接ミッションからクランクを回転させているんだけど、
セルだとモーターはジェネレーターのローターを回転させているって事で、
でもこのエンジンって単純だからローターの間にはワンウェイクラッチしかない。

写真は誰かのブログから無断で借りてきた…
予想だとワンウェイクラッチが滑っていたみたいで洗ってみたらクラッチの中から鉄粉がわんさか出てきて、
これはもうクラッチからの力を伝える受けの方も減ってるんでないかって事で、
両方を部品取りから拝借して組み直してこの間納めた。
したら今日お客さんから電話がかかってきて、
まだ直ってなかったか心配したら全くその逆。
あれだけ始動性が悪かったのに今は一発だから感動してわざわざ電話くれたみたいだった。
で、肝心な原因なんだけどセルのワンウェイクラッチが滑る原因はズバリ、上がりかけたバッテリーで長々とセルを回したから。
KLX250やDトラッカー、スーパーシェルパなんかもそうだけど、
酷いのになるとクラッチが繋がらずにセルだけ回転する虚しい事になる。
このエンジンは中古からオーバーホールしたんだけど、
ワンウェイクラッチは全く痛んでないように見えたんだが、
実はクラッチの受けの方が減っていたからたまに繋がったり繋がらなかったりしてたみたいだね。
まぁ今回は見た目は変わらず分からなかったが勉強になったから、
セルでな始動不良の場合などはセルのワンウェイクラッチを疑ってみても良いかもね。
でもクラッチのローラーは3ヶ所しか無いから、
出来れば容量を増やせないもんかねぇ。