まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

紀伊由良・白崎海岸

2012年05月13日 | 旅行記E・関西

また海を見たいと思う。先日は初夏を思わせる日本海だったので、今度は瀬戸内海か太平洋を、という気持ちがあった。その中でクルマのリハビリを兼ねて向かったのは阪和道。このまま和歌山へ南下し、さらに海南湯浅御坊道路を広川インターで下車し、到着したのは白崎海岸。

この海岸は、有田でみかん栽培を行っている大学の同級生・Ⅰ君宅を同級生連中で訪ねた時に案内してもらったことがある。その時の独特の景色と海の美しさを覚えており、何だかまた来たくなった。公共交通機関だとかなりアクセスが悪いので、クルマ利用ということになる。

Dscn4393自宅からはちょうど2時間で到着。北西からの風が強く、涼しいどころか寒さすら感じる。それでも、白い岩に打ち寄せる波の美しさは前回同様である。ここはダイビングのスポットとしても有名なところで、海に入るための階段も設けられている。

Dscn4396潜りか・・・・いろいろ珍しい海の魚に出会ったり、自然に触れる醍醐味というのがあって面白いものだろう。マリンスポーツを楽しむといえば、何だかイケてるなという気がするし。ただ泳ぎに自信がなかったり、眼鏡を外さなければならないということで海に潜ったところで視界が効かないとなれば、私にはない世界なのかな、と思う。

Dscn4395だから海岸べりを下を向いて歩くのだろうが、風の影響、潮の流れでいろんなものが打ちあがっている。中でも、漢字で書かれたこのペットボトル。これを見てふと思ったのが、柳田國男の『海上の道』で、伊良湖岬の浜辺に打ち上げられた椰子の実を見て、民族学的視点から海上の道のスケールの大きさに感動し、友人の島崎藤村にその話をしたところ、藤村はそれにインスピレーションを受けて、あの『椰子の実』という、異国にて故郷に思いをはせるという内容の見事な詞を書き上げた・・・というエピソード。

Dscn4397私自身、日本海ならハングルや漢字で書かれたものの漂着をちょくちょく見たことがあるが、太平洋側で漢字のペットボトルを見たことはなかったように思う。中国上海からのペットボトルに『椰子の実』のような情緒は感じられないものの、大陸とのつながりという点では面白い。まあ、東日本大震災の津波で流されたボールやバイクが遥か彼方のアラスカやカナダに漂着するというニュースもある。海流というのは地球全体で見れば何年がかりで循環しているのだろうか。そういうことに思いをはせるのも面白い。

Dscn4404海岸の名前である白崎、はるか万葉の時代から読まれた景勝地であり、現在は夕陽百選の一つとしてカップルにも知られたスポットである。一方でダイビングやキャンプのスポットを見るに、そのエリアを奇岩がぐるりと囲む形になっており、なかなかワイルドである。アクションものとか戦隊もののロケとかで使えそうかな。岩の成分は石灰岩というが、どれだけの年月を経て独特な形が出来上がったのか。

前回は上がらなかった展望台に上がる。南には日の岬、いくつもの漁船が浮かぶ紀伊水道の向こう側は薄っすらとではあるが四国も見える。地図で見れば阿南市というから、かなり南のほうではある。すぐに渡れそうに思うが、普段からも風が強く、また台風の通り道でもある。その航海が結構難渋をしたというのは「土佐日記」の頃からも変わらないのだろう。

Dscn4402Dscn4407海を見て気持ちも癒されたところで、次の目的地に向けて走ることにする・・・。

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