

15分ほどで己高閣の臨時バス停に到着する。そこに至るまでの区間、路肩や田んぼのあぜ道に駐車するクルマがズラリと並ぶ。紅葉の名所というのが知られており、クルマで訪れる人が多い。バスに同乗したボランティアガイドの話では、午前中はもっと手前から駐車の車列ができており、そこから歩いたら結構な距離になるようだ。「それなら、このバスに乗ってくれたほうが早く着くのにね」という。ちなみに紅葉バスは11月末までの運行である。
鶏足寺はここからさらに山の中に入って行く。ただまずはその前にバス停近くの己高閣を訪ねる。鶏足寺というが、カッコ書きで(旧飯尾寺)という表記がある。元々は近江の鬼門を守るということで奈良時代の行基が開いたとされ、その後栄えたのだが、明治の廃仏毀釈で寺院の規模が縮小されてしまった。また火災のためにお堂も焼けてしまい、今では廃寺のような感じだという。本尊である観音像は与志漏神社の境内にある己高閣に移されて、ここでお参りする。




そして、田んぼのあぜ道をぞろぞろと歩く行列にくっつく形で、鶏足寺に向かう。紅葉の協力金ということで鑑賞には200円を支払う。








紅葉のスポットといえばどうしても京都が取り上げられるが、こうした湖北のスポットというのも知る人ぞ知る感じでなかなか良かった。木ノ本までやってきたのは正解である。







本堂裏の書院から回ると秘仏の地蔵菩薩を後ろからお参りするのができるのだが、そこで般若心経の一文字を選んで紙に記し、奉納するというのがあった。うーん、一文字だけね。「空」とか「不」とか「無」という漢字が頭をよぎるが、私が選んだのはお経本文の最初に来る「観」。


駅に戻り、琵琶湖横断からは長浜、木ノ本と来た1日の行程も終了。琵琶湖近辺はまだまだ知らないスポットも多い。西国三十三所巡りとなれば滋賀県内にはあと5つ札所が残っている。周辺のスポットとうまく組み合わせて、湖国のよさというのを味わってみたいものである・・・。