まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

関西私鉄「サイコロしりとり」の旅2013秋・5-1

2013年12月13日 | 鉄道企画もの

この企画も通算11日目に突入。「スルッとKANSAI3day」チケットの有効期間を考えると、年内はこの日と、あともう1日挑戦することになる。

これまでは藤井寺から早い時間の電車でいったん大阪阿部野橋に出て、そこから各地に出て行ったのだが、今回は初めて、逆方向、古市方面の電車で出発する。目指すのは近鉄長野線の喜志。藤井寺からは4つ目の駅である。藤井寺から古市方面の土曜休日ダイヤの始発は5時50分と遅く、古市行きではあるがそのまま列車番号が変わって河内長野まで直通する。この時間だが、前日大阪市内で夜を明かしたとおぼしき人たちがぐったりとした様子でシートに腰かけている。

Dscn3796喜志に到着。降り立ったのはおそらく初めてではないかと思う。まだ夜も明けず、冷え込みも厳しい。そろそろ冬の訪れを実感する。

Dscn3797本来なら駅前散策ということになるが、駅前の地図を見ても太子町や河南町といった、ここからバスでアクセスするところが目立つ。少し歩くと野球で有名なPL学園もあるのだが、何だか寒さのために、そこまで行かなくてもいいかということに。せっかく早い時間で1駅目の訪問をしたことだし、この日はなるべく駅数を稼ぐようにしようか。

・・・ということで、駅前のロータリーにてサイコロである。喜志の「し」で始まるのは、

1.十条(近鉄京都線)・・・京都市街の南の端。

2.十三(阪急京都線)・・・朝から十三の濃いところで「飲み」モード?

3.夙川(阪急神戸線)・・・こちらでちょっとセレブモード?

4.俊徳道(近鉄大阪線)・・・布施の次の駅、JR接続。

5.正雀(阪急京都線)・・・車庫のあるところ。

6.庄内(阪急宝塚線)・・・昔の雰囲気を残す商店街がある。

実質これが本日最初の移動ということだが、阪急の出目が多い。そんな中で出たのが・・・「4」の俊徳道。

喜志から大阪阿部野橋行きの準急に乗る。古市からは朝の時間帯に停車する特急への乗り換えができるが、その区間で特急料金を払うのは惜しいなと、そのまま乗車する。平日だと、着席保証のホームライナー的な感じで利用する人も結構あるようだ。

Dscn3799天王寺から谷町九丁目を経て、近鉄大阪線の地上ホームに出る。ここから各駅停車で鶴橋、今里、布施と来て次が俊徳道である。城東貨物線を利用したJRおおさか東線と交差しており、同線が旅客営業を行うようになってJR駅ができたところ。

俊徳道という名前を聞くと、何だか歴史の響きを感じる。ここはその名も「俊徳街道」という、玉造、四天王寺から斑鳩の竜田までを結ぶ街道が通っていたという。一部は国道25号線とも重なっているということか。

Dscn3798調べたところでは「俊徳丸伝説」というのがあるそうだ。八尾の高安の長者の息子に俊徳丸というのがいたが、継母により失明させられ、やがて家を追われ、四天王寺で物乞いのような生活を送っていた。そこで、かつて恋仲であった乙姫に見つけ出され、四天王寺に祈願したところ、その功徳で病が癒え、乙姫の家を継いで裕福な生活を送った。一方で継母の家は家運が衰退し、やがては継母が物乞いの生活を送ったという、因果応報の伝説である。

なるほど、中世的なお話があるものだなと思ったが、ここでもう一つ出てくるのが「身毒丸」という、折口信夫の小説であり、その後寺山修司の脚本で現代劇としても上演される作品。確かに、「しゅんとくまる」と「しんとくまる」、こちらは中世の説話に比べてもシリアスな、悲劇的な要素が加わっている。(「身毒丸」の舞台作品を紹介した公式サイトがあったのでのぞいてみたが、全部英文だったため読解は断念・・・)

残念ながら駅の周辺でその伝説にちなんだスポットは見つからなかったが、身毒丸が出てくるとは意外な展開やなと驚き、次の駅を選ぶサイコロである。俊徳道の「ち」で始まるのは・・・

と、ここで駅名リストを見ると、サイコロの必要はなかった。これまで「ち」で始まる駅はほとんど出ており、残っているのは、

1~6.千代田(南海高野線)・・・高野線の車庫があったな。

だけであった。こうなれば自動的な移動で、今度は大阪線の各駅停車で鶴橋まで出て、奈良線からの快速急行に乗り換え。日本橋で堺筋線に乗り換えて天下茶屋、そこから区間準急で南下するという、慌ただしい乗り換えの連続で向かった・・・・。

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