富山を早朝に出発して、直江津乗り換えで越後湯沢に着いたのは9時37分。今回の旅、そもそもは東海道を東進して、静岡から甲府へ上がり、諏訪湖まで回って大阪に戻るプランだった。それが実行する時には高山線から富山に出て、さらには越後湯沢まで来るということになるのだからわからない。
越後湯沢まで来たのはやはり「ぽんしゅ館」の存在である。旅の間だけは大いにやることにして、こちらの施設を午前中に持って来ることにした。東京在住時代から何度も訪れているところである。
玄関にこういうオブジェがある。これが訪れる人の笑いを誘う。その奥にあるのが「利き酒越乃室」というところで、新潟の上越、中越、下越、魚沼、佐渡の5地方にある酒蔵93ヶ所の自慢の一品を味わうことができる。受付でコイン5枚を購入し、飲みたい銘柄の注ぎ口におちょこを置き、コイン1枚を入れてボタンを押すと出てくる。
ただ、よほど新潟の地酒に詳しい人でなければ「どれを選んだらええねん」ということになるので、それぞれのところに本醸造とか純米酒とか、日本酒度などの特徴が紹介されているし、壁には人気のランキングやおすすめの酒の番号が書かれている。これを見ながら選ぶのもいいだろう。
やはりよかったのはランキング一位の越後鶴亀。こちらについては実家の土産用ということで一本買い求めた。ここは利き酒だけであるが、同じ構内には販売コーナーもある。後は魚沼代表ということで小千谷の田友。
これらを試食用の味噌や塩とともにいただくことができる。駅の構内でこれだけのものができてしまうのは新潟らしいところか。首都圏から新潟方面に向かうと最初に通ることもあるし、特急「はくたか」は北陸新幹線開業で廃止になるとしても、魚沼、上越地区への入口であることには変わりない。また越後湯沢そのものも温泉やスキーといったリゾート地区である。これからも賑わいを見せることだと思う。
そして今回は、久しぶりにチャレンジをする。同じぽんしゅ館の中にある「雪ん洞」のおにぎりである。以前は食堂の装いで定食ものや地酒の飲み比べセットも置いていたのだが、現在はおにぎりのテイクアウト(または、店の前のテーブルで食べる)方式の店である。魚沼こしひかりを使ったおにぎりは「爆弾おにぎり」として、1合の中に具をぎっしりと詰め、外から海苔を巻くもの。それでも、ソフトボールくらいの大きさはある。
今回チャレンジというのは、米4合に5種類の具をトッピングする「大爆おにぎり」である。もう6~7年も前になるか、この「大爆」を二度完食したことがあり、その時に店の方が撮影したポラロイド写真が店内の一角に飾られている。現在まで延べ140名ほどの達成者が名を連ねている。今回、さりげなく私の若かりし頃?の写真がまだあるのをチェックする。
具材には鮭、たらこ、梅干し、きゃらぶき、蕗味噌を選択。造っている様子を外から見ると、丼に米と具材を押し込んだものを2つ造り、その丼2つを合わせる。そして大きなおにぎりの塊をこしらえた後に、ラップで巻くような感じで海苔を巻きつける。
そして出てきた一品がこちら。赤ちゃんの頭くらいはある。カウンターテーブルの向かいに座っていた人が思わず息を呑む。またここは土産物を買う人も行き来するので、周りの人も一瞬足を停めてこちらを見る。さてチャレンジだが、まずは豪快にかぶりつく。まず外側を攻めていく間は順調にいけるのかなと思った。以前の完食時も、思ったよりは早いペースで進んでいたっけ。
ただ、中から出てくる具材が曲者だった。結構辛く味付けされており、まあ辛いのが食欲を進ませるのだろうが、量も多い。具材は5つ「まで」選べたわけで、これなら一つくらい省いてもよかったかな。おにぎりの大きさは、具材の量の多さによるところもある。
中盤からは箸を使い、中をほじくり出していくところだが、どうも調子が出てこない。やはり怖い者知らずで来ていた30代前半と40代の違いだろうか。脂汗も出てきた。さすがにこれ以上無理をすることはできず、6割ほど消化したところでギブアップ。うーん・・・これも年かな。残りは店の方にアルミホイルで包んでもらったが、正直に白状すると食べずに途中で処分してしまった。白米と塩だけのおにぎりならよかったが、グズグズになった具材が邪魔をしたような感じもあったので。もし今度来ることがあったら、もうチャレンジはせずに、普通に1合の爆弾おにぎりにしておこう・・・・。
駅前で無料の足湯につかる。越後湯沢に来ることにした時には午後の列車で長岡に上がり、信越線を通って直江津に戻る計画だった。それが、旅の出発直前でとある列車の指定席を取ったことで、また変更である。もう一度北越急行に入り、十日町に行くことにする。今からだと予定よりも早い列車で十日町に出ることができる。十日町は以前に列車の待ち時間で少しだけ駅前に出ただけなのだが、何かスポットもあるようである。それを楽しむとしようか・・・。