場所前は史上初の6大関ということで話題になったのが、こういう幕切れになるとはね・・・。
夏場所の千秋楽は旭天鵬が栃煌山を優勝決定戦で下し、入門20年にして初優勝。モンゴル出身力士の草分け的存在で、これまでにも数々苦労があったこととは思うが、それがこういう形で結ばれるとはね。相撲ファンも「この力士が優勝するのなら」という暖かいコメント、声援が多かったのが微笑ましく感じた。
それにしても情けないのは大関陣である。場所前、お互いが切磋琢磨して「大関同士の争いで生き残って初めて白鵬への挑戦権が得られる」などと言われていたのだが、それが結局は星のつぶし合い。それがレベルの高い中での星のつぶし合いならまだしも、結局2ケタ勝ったのは稀勢の里だけ。これも独走優勝争いが結局逆転負けだから。今場所はたまたま白鵬が序盤から崩れたが、そこにつけ込むことができなかったのは何をやっとんねんという話。新大関の鶴竜も結局見せ場がなかったし、琴欧洲が千秋楽の栃煌山との取組を前にして休場したというのも何だかマユツバものである。
番付はその年のランキングとは違うので何とも言えないが、大関という制度も、それができた江戸、明治時代のようにはいかなくなっているのも時代の流れなのかなとすら感じてしまう。来場所こそは、大関の意地というか、優勝争いの先頭に立つくらいの勢いと気迫を見せてほしいものである・・・・。