14日の夜、高山線を縦断して富山に至る。この日はここで宿泊である。
北陸の中で富山というところは交通の要衝ということもあり、また野球のBCリーグ観戦絡みもあり、最も多く宿泊しているところである。もっともその時々で泊まるホテルはバラバラで、ごく普通のビジネスホテルもあれば大浴場を備えたところ、またクルマで少し行ったところのスーパー銭湯(ちゃんとした温泉が出る)に送迎してもらったところなど、いろいろある。
今回は駅に近いリラックスイン富山というところに泊まる。温泉大浴場があるわけでもなし、また部屋もドアを開けるとすぐ足下までベッドが来ていたりと狭かったりするのだが、一番の特徴が、バスとトイレがそれぞれセパレートされて設置されているところである。トイレ、洗面台を通ってバスに行くのだが、バスは洗い場のスペースも確保されているし、入浴剤のサービスもあって浴槽に身体を沈めることができる。湯がこぼれてもバスが独立しているので水浸しになることもない。
さて富山の夜、旅先ということもあり何か美味い物を・・・ということで、何度か来ている駅前の「五條」という店に向かう。ただ時期と時間帯が悪かった。あいにくと満席である。時間は18時半を回ったところで、ちょうど夜の賑わいを見せようかという時間帯である。ましてや盆の期間中ということで、観光客もいれば地元の人たちも出てくる時期である。すぐ近くにもう一軒心当たりがあるのだが、そんな賑わいをよそに「盆休み」の貼り紙がある。魚市場が盆休みなのだろうか。
せっかく来たのに名物を味わえないとは・・・と思う中で、先の「五條」と同じ並びに一軒の新しい感じの店を見つける。扉越しに中をのぞいてみるとカウンターに1席だけ空きがあるようだ。そのまま中に入ると無事に着席することができた。店の情報によるとカウンターは7席、後はテーブルが4人掛けと6人掛けが1台ずつ。2階には宴会用の座敷があるようだ。後から何組も扉を開けて「空いてます?」と訊いては「ダメかあ」と去っていく。
ここは「うお清(うおきよ)」という名前で、2013年に開業したばかりという。カウンターやテーブルの木々もまだ新しい感じがする。カウンター内側の、それほど広いとは言えないスペースで包丁を握っているのが大将だろう。
せっかく来たのだからと、自慢の刺身盛り合わせ、珍味盛り合わせ(ホタルイカの沖漬や黒造りが出た)、白海老のから揚げなどを注文する。いずれも美味しくいただき、さすが「キトキト魚」の富山だなと改めて感心する。
ただ一つ注文があるとすると・・・料理の出るスピードとタイミングだろうか。注文が立て込む時間帯というのはあるにしても、もう少し何とかできるのではないかとも思う。たまたまタイミング良く席にありつき、最初のビールだけ注文したものの何も出てこないのに腹を立てて帰ってしまった客もいた。かくいう私も一品頼んでいたものがあったのだが、やけに遅いなと見るに案の定注文が通っていなくてキャンセルした。やはり来た時期が悪かったなと納得するしかない。
店を出た時は結構な時間になっており、この時間からなら「五條」も空きが出たのだろうがもういいかということでホテルに戻る。大阪での連日の熱帯夜が嘘のような涼しい夜の駅前を歩く。せっかくなので湯船に湯を張り入浴剤を入れる。パソコンで初日の行程を書きかける。翌日も早い・・・。(写真は、新幹線の車両をあしらった天然水のペットボトル)