まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

留萌本線・増毛~北海道旅行記・5

2006年09月03日 | 旅行記A・北海道

北海道旅行2日目。滝川から鈍行列車で深川に向かう。深川からは留萌本線に乗り継ぐのだが、1時間程度待ち時間がある。この時間に昼食としよう。駅前を歩き、「深川ラーメン」という名のラーメン屋を発見。親父が一人でやっている昔ながらのラーメン屋のようで、なぜか店頭には駄菓子も置いている。暑いのだが、ここで味噌ラーメンとカレーライスという、余計暑くなりそうな昼食。店づくりと同じく、味も昔ながらで美味かった。

P1010783 さて、留萌本線の列車はキハ54の単行。室内は昔の新幹線のシートを利用した、転換クロスシート。その窓を全開にして、進路を西に向ける。広々とした水田の中を行く。

P1010785 かつて札沼線の終点であった石狩沼田を過ぎると、峠越え。途中、恵比島に着く「明日萌駅」という駅名標が掲げられている。NHKの朝ドラ「すずらん」の舞台とかロケ地とかいう。この線にはSL「すずらん」号というのも運転される。

P1010787 留萌で半数の客を降ろし、終点増毛に向かう。ここからは一転して、日本海に出る。実に穏やかな夏の海。海水浴場で遊ぶ人たちも遠目に見ることができる。窓を全開にして、潮風をいっぱいに受ける。まあ、客が少ないからできることでもあるが、今となっては数少ない芸当である。

「れうけ」「あふん」「のぶしゃ」「しゃぐま」「しゅもんべつ」など、北海道らしい響きを持つ駅名が続き、トライアスロンの試合が行われていた漁港を過ぎると、終点・増毛である。

P1010789 増毛駅。インターネットで「増毛」を検索すると、この駅(町)の情報と、アデランス関係の情報が半々で登場するのだが、ここは「ましけ」である。かつては引込み線などもあったのだろうが、今はホーム1本きりで、中途半端な空き地になっている。

P1010793 この増毛、最近は古い風情を残す港町ということで人気があるようで、観光客とおぼしき人の姿が多い。記念に駅舎の写真を撮る人もいる。「風待食堂」の看板がかかる観光案内所から徒歩圏内に、昔ながらの建物がいろいろと見られる。その一軒に「旧商家丸一本間家」がある。本間泰蔵という人が、ニシン漁で栄えた増毛に構えた呉服問屋で、その勢いは旧天塩国随一だったとか。客間、中庭、なかなかに豪勢である。

P1010799 続いては、「最北の酒蔵」として知られる国稀酒造へ。ここの人気たるや、観光バスが次々と乗りつけて団体客が見学に訪れたりするくらいの賑わい。実はここも先の本間泰蔵によるもので、彼は呉服業だけでなく、酒蔵、海運、漁業など、事業を手広く手がけていたようだ。これに「増毛業」が加われば完全なのだが・・(何が?)。

増毛には暑寒別連邦を控え、そこから湧き出る水が酒造りに適していたようだ。酒蔵の脇にはこの湧き水が飲め、また酒蔵では酒の試飲もできる。なかなかにスッキリした味だ。やはり水のよいところには、よい酒が生まれるものだ。

もっと港のほうを歩くとか、じっくり試飲するとかの時間があればよかったのだが、残念ながら増毛での滞在は1時間。当初の計画ならば1本前の列車で来て、3時間近くの滞在となったのだが、先の記事で書いたとおり新十津川を歩いた分、増毛の滞在が少なかった。いや、思っていた以上に、増毛の面白さがたくさんあったということだろうか。今日は留萌本線で折り返すが、また次に来るときには時間を取りたいし、今度は日本海沿いに走るバスを使うという手もある。

今回の旅行、夕張、新十津川、増毛・・・3つの終着駅をめぐることができた。それぞれの終着駅やその先の町に表情があり、炭鉱、開拓、北前船(海運)と、北海道の歴史を感じさせてくれるスポットばかりであった。

さて、そんな歴史めぐりの後は、現在の北海道の中心である札幌にまた戻る。さて今日は何が出るかな・・・・。(続く)

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