期待していたのですが、残念ながら凡作でした。
前半は退屈、中盤の裁判シーンは迫力がありましたが、残りは興ざめでした。
ストーリーは単純です。クルド系トルコ人ヌーリー父子が、爆弾テロで死にます。
彼は、クルド系なのですがイスラム教徒のようです。薬物の取引で服役後、カティアと結婚します。
警察は、ヌーリーが犯罪がらみの仕事のトラブルの事件だったと思っていますが、
彼女はネオナチの仕業だと訴えます。
私は、ドイツの法律は知らないのですが、検察よりヌーリーの弁護人が訴追の表舞台に立っています。
私が驚いたのは、容疑者を警察に通報したのは、容疑者の父親と言うことでした。
彼は、息子のネオナチの思想・立場は認めることができないし、これを放置すれば彼らは犯罪を繰り返す
と言います。判決は、証拠不十分で容疑者は無罪となります。
さて、ここから第三部、彼女が私的復讐・報復に出ます。
ここまで来るとストーリーも何もあったものではありません。メル・ギブソンやブールス・ウイルスの
映画のような単純な復讐劇、ナンテコッタです。スーパーアクションではないですが…。
さて、邦題の「決断」。
彼女は、一度目は遠隔操作で容疑者を爆破する計画でしたが、なぜか思いとどまり、
二度目は容疑者もろとも自爆します。
海岸のキャンピングカー内の彼らだけを殺害する自爆ですので、市民を巻き込む
いわゆる自爆テロとは異なる、と言うのでしょう。
この映画は、移民やネオナチ問題を扱っているようですが、それはもう全く関係無い、
副々の題材でしかなく、単なる復讐サスペンスだけでした。
彼女は体のあちこちに入れ墨をしているのですが、一番新しいのが「侍」でした。
サムライスピリッツとは、「潔い死」、「特攻」と言わんばかりです。
冒頭写真にあるように、彼女はまさに「暗殺者」の出で立ちです。
オイオイ、やっぱりカンヌか、です。
見終わって、何ともとても後味が悪かったです。 【10月15日】